劇団扉座第53回公演『アトムへの伝言』

アトムの伝言2013

カッパ3.5をフクシマに
大震災の時、そして今この時も、放射能いっぱいの壊れた建屋の中に、我が国の優れたヒト型ロボットを送り込み、復旧作業にあたらせることは出来ないのか。それは世界中の人々がアトムの登場を、夢と希望のSFとしてではなく、切実な願いとして初めて祈った体験であった。
福島の事故を契機に、人間のように状況判断し動くことが可能な非常事態用ヒューマノイドの製作熱が高まり、高額の研究費と賞金のかかった開発コンペも始まっている。しかしそこに参加することをロボット工学の最先端を走る日本の研究者たちが躊躇しているという。
そこで開発された技術が、たちまち戦争に使われてしまいそうだから。放射能の充満する壊れた施設に突入し任務遂行する能力を持つ不死身の勇者は、あらゆる軍隊が求める兵士だ。この芝居が、描いているのと同じ葛藤である。
2005年の愛知博で、あるパビリオンの演し物を創っていた時、会場のアチコチで働くロボットを眺めていて思いついた作品である。当時は、お客さんのみならず上演している我々にとっても、どこか荒唐無稽のおとぎ話だった。それが今、妙にリアルになっている。まして今回は、東北の演劇ファンからのリクエストを受け、被災地でも上演することになっている。
だからって、今までのスタイルを変えて声高に何かを言い出すつもりはなく、相変わらずの涙と笑いの人情劇として練り上げてゆくんだけど、山中崇史演じるお笑いロボット『カッパ3.5』が原子炉建屋内に突入してゆく図をちょっとだけ想像しながら、3度目の稽古に取り組んでいる。 横内謙介

劇団扉座第53回公演『アトムへの伝言』

作・演出:横内謙介

日程
【東北ツアー公演 】
5月15日(水)18:30開演 須賀川市文化センター大ホール
主催:須賀川演劇鑑賞会
5月16日(木)18:30開演・17日(金)13:00開演 いわきアリオス[大ホール]
主催:いわき演劇鑑賞会
5月18日(土)18:30開演・19日(日)13:30開演・20日(月)19:00開演・21日(火)13:30開演 福島テルサFTホール
主催:福島演劇鑑賞会
5月22日(水)18:30開演 會津風雅堂
主催:会津演劇鑑賞会
5月23日(木)18:30開演・24日(金)13:30開演 郡山市民文化センター中ホール
主催:郡山演劇鑑賞会
6月4日(火)18:30開演 山形市民会館
主催:山形演劇鑑賞会
6月6日(木)13:30開演 イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)
主催:仙台演劇鑑賞会
6月7日(金)19:00開演・8日(土)13:30開演・9日(日)13:30開演 仙台市民会館 大ホール
主催:仙台演劇鑑賞会
6月10日(月)18:30開演  岩手県民会館 大ホール
主催:盛岡演劇鑑賞会
6月12日(水)18:30開演 秋田市文化会館
主催:秋田演劇鑑賞会
6月13日(木)18:30開演 青森市民ホール
主催:青森演劇鑑賞協会
6月14日(金)18:30開演 弘前文化センター
主催:弘前市民劇場
6月15日(土)18:30開演・16日(日)13:30開演 八戸市公民館(八戸市公会堂文化ホール)
主催:八戸市民劇場0178-43-0615
6月18日(火)18:30開演 十和田市民文化センター
主催:十和田演劇鑑賞会
6月20日(水)18:30開演 鶴岡市文化会館
主催:鶴岡市民劇場

厚木公演
2013年 6月29日(土)・30日(日)
厚木シアタープロジェクト第25回公演
厚木市文化会館 小ホール WEBサイト
主催:(公財)厚木市文化振興財団/扉座
応援:厚木シアタープロジェクト市民応援団

【東京公演】
2013年 7月3日(水)~7日(日)
新宿東口 紀伊國屋ホール  WEBサイト

文化庁ロゴ
助成:平成25年度文化芸術振興費補助金

出演者

岡森諦 六角精児 山中崇史 / 野口かおる(客演) 中原三千代 伴美奈子 犬飼淳治 高橋麻理 鈴木利典 高木トモユキ 江原由夏 上土井敦 新原武 松本亮 松原海児 野田翔太 比嘉奈津子 塩屋愛実

スタッフ

作・演出:横内謙介
舞台美術デザイン・技術監督:大竹義雄(プランニングアート)
大道具:島崎義行(プランニングアート)
照明プラン:塚本悟(ASG)
照明操作:日下靖順・岩田佳奈・川添真理(ASG)
音響プラン:青木タクヘイ(ステージオフィス)
音響操作:鈴木三枝子(ステージオフィス)
衣装デザイン:木鋪ミヤコ・大屋博美(ドルドルドラニ)
演出助手:川名幸宏
舞台監督助手:日高拓二・木下善弘
舞台監督:大山慎一(大山組)

協力:MY Promotion Inc.トライサム 大沢事務所 MIYAZU ROOM オリオンズベルト クリオネ 竜宮城スパホテル三日月 すみだパークスタジオ 明和運輸 明治大学 大熊雅美 菊池美香 海老根節雄(テンプリント) 井上優

宣伝美術:吉野修平
イラスト:溝口イタル
舞台写真:宮内勝

票券:竹内亜希子
制作:赤星明光・田中信也(扉座)/(公財)厚木市文化振興財団
製作:扉座