2007年07月                             

稽古(2007.07.31)

 恩田さんのホンが、少しずつ届けられてくる。

 来るたびに読み合わせながら、一方で、上がっている部分の稽古をする。

 しかし、まだどんな結末なのか、誰も知らないので、手探りではある。
 しかも、来るたびに、何かそれまでとは違う展開に転がっていくので、まったく油断が出来ない。

 しかもたいてい、かなり思わせぶりな気配やセリフでちょん切れていて
 
 この続きはまた次回の送信で……

 みたいなことになっている。
 連続ドラマというか、まるで紙芝居みたいである。
 
 んで、案の定、送られてくる続きのシーンでは、軽い裏切りやどんでん返しみたいなことから始まることになっている。
 
 ひょっとしたら、稽古場の片隅に覗き穴が空いていて、わしらの反応を恩田さんが密かに覗き見しつつ、続きを考えているのではないだろーか。とさえ思えてくる。

 普通、芝居ってのは、どんな役を演じる役者も、自分がその劇で何をやるのか、あらかじめすべてを知っているものである。
 なのに、今の状態は、誰も自分の未来を知らない。
 わしも、構想の全貌を聞かされていない。

 長く芝居をやってきたけど、こんなのは初めてだ。

 もちろん、初日から台本はあった方が良いわけで、これは困ったことではある。

 でも、わしは、ちょっとこの状況を楽しんでいる。
 明日は、また違うことになってるかも知れないと思いつつ、今の場面を作っている。

 まあ、大袈裟に言うならば、それは人生そのものであるわけで、
 どんな登場人物にとっても、それは究極のリアルなのだから。

 自分の未来を知ってる人間なんてインキチだもんな。

 自分が書く芝居で、先はどーなるか分かりませんよ、とかいいつつ、少しずつ原稿を渡していく、なんてことは、臆病者のわしにはとうてい出来ぬ芸当で、これはあくまでも恩田さんが仕掛けてきていることであるから(まあ、そんな策略はないだろーけど)、尚更、ある意味無責任に開き直ることも出来るし。
 
 大変なのは俳優だけどね。

 けれど、キャラメルボックスの俳優たちが望んだことは、わしの起用も含めて、今までやったことのないことにチャレンジしたいということだから、
 これはこれで、楽しんでしまった方が勝ちである。

 
 ともあれ、そんな感じで、稽古はちゃんと進んでいる。

 
 

 



クミ と マリン(2007.07.28)

 実を申して、隠れてスロットはしていたのである。
 さすがに長時間の戦いはなかったが……

 んが、やはり巷間語られている、射幸性抑止を目的とした五号機への変更による、パチスロのヘナチョコ化問題は、ヘナチョコ打ちのわしにとっても重大なものだった。

 リオパラとか、猪木とか、シェイクⅡ とか、一通り試してはみたものの、

 さっぱり面白くないのである。

 んで、いよいよスロットともお別れの日が来たか、と思っていた今日この頃であったのだが……

 バクチ業界はしぶといとつくづく思うのである。

 ここに来て、倖田來未のパチンコ台導入である。
 本当に、ずーーーーーーっとパチンコはやってなかった。
 最後にやったのがいつだったか、忘れてしまったぐらいに。

 でも最近の大宣伝である。
 何しろ地下鉄の駅にデカイポスターがはりまくられである。
 まるでCD発売のように。
 
 んで、つい店の前を通りかかったとき、あまりに熱気を帯いているので、何だ何だと、覗いて見たら、店内一角に黒山の人だかりである。

 倖田台は空いてある台がないのだ。

 で、しばし見学してんだけど、何か、そーいえばバチンコって、どんなだったけかなー
 とか思い出して、

 黒山ではなかった、海物語の 最新沖縄版 というヤツに腰掛け、なんやかんやで、一勝負したのが、つい数日前。
 

 で、今日、原稿が一部上がってきて、とうとう始まった
 『猫と針』 
 の稽古を
 
 まあ、初日はこんなもんだろうとか独り言いいつつ、
 早めに切りあげて、
 
 わしは倖田をやっつけに行ったのだった。

 
 で、やっつけられた。
 手強し、倖田!

 しかし、すでにパチンコ魂は完全に甦り、クミは ダメでも
 マリンなら 
 微笑んでくれるはず、とか独り言いいつつ、

 沖縄に移り、

 結果マリンは今イチだったけど、
 友達の

 ワリン

 て娘が、わしを助けてくれて、
 四連チャンをプレゼントしてくれ、

 結果、イーブンで終戦を迎えたのだった。

 
 でもって、思ったのが、
 知らぬ間に パチンコが大変なことになっている。
 ということだ。

 大工の源さんの頃のような、出玉大爆発みたいなことは、もうなんだろうと思うけど、

 とにかくいろんな仕掛けとか、演出とか、
 徹底的にハラハラさせ、飽きさせない。

 倖田には、やっつけられたけど、やっつけられながらも、この先どんなことが、いろいろ起きるのか、いつか見届けたいと思ったものだ。

 とまあ、そーいうワケで、時代は、
 変わった。

 これからはクミ と マリン だ。
 そしてワリンもよろしく。


 にしても、今日、かなり真面目な顔して稽古を終えて、ささっと帰ったわしが、その足で、パチンコ屋に向かったと知ったら、
 岡田クン、さぞ呆れるだろうなあ……

 これから帰って、上がってきた分の戯曲研究をボクはしてくるよ……

 みたいな顔していたはずだ、わしは。


 ちょっと心配である。
 
 
 いや、明日からは、もう芝居のことしか考えない男になる。
 とここに宣言しよう。

 倖田さんじゃなくて、恩田さんは、今この時も寝る時間を削って、芝居書きしているのである。

 そんな暇があるなら、恩田先生のおうちの方に向かって、気を送らなくてどうするんだ。

  

 なにはともあれ、稽古は始まったので、ご心配頂いた方々、どうかご安心下され。
 
 しかも、

 リアルでサラリとした言葉の端々に、恩田さんらしい、曲者チックなレトリックが散りばめられている
 新しい文体の戯曲が誕生する予感に満ちております。

 
 
 そんなこんなで、明日はもちろん、猛稽古!
 その前に、ちょっこっとだけ、世田谷の戯曲セミナー夏期講習に顔を出す。

 
 あと

 『ドリル魂』シオサイト・イベントを応援して下さっている皆さん、どうもありがとう。
 本番まではまだずいぶんあるんですけど。

 実はココはすごい真剣勝負の場だと思うんだよな。
 あんなメディ業界のど真ん中で、何回もやらせて貰って、そこで何の話題にもならないぐらいなら

 これは、たいしたパフォーマンスじゃないってことだもんな。
 
 それじゃイカン。
 何としても、ニュースにしてやると。

 わしら
 ケッコー、
 
 本気でかかってます。

 ますますのご声援をヨロシク! 

  
 
 
 
 


 



塩チョコ(2007.07.23)

 本当は今日から

 猫と針 が稽古開始の予定だったのだけど、まだ恩田さんの台本が仕上がってないので、恩田さんとの打ち合わせと、出演者の皆さんとの顔合わせと相成った。

 まあ、稽古開始予定日に、台本が仕上がってるなんて、この広い世界でも、シェイクスピアと わし ぐらいのもんなので、驚きもしないが。

 でも、いろんな仕事抱えつつ、初戯曲に挑み、がんばってる恩田さんに、何か励ましをと思い、新宿デパ地下を徘徊する。

 んで、伊勢丹で、行列発見。
 とにかく、行列なら良かろうという安直な発想ではある。

 そこは 何か パリ直輸入のチョコレート屋であった。
 明治の板チョコみたいな寸法のチョコが千五百円みたいなとこだ。

 何にも分からず、列に並び、店員さんに、

 ココは何が名物なんですかねえ と尋ねる。
 
 そしたら  

 塩チョコであると。

 オオ、塩チョコか。

 今回の 猫と針 においては、キャラメルボックスの
 塩版。

 つまり甘いだけでなく、大人テイストの、
 塩キャラメル で行くと

 勝手に宣伝してあるので、何たる偶然、素晴らしいと思った、わしだった。

 んが、何と、それは売り切れ。
 まだ昼過ぎぐらいのタイミングだったのに、さすが名物である。
 
 仕方なく、第2名物などで、用を足したが、
 ない となると、とても気になるのもので、
 
 いったいどんなんだ、塩チョコ と完全にわしの 記憶装置に
書き込みがされたのだった。
 

 それはともかく、

 そうなんだな。

 ない となると欲しいんだ。

 扉座のチケットは いつも ある から、
 あんまり欲しがられない傾向にある。


 これがイカンねえ。一度、思いっきり早い段階で

 ない

 になってみせないと、いつも
 ある と思われてしまうからなあ。

 ちなみに、猫と針 はもうほとんど 

 ない!

 状態になっているそうだ。
 凄いよねえ、ほぼ同じキャリアの劇団なのに。

 で、ドリリ魂 だ。

 
 このチケットも実はもう   


 ない!




 と早く言いたいなあ。
 ただ今、ドアクラブ 先行予約受付中!

 まあ、シオサイトの イベントで 
 人々をびっくりさせて、

 ない

 ゾーンに一気に突入する予定である。



我ながら(2007.07.22)

 自分のテキトーさ加減に呆れる。

 笑三郎さんが司会のラジオ番組は 邦楽ジャーナル ではなく 邦楽ジョッキーだった。

 そして今、劇団は 『ドリル魂』 の狂騒再び。

 とりあえず、木曜日から始まる
 日テレのシオサイトでのイベント出演のための支度におおわらわである。

 おおわらわ って、どんな わらわ だと今思った。

 笑笑 て店があるが、たぶん 関係ないだろう。

 で、もう一方で 猫と針 の稽古も始まる。

 でも、訳あって、こっちは始まるような、始まらないような……

 一言言えるとしたら、作家って大変ねえ……

  
 とまあ、そんな具合。

 でも、26は 汐留に行く予定。
 もし、近所にいて、ヒマしてるような人がいたら、是非、覗きに来て欲しい。

 夏休みのイベント会場で、
 たぶん

 浮きまくっていると思う。

 しかし、これが回を重ねて8月末辺りになると、ええっ!
 と思うほど、声援者が増えている
 
 予定である。

 
 

 



夏工事モード(2007.07.20)

 書き物の手をちょいと休めて、錦糸町に。

 昼は、ラジオの打ち合わせ。NHK FM の邦楽ジャーナルってやつ。笑三郎さんがやってるヤツに、八月、ゲスト出演する打ち合わせ。

 その後、稽古場へ。

 そろそろドリルも再発進である。

 とりあえず、まずはトモとケンタ、あと新人軍らの歌唱上達度を確かめる会。

 上野(ご指導)先生から、一度、聞いてくれと、リクエストされていた。

 その成果は、日テレ・イベント会場で示されるはず。
 累央が前半、別現場なので、二人がその穴埋めをしなきゃならないのだ。
 さて、どうなるか、乞うご期待。

 ニュー・ドキドキポイントであるが。
 両人とも、やる気は漲っているので、期待して欲しい。

 その後、今度は、AUNにきて貰って、現場リズム のクリニックを。

 こーへいさん りょーへい さん、両人そろい踏みである。

 何と贅沢な指導かと思うが、この前の美浜イベントの時、お願いしてみたら、快諾してくれて、実現した。

 いろいろ凝って複雑化していたところを、敢えてシンプルに戻し、その上で、味付けの勘所を伝授してくれた。

 で、確かに、スッキリしつつ、気持ちよい一体感が生まれた。

 このニョーバージョンは、日テレイベントから、お披露目の方針で、取り組んでいく。

 稽古を終えて、行きつけ居酒屋 天紫亭へ。

 AUNを囲む会、開催。

 いろいろ面白いこともあるけど、各人のブログ等に、写真入りでレポートされていることであろう。

 参照されたし。


 あと、今日、面白かったのが、ガン平さん。
 今朝、サクラ大戦の打ち上げが終わって、昼過ぎから、稽古に参加だったのだけど、明らかに、アルコール漬け状態での登場であった。

 稽古中も、なんかフラフラと挙動不審な動きで徘徊したり、窓から空を見て、ニヤニヤしたり。

 聞けば、今朝七時過ぎ、帰宅の時、新宿から亀戸まで帰るのに、ふと目覚めたら、国立に到着していたのだそうな。

 いったい、どんな経路で移動してそんなことになったのか。
 酒が弱い、わしなどは、人生で一度でいいから、そんな酔っぱらい方してみたいもんだと思う。
 
 で、そんな具合だから、稽古が終わったら、直帰なさるのかと思ったら、ちゃんと呑み会に参加。
 
 そして呑むほどに、しゃきんと背筋が伸び始め、無意味なニヤニヤも消え、至極まっとうなことを語り始めたのだった。

 でも、さっきまで何やってたか覚えてる?
 と聞くと、

 打ち上げてすよ。

 と答えていた。

 そんな感じで、工事がまた始まった。




 26日。メット者たちは、汐留に集結せよ!
 
 



演劇人の日(2007.07.18)

 昼は サザンシアター へ「朝焼けのマンハッタン」を観に。

 今年の世田谷の戯曲セミナー夏講座の、観劇課題がこの作品なのである。講義で、斉藤憐さんが来て、この自作について語ることになっている。

 責任者としては、観ておかねばなるまい。
 硬質な現代史劇。

 それを火曜の真っ昼間、たくさんの熟年層が観劇している。
 それも、リニューアルしたタカマシヤ新宿店 ともあんまりご縁のなさそうな、気真面目感漂いまくりの方々。

 その光景を見て、日本の文化は未だ捨てたものではないと、思いましたね。
 そして清く正しい、左翼の知性が充満していた。

 話は飛ぶが……

 日頃ノンポリという主義で生きようと決意している私であるが、(アナーキズムにはあらず)、今度の選挙って、本当に争点が不明瞭なんだな。
 九条の問題とか、大問題なはずなんだけど。

 自民と 民主 が、ここで対立してないからな。
 自民は変える 民主は変えない

 ぐらい大きくぶつかってくれないと、選択した感が持てないよな。
 明解な護憲は、左翼しかないし。
 
 だから左翼がもっと頑張っていいんだけど。やつぱり、ノンポリ派としては、共産主義 とか社会主義 てものをもう一回、吟味して整理し直してくれないと、ノリにくいところがあるのである。

 中国とか、ソビエトとか、どー考えても上手く行ってたと思わないし。そういう考えは古いのかもしれないけどな。

 とまあ、そこら辺のところを思いつつ、この芝居を見ると、斉藤憐は、アメリカの良いところ、ダメなところ。両方を冷静かつ的確に捉え。
 左翼に対する、批判も遠慮なく、加えながら、描いていたと思う。

 アメリカでは、芝居書いて、死刑にされることはない。
 その代わり、芸術も商品にすぎない。
 (一方、かつて進歩的芸術家が理想とした、芸術家が飢えない国・ソ連では、国家の方針に合わない芸術は徹底的に破壊された)

 こういうところが、斉藤さんの論理はとっても分かりやすい。

 その後、喫茶店で、書き物のこと、しばし考え。
 花園神社に。
 椿組の野外劇。今年は劇団員3人参加。行かぬワケにはいかぬ。

 先日、最後の深夜劇場でインタビューした今売り出し中の、田村孝裕さんの作演出。

 なんで、コレ野外劇でやってるの?とひたすら疑問の、これまたキッチリした会話劇。
 とても丁寧に作られた、よくまとまった良い芝居ではあったが。

 でも、作家に聞くと、自分の持ってる世界は野外劇向きではないので、今回はかなり派手になるよう意識した、という。

 これで派手なのか、とちょっとびっくりしつつも、不思議に納得。
 スタイルを貫いているのだね。
 かなり若いはずなのに、そこは逞しく、したたかである。

 そーいう作者の資質が、キチンと出ている芝居なのだ。
 かなり多くの登場人物が出入りするけど、単なる書き割りのようにならず、一人一人にちゃんと個性が与えられているし。
 そしてそれが、ドラマをしっかり支えている。

 
 あと、
 椿組座長・トバさんの本格的演技を初めて見た気がした。
 なかなか良い役者であったなあ。
 いつもの賑やかしの感じは好きだけどね。アレは椿組内でしか、威力を発揮しない芸だからな。
 今夜のは、紛れもない演技だった。
 お昼は、夏八木勲さんが主役で、夜は 外波山文明さんだったのだけど。
 存在の確かさにおいて、拮抗していたと、ちょっと贔屓目に見て、言っておく。
 
  

 

 
 
 



 
 



どーなんだ?(2007.07.12)

 マイミクさんから、メッセージが届いた。

 キャラメルボックスの岡田達也さんのブログに、とある指摘がありますと。

 ちなみに マイミク というのは、ソーシャルネットワークの
mixi 内における友人のことね。

 その人とは、お会いしたことはないんだけど(たぶん)ね。
 会ってたらゴメン。正体が分かってないかも……

 みたいなことです。
 わしは、この4月から、ミクシィ内も、自在に闊歩する現代人になってるからな。

 あっちにも日記があるし。で、微妙に人格も使い分けてるし。

 ただ、あっちの方が絶対に、アクセスの数は少ないにもかかわらず、足跡というシステムがあって、読まれた、繋がってる、分かり合えてる(おそらく誤解が半分以上だが)みたいな実感が、あるから、ケッコウ、気合い入れたりしてしまう。

 まあ、やってる人は覗いてみて。

 

 それはともかく、

 岡田問題だ。
 

 わし 

 自分で演出する芝居のタイトルを間違ってた。

 針と猫 じゃなく

 猫と針 だった。

 猫先、だ。


 申し訳ない。
 
 関係各位に、心よりお詫び申し上げます。


 オールスター、すごかったね。
 イチローのホームランで、思わず

 うおーーーーーーっ!

 と声を上げたら、

 隣でまったりしてたモーが、びつくりして怯えだし。

 うわわわわわわんんんんんーーーーーー!

 と吠えた。

 サンフランシスコに届いたと思うよ、
 わしらの声。  

 

 



777(2007.07.10)

 芝居書きの日々。
 次に大きくカラダを取られるのは、

 針と猫

 の稽古突入なんだが、それまでに終わらせたいことがある。

 で、2000 777 の日も
 勝負どころでなく、ひたすら書き。

 猫の前に 鼠 書いてるとはコレいかにだけど。

 ところで今日はそんななかでも用事があり、外出。
 サンシャインまで

 その 猫方面の 取材で、岡田達也氏とインタビューというか、対談を。

 まだ本が上がってこないんだけどね。
 
 本がないから、むしろ言いたい放題状態なんだが。

 にしても、作家さんて大変だよなあ、としみじみ思う。
 何しろ、本が なきゃ始まらないんだからね。
 第一次産業ですよ。

 超売れっ子の恩田さんですからねえ。
 やりくりも大変なんだろう。

 ともあれ、そんな感じ。

 尚、今日その現場に、赤星が aU から送りつけられてきた新しい携帯電話を持ってくる。

 ツーカーが終わるので、早く替えてくれろ、ということらしい。
 他のメーカーに移られたら困るので、頼みもしないのに勝手に
送りつけてきた。のらしい。

 わしゃ、ツーカーの 最後の一人になると、決めていたんだが。
 それにしても、今、そういうメンドーちいことはしたくないので、まだ当分、ツーカーのままでもいけるんだろ?
 とか言ってたら、

 赤星が、ボクがやります、とか言って、サクサクと箱を開け、新しい機械のセッティングを始め、

 ついに ツーカー の息の根を止めてしまった。

 新しいのは、当然のこと、アンテナも伸びない。
 
 これにて、わしも現代に生きる人になってしまった……

 明日はオールスター。

 て、わしゃただ見るだけだけど……


  



同時進行(2007.07.06)

 油断している隙に、いろんなことが同時進行することになった。
 しかも、ここから10月ぐらいまで、5つぐらいの課題が折り重なって迫ってくる。
 大丈夫か、オレ?

 とりあえず、今は、目の前のトンネル掘り。

 明日は、厚木まで行って。

 大地真央さんの
 「マイフェア・レディ」を見て、その後、『ドリル魂』のレコーディング会場へ!

 レコーディングである。

 CD製作に乗り出したのである。
 9月公演向けてリリースの予定である。

 まあ、わしが行っても、特に何の役目がある訳ではなく、
 もうすべて、
 長谷川監督と、上野先生にお任せなのであるが。

 でも、まさか、うちの劇団でミュージカルやって、オリジナルのCDを作ることになるとは思わなかったから、
 ある意味、感慨深いものがある。

 そんなのが本当に売れるのか、という心配はあるものの、な。

 まあ出来上がったら、またロビーでセッセと売ることになる。

 永遠に続く、演歌スタイルである。

 



ダンスの神様(2007.07.02)

 美浜は無事に、というか、見事に終わりました。
 
 一行で終わりかい?だけど、重みある一行だと思っとくれ。
メンバーのプログとか見れば、分かるはず。

 
 今宵は、ちょっとした美浜での忘れられぬエピソードを。


 参加者の中でも一番ちびっこのIちゃんは、踊りが大好きでした。でも、ダンスシーンのオーディションの結果、残念ながらメンバーには選ばれず、他の場面での出演になりました。
 
 Iちゃんはたぶん悔しかったし、悲しかっただろうけど、泣いたりせず、与えられた役割を一所懸命にこなしていました。

 でも、やっぱりダンスが好きなので、出番はないけど、他のみんなが練習しているダンスを、邪魔にならないように稽古場の片隅で、ずーっと練習していました。

 そのまま稽古の日々は進み、劇場の舞台を使っての、小返しの稽古の時のことです。

 Iちゃんはいつものように、ダンスを踊るメンバーたちとは少し離れた場所で、けれど、メンバーたちと同じ音楽に合わせて一人で踊っていました。

 Iちゃんがどんな気持ちで踊っていたのかは分かりません。ただ好きだからという以上に、もっと上手くなりたいという気持ちでいたのかもしれません。
 次の機会こそは、と……

 しかし今回は、もうお客さんに見てもらえる可能性はありませんでした。それなのに、毎日、踊り続けていたのです。
 それも楽しそうに。心から、この時間が大好きなんだという感じで。
 
 そしたら、その日の練習中のこと、Iちゃんは、ダンスの振り付けのL先生に、呼ばれました。
 先生はIちゃんを誰からも見えない、舞台袖に連れて行くと、言いました。

 「ふぉーえばーふれんず」を今ココで踊ってみな。

 Iちゃんは、言われるままに、L先生の歌と手拍子に合わせて踊りました。
 ずっと練習していたから、フリはもうすっかりと覚えていました。

 先生が最後まで歌い、それに合わせてIちゃんが踊り終えた後、L先生は、突然、舞台にダンスメンバーを呼び集めて言いました。

 扉座のTくん、今までご苦労様。
 今日から君のポジションに、Iちゃんを入れます。
 Tくん、クビだ!

 その時から、Iちゃんは、その場面に参加することになりました。本番3日前のことです。サポート的に出て踊っていた扉座メンバーTくんの代わりなので、立ち位置もちょっと端っこでした。
 その位置では、背の低いIちゃんは、周りのお姉さんやお兄さんたちに囲まれて、時々、姿が見えなくなってしまいます。
 
 でも、Iちゃんは、一所懸命に、そのポジションで踊りました。
 誰がどんなふうに見てるとか、そんなことお構いなしに、大好きなダンスをただ一緒懸命に。
 ここでも、与えられた役割に真っ直ぐに向かっていきました。

 そして、今日、Iちゃんはついにまっさらな舞台の上に立ち、満員のお客様の前で、大好きなダンスを精一杯踊りました。

 たくさんの拍手が、舞台に送られました。
 拍手はいつまでもいつまでも鳴りやみませんでした。
 
 大勢の仲間達と、そんな拍手に包まれて、Iちゃんはいつもより、少し大きく見えました。




 一所懸命やっていても、チャンスに恵まれていない、君に。
 
 少しぐらいツイてなくても、失敗しても、
 それで腐ったら、ダメです。
 簡単に諦めたらダメです。

 ダンスの神様は、きっと君のことをどこかで見ています。

 
 そしてある日、暗い舞台袖に君をそっと連れて行き、言うはずです。

 「ここで、踊ってみな」と。

 





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