2006年07月                             

梅雨の合間(2006.07.28)

 ダンドリ。も執筆的には、ほぼ終盤に向かっている。まだ息は抜けないけど、頂上は見えてきたので、少し気分はラクになってきた。
 
 ここ数日、ひたすら家に籠もって書きの日々だったが、珍しく夕方で、一段落が付いた。
 んで、たまった連絡物など見ていて、慌てた。
 先日、パンフのために対談した御徒町凧さんの舞台が、始まってる。しかも今日、このタイミングで行かなきゃ、もう見られないかもしれない感じだった。

 慌てて、赤星に連絡をとって、ギリギリに劇場へ飛び込む。
 前もって、台本は貰ってて、ザッと目を通していたので覚悟していたが、見事に得体の知れない舞台になっていた。
 ただ、不快なものではなく、細部にセンスのよさが光り、言葉に対する企みがインスピレーションを刺激してくる。
 いかにも詩人が好き放題に作った舞台だったな。
 
 一見、かなり即興的というかアバウトに見えて、その実、ワシらの三倍くらいは稽古を重ねている舞台だ。
 役者間の間合いが、それを物語っている。
 凧さんは、心地よい空間を生み出す、演出家でもあるなあと感心した。あと色彩感覚が素晴らしい。
 
 にしても、森山直太朗くんという人気者も出ていて、かなりミーハー的に集まった観客も多いと思うんだけど、直太朗の歌が聞けるでもなし、流れてくるでもなし、そういう意味で、まったくサービスなしの硬派なショウだった。
 そういう姿勢が、なかなか良いんだよね、彼らは。
 まあファンも、そういう部分に、ついて行ってるんだろう。こういう人たちにハマる人たちというのは、裏切られて当然のマゾ体質になるのだと思う。

 さて、明日、明後日は、劇作家協会の短気夏期合宿。鈴木聡さんの創作講義と、井上ひさしさんの自作「夢の痂」を語る講義。
 ワシは、コーディネーター役なので、何となくいなくちゃならぬ。
 
 まあ、我ながら、どっちの企画も面白そうだから、ゆっくり見物に励むつもりではある。
 ちなみに明後日は、鴻上さんの、劇作家のためのワークショップというのが予定されている。
 劇作家志望の人たちが、ジャージに着替えて体操したりするのである。
 これもなかなかのもんだと期待している。

 今最もしたいこと。
 新しいパチスロ、新北斗の拳 をやること。
 何とか1日空かないかなあ。
 



七月(2006.07.19)

 お通夜が続いた。
 ともにとってもお世話になった方。

 私たちの厚木の活動をごく初期から支援して下さった恩人と、善人会議時代から応援してくれて、とても良いお仕事を何度もやらせて下さった業界の恩人と。

 時が過ぎれば、人との別れがあることは、摂理とはいえ、もうお会いできないとなると、もっとこうしておけば良かったとさまざま後悔の思いが湧き上がる。
 手を合わせつつ、ひたすら、お礼を。

 あと、本日は、川西佑佳のインタビューを受けた。
 今、扉座通信の記者をやっているそうな。
 しかし、一個なんか質問してワシが一通り答えると、次の質問はもうナシ!みたいな感じで、まったく会話が弾まず。
 こんなことで、原稿になるのか、こちらが心配になった。
 
 9月に出る通信らしいので、仕上がりを楽しみに。
 あれで、どんな原稿になるのだろう。

 取材といえば、先日、ショッパーの取材を受けた。
 山下幸乃とともに。
 ダンドリ。関係で。
 山下は、厚木高校のダンドリ出身で、今、テレビに役を貰って出演しているのである。
 二人で、写真とかも撮られた。
 なかなか痺れるツーショットである。
 
 知ってる人は知ってると思うけど、私はショッパーとは、かれこれ三十年前の出会いより、浅からぬ因縁で結ばれている。
 取材に来てくれた若い記者さんも、それを知っていてくれた。
 厚木高校物語が有名にした、ショッパーでもあるのである。
 相変わらず、取材する人が、写真も撮るスタイルは変わらずで、ワシ一人、ウケていた。
 さすがにネギは持ってなかったが。

 そんなワケで、昨日は、厚木を往復したのだが、まあ例によって厚木の方々とお会いし、いつも行くカライラーメン居酒屋へ行った。
 そこには巨大なダンドリポスターが。
 厚木では、かなり盛り上がっているというか、盛り上げてくれている。
 で、そのポスターとともに、張り出されていたのが、扉座・茅野イサム様、というお札。
 カライことで有名なこの店の地獄ラーメン完食者の張りだしである。
 
 つなみにワシは、昨日、二の矢、というやつを、岡森と分け合って食ったが、それでも充分カライのである。
 地獄はそれの5倍ぐらいカライらしい。
 
 ともあれ、そこで茅野が名を売っているのが、スゴイと感心した。
 扉座魂である。
 若者よ、続け。
 
 
 

 



始まった(2006.07.13)

 すでに途中から完成に向けて何度か見てたけど、昨夜は改めて家で見てた。
 テレビについては、日頃全く、お客さんなので、とても不思議な感覚だったな。

 しかし、まあ舞台以上にはるかに、ホン書きと、現場が乖離している世界なので、どこか他人事というか、やっぱり基本的にお客さん感覚は変わらなかった。

 まだ途中だし、テレビは世の中への影響力が大きすぎるので、いつもと違って、この場でも迂闊にモノが言いにくい。裏事情を素朴に語ったり出来ないんだな。

 このところ、日記の書き込みが進んでいないのも、忙しいだけじゃなくて、そのことも原因の一つなのであった。

 ともあれ、放送が始まり、いろんな人から励ましのお言葉や感想など頂きました。
 まだ私の仕事は八月終わりぐらいまで続くはずだけど、少しでも面白く盛り上がって行くようにがんばります。

 あと、厚木厚木と宣伝されているワリには、厚木じゃねえじゃんと、憤っている人も多いのではと思いますが、これはもう、かなり前から、厚木の話ではなくなっているので、ご勘弁を。

 でも細部には、知る人ぞ知る、厚木テイストはちりばめてあるので、分かる人だけ分かってくれたら面白いって感じです。

 本当はロケが厚木で出来たら良かったんだけど。
 厚木は最近、そういう撮影誘致に熱心で、最初はそう言う話もあったんだけど、学校を使うロケに、制限が有りすぎたのが、別の場所になった大きな理由らしいです。

 まあ、いつでも好き放題使って良い学校なんか、あるはずはなけどね。
 でも、本気で、そういうのを誘致して、町興しするつもりなら、学校一個まるまる解放しちゃうぐらいの太っ腹で望まないといけないのかもね。

 それやこれやで、明日も打ち合わせ。
 台本的には中盤過ぎから、そろそろ終わりに向けての相談も始まってるところであります。


 

 

 



七夕過ぎ(2006.07.10)

 今日は、ダンドり。の記者発表へ。
 戸田恵子さんや国分太一さんらと初対面。
 放送局関係の人とか、事務所関係の人とか、大勢の人と久しぶりに会った。
 例によって、たくさん人と会うと、変に興奮する。
 引きこもり生活もかれこれ半年~ 
 は大袈裟か。
 
 ダンドリ。
 いよいよ明後日から、放送される。
 
 一方で打ち合わせと執筆は、延々と続いている。
 放送が始まると、尻に火がついた感じで、ますます時間に追い回されるのだろうな。

 それを思うと今から、ゲッソリ。

 ああああ、遊びてぇ。
 パチスロ、やり狂いてぇ。

 そういえば、大阪でパチスロ狂いのバカ息子が、母親を金槌で殴り殺した。
 しかも、その後、財布から金抜いて、パチスロ打っていたそうな。
 怖いけど、あるかもなあ、と思う、その恐怖。

 異次元への逃避なんだねえ。
 母親殺したことも忘れて、打ててしまうのだねえ。
 没頭するんだな。
 リアルが消えて、ひたすら絵並べの作業に。
 
 にしても、母親殴り殺した感触が残る手で、
 北斗の拳の 右だ左だ、アタタタタタ!!
 とか、打ってたのかねえ。

 青ザコやミドリザコたちが吹き上げる、変な色の血とか、ケンシロウのカラダから、飛び散る血の絵とか、どんな気持ちで眺めてたんだろうねえ。

 まあ、彼が、北斗を打っていたとは、報道されちゃいないのであるが。
 それはそれとして、
 今日の記者発表で、我ながら、よく言ったと自画自賛の言葉。

 親殺して、家焼く前に、ダンスを踊れ。

 これがダンドリのテーマである。



七月(2006.07.02)

 土曜日は、打ち合わせ後、錦糸町に急ぐ。
 若手の ユタカの月 を。
 
 よくがんばってると思うけど、うちの若手は、実はそんなに若くないからね。
 他の若者劇団なら、そろそろ芝居ヤメようかという年齢だったりするモノもいるワケで、そういう意味では、もっともっと出来るだろうという、気持ちも残った。
 
 まあ、そんなに意気込みを見せられる芝居じゃないし、何より、ついこないだまで、先輩たちがやってたというプレッシャーもあろうから、難しいだろうが。
 素人相手のワークショップでも最近ずっと言い続けている、人のセリフを聞く芝居が、まだまだ足りない。
 舞台の上で、耳とか、目とか、感触とか、鼻とか、語感が自然に生きていない。
 だから、会話が深まらないし、時間が自然に流れていかない。
 ホントに難しいことではあるが。
 
 先日、そういうことの上手い人たちばかりというか、チョーベテラン揃いの新国の芝居を見たばかりだから、余計にそんなふうに思うのだろうナ。
 舞台の上で、生きる、って簡単には言うけど、そこが俳優の仕事なんでしょうなあ。
 メシの種というよりも、必須の技術ね。
 メシの種には、華というものが必要だからさ。 

 でも、ずっとダメだダメだと言われ続け、今も決してダメでなくなったわけでもない、高木智之が、リーダーシップを見せて、稽古場公演を引っ張っている。
 芝居は相変わらず下手だけど、そういう姿勢は、確実に演技を磨くモノである。
 わたしらが若い頃も、何に鍛えられたって、とにかく公演を仕込んでやり遂げていくことの繰り返しだった。
 稽古で上手くなったと言うより、劇場が育ててくれたというのは、そういう意味だ。
 教えてくれる人なんかも誰もいなかったのだし。
 何よりも、人間として磨かれる。これは真実。
 高木が、頼もしく見えていた。

 そういう意味で、扉座稽古場公演、とても期待の持てるものだと思った。
 良い空間だと感じたし。
 なかなか良いよ、扉座アトリエ。
 もっともっと、いろいろやるべきだと思ったな。

 次は犬の会がある。

 犬と言えば、うちの犬。
 実は、3週間前にとんでもないことが起きていて、ずっと気が気じゃなかったのだ。
 犬用の歯ブラシというフザケたものがあるんだが、そのアタマを知らぬ間に、食いちぎって飲み込んでしまったのだ。
 慌てて、お医者さんに相談したけど、出るのを待つしかないですと言われていた。
 途中、具合が悪くなったら、開腹するしかないと。
 
 それで待っていたのだけど、ずーーーーーーっと出てこなかった。
 元気は元気で、食欲もあったし、暴れていたし、出るのもは正しく出ていたし。
 でも、不安は常につきまとい、いつ、グッタリなるかと、心配でならなかったのである。

 妻が、確かに飲み込むとこを見たといい、実際、そのアタマだけが消えていたから、たぶん飲んだことには間違いないとは思われていたが、にしても、こんなに出ないと、いったいどこに消えたのかというミステリーとなりかけていた。

 それが土曜の朝。
 ポロリと落ちていたのだった。
 上から出たのか、下から出たのかはまったく不明であるが、とにかく、まあ体内巡りをしてきたような痕跡は見られた。

 ほっとし、良かった良かった、ではあるのだが。

 それにしても、こんなに長い間、このブラシのアタマは、犬の中の、どこをどう旅していたのか。
 
 とりあえず、ビニールに入れてとってある。
 
 火曜日の番組収録のゲスト、本谷有希子さんのビデオを見ている。
 面白い。
 錦織伊代、にこれぐらいのクオリティに早く達して欲しいと願う。

 

 





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