ああ……(2005.12.31)
やんなきゃいけないことまだ、二つ、三つ。 でも、気持ちが入らない…… お仕事、いやよ。いや……
もういいか。 来年やろうか…… ダラダラとネット徘徊して、ヤフーニュースを見る。
アイスマンの呪いで、7人死亡だってさ。 イタリアかどっかの記事らしい。
ちなみに、今年は万博でも、アイスマンが登場し人気を博した…… とかはナーンも書いてない。 ゼンゼン、勉強不足だぜ。 勉強しないで、軽々しくそんなこと言うヤツが、罰を受けるぜ。 それはそうと基本的に私はオカルト信者である。 幽霊はそこら中にいて当然と思っているし、呪いも、あると思ってる。 ただ、霊界というところは、この世以上に筋の通ったところだと認識している。 それが人間の魂に係わることである以上はね。 縁や意味もなく、魂は人に干渉しちゃこない。 まあ無縁仏、って可哀相な存在もあるけれど、そんなのは、私の仕事にとっては、むしろ大切な取材対象だしね。 出会うことがあれば、逃げたりしないで、じっくりとお話を聞いてあげなきゃいかん。 それはもう、職業的責務と思っている。
私は、夢幻能というのが好きなんだが、あれも旅人・たいてい坊さんが、その地に居着いている幽霊の話を聞いてやる、というのが主なストーリーなんだよね。
ドラマは、幽霊にあって、旅人はひたすら聞き役なのよね。 んで、作家って、そういう役目の人のことなのだろうと思うのである。 言葉を求めて、訪ね歩く旅人ね。 なんかルー大柴みたいだけど。
対象は死んだ人に限らず、生き霊とか、囚われ人とか、ともかく、真実の聞き役を強く求めている人でね。 聞くことが、仕事なのよ。 まあ、そう言う意味で、私は、アイスマンの言葉に真摯に耳を傾けた、つもりでいる。 どんな幽霊もそういう人のこと、無闇に殺しゃしねえだろうと思うんだよな。 だって、こっちは大事な言葉を預かってるんだからね。 アイスマンからのメッセージだって、まだ語り尽くした訳じゃないんだ。 今後、どんな芝居になるかもしれない。 そういえば、アイスマンも、今年の忘れがたい仲間であった。 半年に渡って、あのお顔を見続けた結果、とってもフレンドリーなものに思えはじめたのは、私だけではあるまい。 なんたって、子供が、何度もリピートして、アイスマンに会いに来てたんですからからね! 今年アイスマンは、日本ではすっげえアイドルになった、って誰か、語学に堪能な人がワールドワイドに伝えて欲しい。
気が付けば、日付変更。 今年も、終わる。
昨日、本日(2005.12.29)
昨日は、らぶ3の選考日。 いつになく若手劇団員が大勢参加してくれた。 しかしあれほど、5時間以内で頼む、と言っておいたのに、やっばり7時間以上かかった。 本数では34本。
でも、今回は長時間着席の仲間が大勢いたので、苦労は多少分配された。 まあ、何度も言うけど、やる方がタイヘンだろうとは思うが。
最初は笑顔で、ケッコウ応援気味に反応していた若手たちも、三時間を過ぎた頃から、目に見えて笑顔が減ってゆき、5時間過ぎた頃から、明らかに、つまんないのは早く終われよ、打ち切り制度はないのかよ、オーラが全身から発せられるようになった。
ここ10年の若手は皆、らぶ3経験者であり、自分たちだって、通ってきた道なのにな。 なあ、分かったろ? 気楽に見えて、演出席にじーっと座って、稽古見てるのもタイヘンなんだぜ。
稽古場の寒さで、カラダは芯まで冷え切り、アタマはボーッとしてきていた。 それでもガッツで、全部見て、選考する。
今年は実話系にチカラのあるものが揃った。 反対に、笑わせたり、気が利いてる感じのものが少ない。 今年のメンバーは総じて真面目なんだろうな。 おとなしく感じるのも、そのせいであろう。 もっとハジケた演目が欲しかったけどな…… 若手たちの意見も聞いた。 選んだのは12、3本か。 三分の二ほどは、ここで捨てることになる。
研究生たちは、皆、黙って結果を聞いていたけど、内心は穏やかではないであろうなあ。 そりゃ、自分で作って、自分に見せ場があるものをやりたいもんなあ。 でも、現実は厳しい。 これは、そういうものを受け入れて、たくましく次に進むレッスンでもある。 いくら努力しても、がんばっても、仕上がりが水準に及び、観客の心を掴まなきゃ、拍手は貰えない。 選考会を見てるのは、所詮身内なんだしね。 いろいろ口では厳しく言っても、結局は味方だし、応援の姿勢がある。
でも、らぶ3を見に来るのは、見知らぬ観客たちだ。しかも、チケット代を払ってくる。 それはとても怖いことである。 ということを、私らは痛いほど知ってるから、ダメなものはダメよ、と冷たくいうのだ。
演劇の神様は、いつも徹底的に意地悪で、不平等主義者である。 なーんの努力もしてないヤツを突然贔屓したりするくせに。 死ぬような努力に、一瞥もくれなかったりするんだ。
その辛さに耐えかねて、優しくして下されと、言えば言うほど、辛い試練を投げつけてくる。 そういうものだ。
全通しで、7時間以上かかるものから、今回チョイスしたのは、約1時間半の分量。 つまり、神様に5時間半以上の分を生け贄に差し出すのだ。 そんな感じだな。 そして、闘いは、実はここからなんだよね。
でも、今回、犬飼淳治が指導チームへの参加を表明してくれた。 これは非常に頼もしい。 ビシビシと鍛えてやって欲しい。 そんで大人しい彼らを、ハジケさせてやって貰うおう。
今日は、大掃除。 と、まだまだ終わらぬ原稿ノルマ…… お部屋がキレイになったとて、進まぬモノは、同じ。
友人の岡村が、知らぬ間に結婚していた。 やふーニュースで知る。
年の瀬(2005.12.28)
ただ今の業務としては、やり残した原稿書きと雑用もろもろ、あとはラブ3作り。 久しぶりに、東京にいる年末正月で、今年は本格的に掃除もしなきゃイカン。
一昨年から使ってる巨大本棚も、大混乱して、バランバランになっており、1回落ち着いて整理しよーな、状態である。 あの本、どっかあったよな…… と思っても、探す間にゲンナリなってくる。 せっかく壁という壁を全部、本棚にして、これで快適と思ってたのに、私、片づけの出来ない中年です。
らぶ3は、目下、今までの放置のツケを必死に取り戻そうとしているところ。 9年目となると、もはやネタのパターンは出尽くした感はあって、なかなか、おおコレは新しいでぇ、というものが出現しない。 それでも、若者たちを叱咤激励し、もっとないか?もっとないかと問い続ける。 んで、明日は、上演作品のセレクション。 またまた、長時間に及びそうな、嫌な気配。 30本ぐらいにしてくれよう、と頼んでおいたが、さてどうなるか。 まあ、何十本もやる方がずっとタイヘンではあろうが。
でもなあ、諸君、寒いうちの稽古場で、7時間もじっと座って、あんまし上手くもない寸劇、ずーっと見続けてご覧なさいな。 かるい拷問でっせ。 正直、この時期のは、まだ上手くも、面白くもないのである。 笑えるモノもいくつかあるけど、半分ぐらいは苦笑モノだし。 結局、捨てるために、やってみるみたいな部分もある。
ただ、どれも知恵を絞って一所懸命作ったモノで、作った本人たちにとっては、簡単に捨てるのは辛い話であろう。
けどね、 ハイ、それ捨てよ。 捨てて、捨てて! と、かるーく言っちゃう。 まあ、ここら辺は、おじちゃんだって、いつも命削って作品作りしてんだからね、っていう迫力でしょうな。
半分以上、捨てるのなんか常識でしょ、て。 おじちゃんなんか、三分の二まで書いたところで、全部捨てて、まったく別の話を、書き上げたことだって、何度もあんだかんね。 ともあれ、明日はそういう日。
一番下の子は、19歳ですよ。 おじちゃん、てか、完全にお父さんの年齢だもの。 私が25の時に生まれた子です。 扉座の本によれば、 私、25の頃、 「夜曲」とか「まほうつかいのでし」とかを初演してます。 空中劇団いよいよが解散して、路頭に迷ってた佐藤浩一クン(現・茅野イサム)が、スズナリのバラしに勝手に参加して、打ち上げに潜り込み、善人会議に入れて下されと言って来た頃である。 なんちゅうか。 たぶん、今の研究生より、ずっと荒削りで下手だったとは思うんだよね。 しかし、すでにわしは自分らで劇団作って、スズナリで公演してんだよね。 茅野は、何の縁もない劇団の芝居見て、ここ入ろ、とか思って、強引に自分を売り込んで来たんだよね。 それを考えると、 やっぱり、まだまだバイタリティってもんが足りませんよ、今の若者たちは。 おじちゃんはそう思うね。
良いこと(2005.12.26)
朝から家で仕事。 今年中にやっつけておくべきノルマとの格闘。
夕方からは、お食事会。 「狸御殿」を見にいった時に、紫先生に、お誘いを受けていた。 帝国ホテルの、一流食堂へ。 久しぶりに、猿之助さんとお会いした。 顔色も良く、お元気であった。 芝居の話しをたくさんしておられた。
そして、 去年、博多で倒れて以来、まったく途絶えていた、新作への注文が、今夜は、ついに出た。
まあ、以前のように、それでは、何年の何月に、どの劇場でやることにするから! みたいな、電撃的な話しじゃないけど。 こんなことやれないかね?面白くならないかね…… みたいな話をひとしきりした後、
ところで、それ猿之助さんが演出して下さるんですよね?
と私、勇気を振り絞ってお訊ねしたところ。 私がやります。 と、はっきりと仰有ってくれた。
来年は一つ、二十一世紀歌舞伎組の大きな公演があるけど、 新作ではないからね。
新しいモノ、創りたいものな。 猿之助さんとは、常に。 そしてびっくりし続けたい。 スバラシイ、 クリスマスプレゼントだった。
良いことがありますように(2005.12.25)
オリンピックを目指す若い女子たちの、闘いを観て、その後、ローマの休日までずるずる観て、家テレビなイブです。 ローマの休日みたいなの、いつかやらなアカンと思いました。 何度目かの鑑賞ながら、ホント上手く出来てますなあ。 ユルユルのとこいっぱいあんだけど、そこがまた魅力になってて、計算かしらと思わせてしまう、名人芸……
ドラマだの、映画だのは、そーいう風に、没頭しきれず、必ず何か、別のスイッチが刺激を受けるので、困るのである。 ではスポーツなら、と思っても、それはそれでアイススケートとかは明らかに、表現分野の問題で、これは選曲ミスちゃうかとか、構成甘いでぇとか、もう一品オカズ欲しいなあ、などと、これまた余計なことばっか考えてまう。 要するに、もう宿命的に、いっつも仕事アタマなのであろうーな。 仕事嫌いなのに。
そしてまた1年が過ぎて行くわけです。
別にそんなに良いことがなくても構わないけど、来年もまた、いろんな人と出会えたり、再会できたり、仲直りできますように。 時には喧嘩もあるだろうけど、笑える余地がありますように。 とにかく、アッという間だからね。 一日一日を無駄にしないようにしなきゃ。
備忘録
22日は、朝から演舞場で「狸御殿」。夜は青山「エビ大王」 たぬきはひたすら可笑しく、エビは熱く。 たぬきとエビだぜ。 どちらもいっぱい、演劇仲間たち。楽屋周りで、良いお年を! その合間に「平成マシンガン」ていう15歳の女の子の書いた小説を読む。 これまた、傑作。 ひたすら人の作品を鑑賞した一日。 23日は、正午から、劇団総会。 犬飼会長の俳優組合も、会議する間もなく活動停止状態のようで、労使間、何の議論も起きず、来年も楽しくやりませう、みたいなシャンシャン総会であった。 メンバーたちは、夜のパーティの支度にかかる。 私は移動して、別件の打ち合わせ。 格好のパチスロタイムとなるかと思われたのであったが、その暇、まったくなし。 ずいぶん、アタタタタタタを聞いていない。 夜からはドア倶楽部パーティ。 三回目を迎えて、徐々に参加者が減ってきているこの実情。 でも、開いている我々は、徐々に毎年のこれが楽しみになりつつあるのであった。 もちろん会員の皆さんのためにやってるんだけど、まあ、いいからわしらが面白いと思うようにやろう、と。 最近のわしら、どんどん肩のチカラが抜けてきていて、自分で言うのも何だけど、良い感じになってると思う。 たぬきの楽屋で、藤山直美さんが言ってはった。 こんなんいうたら、差別表現やからアカンけど、キチガイの文化祭みたいなもんでっしやろ?まともな人、やりまへんわ、こんなこと。 私達もまったく同じ。 こんなん言うたらアカンけど、キチガイの文化祭ですわ。 メリークリスマス! 安藤選手の演技構成は私に任せた方が良いと思う。
扁桃腺(2005.12.22)
先週末頃から、にわかに扁桃腺が腫れ出して、熱出してかるく死んでた。 死につつも、仕事は進行させていたけど。 土曜日に犬飼が出てたモダンスイマーず観劇。 日曜日、本格的発熱でダウン。 月曜日は劇作家協会の理事会、雑誌の取材を受けた。 火曜日は、休み休み、本書き仕事。 そんで今日は、お昼に錦糸町へ。 ラブ③の稽古。
気が付けば、もう今年もカウントダウン突入じゃないの。 まだ今年のノルマが終わってない。 扁桃腺はやっと退き始めてくれてるけど。 そんな中、明日は芝居見物の日。 午前中から、狸御殿、とカラダの調子が持ちそうなら、もう一つ、見るかも。 それにしても扁桃腺て…… まるで子供だね、と我ながら情けなく、倒れておった。 今年は春先に名古屋で1回、何か突発的な下痢風邪もらって、年末にこの扁桃腺。 たまに休めと、カラダに命じられる。
まりやとか、豊橋とか(2005.12.16)
昨日は、山田まりやの出ている芝居を見た。 実は、山田を見るというよりも、劇作家仲間の坂手クンがマキノノゾミの演出で、役者やってる姿を、冷やかしに行こう、て感じの方が強かったのであるが。
坂手クンは、立派にやっていた。 もっと下手クソなのを期待していたので、ちょっと拍子抜け。まあ元々、良い顔してるし、声とかも大きいからね。 ちゃんと舞台空間にはまってた。 もちろん、ところどころ不安定なところが見えて、スリルゼロではないんだけど。 不思議な存在感が、良い味になっていた。 にしても、マキノさん、面白いことを考える。
で、まりやクンだが、これがとっても良かった。 33歳の処女なんて役なんだけど、ちゃんとそう見えていた。 これはすごいことです。 今までは、どうしても、あ、山田クンが何かやってる、って見え方になる部分があったのに(坂手クンに気をとられてる隙に、って感じもありつつ)昨夜の舞台は、そういうのが消えて、すーっと役になって舞台に居た。 山田クンは、どんどん役者になって行く。 まあ年間五本も舞台に立って、それも実にいろんなタイプの舞台で、なんちゅうか、一般の若手演劇人とは、流れてる時間が違うのであるが、 そういう経験を一つ一つ、確実に血肉にしている。 非常に頼もしい。
んで、今日は、豊橋へ。 来年の百周年記念市民音楽劇の制作発表みたいなやつをしに。 わしは「語り継ぐ者たち」に続く茅野・モボコンビの後見に付く。 茅野は豊橋生まれ、モボ鈴木は、予備校時代に浜松から豊橋に通っていたという、豊橋ラインで、中身は作られる予定だ。 わしは豊橋には何の関係もないけど、茅野に、故郷へ錦を飾らせてやりたい一心である。 それはそうと話は戻るが、坂手の舞台。 微妙にライバル心をくすぐられるものである。 たいていの演劇関係者がそうなんだけど、役者じゃなくても、心のどこかに、役者をやりたい気持ちがある。そして本気でやれば、オレの方が上手い、とたいてい思っている。 他ならぬ、このわしも、昨夜、ちょっとそんな気持ちが湧いた。 ああ、坂手、そこはそうじゃねえだろう…… オレならば! なんてね。 劇作とか、演出とかは、どんなもの見ても、羨ましくなることなんかないんだけど、役者やるって言うのは、何か羨ましい……
次々に(2005.12.14)
次なる芸当に取りかかる。 まあ、中身は追々お知らせ申す。 来年3月に舞台にかかるもの。 これは今年中にあげなくてはならない。 すでにアトムは星の彼方に飛び去った。
しかし、例によって、エンジンはかからず。 パソコンに向かっても、カラダが嫌よ嫌よ、と言って刃向かう。 稽古から、本番の間はたいした書き物もなく、そんなにストレスも感じなかったんだけど、何と言っても、もう年末ですからね。 こんな時に、地道に物書きせいというのが、どだい無理な注文なのである。 そんならもっと早く取りかかって、今の時期は空けとけやって話ではあるが。 そんなことが出来るぐらいなら、とっくにやってるわい。
ともあれ、今日からもう一つ、やっつける闘いが始まる。 でも明日は、錦糸町。 ラブ3のお稽古に。
追伸。 若井田シルク(サーカス)スクールのメンバーで、国文祭イベントや愛知博で活躍してくれた、桧山宏子さんが、シルク、ド、ソレイユのオーディションに合格したとお知らせがあった。 それがどんだけ凄いことかは、私もよくわかんないんだけど、何と言っても、あのラスベガスのショーは全部、ソレイユメンバーがやってるわけで、ついに、錦糸町の稽古場から、ラスベガスに飛び立つパフォーマーが出現した、ということになるのかもしれない。 まあ、とりあえずは、アレグリアとか、日本での公演に参加するととこからだろうけど…… ともあれ、夢のある話で、スバラシイ!
あとあと……
ホンダのアシモがバージョンアップした。 今年はトヨタにいろいろかき回されたから、ロボット界の先駆者として巻き返しに出たらしい。 それがスゴイ。 走るし、ぴょんぴょん跳ねて、反転したりする。 その姿見て、あ、カッパの原型だと思ったのは、わしだけか?
そんで笑ったのが、ホンダロボットの開発主任て人の名が重見っていって、カッパの開発主任の人見と、ちょっと似てたこと。もちろん、そんなことは知らなくて、これはシンクロニシティである! 加えて、ちゃんと白衣を着ていたこと。 実はロボット創ってる人は白衣なんか着てないだろうなと思っていたのである。 でも芝居だから、わかりやすくしようと思って全員白衣にしたんだが、やはり白衣で正しかったというわけだ。 演劇人が、どんな人も稽古場では、ジャージを着ているようなものであろうか?
粉雪の歌舞伎町(2005.12.13)
千秋楽の舞台。 中で見る予定にしていたけど、キャンセル待ちのお客様まで出たので、座席をリリース。 最後の最後に、満員御礼やっと出た。 各所、年末の追い込みと、忘年会のまっただ中で、今の時期興業は総じて苦しいと皆さん嘆いている中、大健闘ですよ、と業界の人々に誉められる。 ともあれ超満員で気持ちの良い千秋楽になった。 上手の照明部屋に行こうかと思ったが、ここも身内と関係者たちで一杯で、行き場を失い、結局久しぶりに楽屋にいてみた。 以前はよく、楽屋にいて下らないことなどしゃべり倒し、芝居中の役者たちの邪魔をしていたものだ。 もう大人なので、我慢が利くようになった私は、なるべく静かにして舞台のモニター映像に見入っていた。
打ち上げは、いつもよりちょっと良い飲み屋さんで。 今回は平均年齢も高いから、頼むから、油の良い店で飲み食いさせてくれと、制作にお願いしたのを聞き入れてくれたのだった。 そんで、9時に始まり、12時に終わるという、極めて健全な打ち上げになった。 もう一軒行ってもいいかなとも思ったけど、六角や有馬などオヤジたちはそれぞれに帰宅していくし、油の良さげなご馳走で、お腹一杯の上に粉雪は舞い散るし、毎晩の宴会で疲れたから、今日はもう帰ろうかと思い、店先からささっとタクシーに乗って帰ってしまった。
なんという淡泊な打ち上げか~ さっき、景子のページを覗いたら、半分ぐらいはカラオケとか行って、朝まで暴れてたんだね。 昔は、そういうのも全員参加で、わしもがんばって歌とか歌ってたもんだが…… もう、そんな元気ないなあ。 と言うか、チケットリリースした時点で、私の公演はきっちり終わっていて、さあ、次なる作品作りに向かわなくては、という気分になっていたのである。 昔みたいに、一作への思い入れがあとをひかないカラダになっているのだろう。 徐々に終盤に差し掛かり、楽屋にもいよいよ終わりムードが差し迫ってくると、役者たちも明らかにゾーンに入ってきた、って感じで無口になってくるし、何か楽屋もいにくくなって、仕方なく、楽屋口から書店の方に出た。 んで、ちょっとフラーっと、書籍売り場を覗き周り、そんでホールの方へ下りて、今度は、となりの画廊でやってる幕末写真展を鑑賞したりして…… もちろん芝居が終わるのは淋しいし、必死で作ったものなんだから深い愛着もある。 けど、もう何十回も、こんなこと繰り返して来てるからな。 こうして消えていくのが、芝居なんだよな。 いいんだいいんだ、消えろ消えろ。 オレは、また新しいの作っからサ。
みたいな感じ。 うんとドライな気分になんなきゃ、次なる芸当に向かっていけないもの…… 何か、去っていく女への強がりみたいだけど。 オレは、大丈夫。今まで付き合ってくれて、ありがとな、みたいな。 でもね、粉雪が舞う明治通りをタクシーの窓から眺めながら、劇団て面白いよな、ってしみじみ思ったね。 今回は、ベテランと若手のバランスが絶妙だった。 劇団にしか出来ないことが、たくさんあった。
ともあれ、公演終了。 見に来てくれた皆さん、どうもありがとう。
ありがとう(2005.12.11)
今日は、公演やって、亀屋芸能主催宴会に、お呼ばれした後、サザンシアターへ行って、劇作家協会の新人賞の公開審査へ行った。 そんで協会の忘年会に出て帰ってきた。 いろいろやって、今も何か、頭が分裂している。
明日は千秋楽。 水曜日辺りの思わぬ盛り上がりで、これは金曜日辺りから嬉しいパニック発生かと思ったけど、劇場の神様は、そんな甘くなかったですね。 金も土も、パニックなんか起こらず、想定内の範囲で、粛々と公演は進みました。 ちょっと上手くいってるからって、思い上がるな。まだまだ道は長く遠いのだと、戒めているのでしょう。 だから、うれしさもほどほど。 また頑張ろう、って感じです。 けれど、見に来てくれたお客さま方には、ホントに公演を熱く盛り上げて頂きました。 一度見に来て、次には、別のご友人を連れてきて下さったりして。 誰かに、勧められて来て下さったって方が本当に多かった。師走の、あれこれ慌ただしいときに、ね。 どうもありがとう。 お陰で、楽しい気分で、今年を締めくくることが出来そうです。
扉座での私の新作は、また来年の秋になります。 今度の作品については、珍しく、今の時点で構想が存在しています。 『アトムへの伝言』を書きつつある時に、次にはコレを書かねばと、もう一人の私が強く訴えてきた作品です。 アトムの構想がまとまらず、ちょっと悶々とした時期には、いっそもう全部捨てて、タイトルからすべて乗り換えちゃおうかと思ったほど強力な衝動に溢れたものです。 それを今から1年かけて、ゆっくりと仕込んでいきます。 アトムとはまた、まったく違う感じの作品になっちゃいますけど…… 作家として、今書かなきゃいけない芝居なんです。 どうぞ、待っていて下さい。
尚、春には、茅野が、念願のトップス公演に挑みます。 実は私達は、トップスで公演したことがなかったんです。 トップス落成当時は、何となくスズナリ派とトップス派みたいな色分けがあって、私たちスズナリ育ちの劇団は、借りに行っても、なかなか順番を回して貰えなかったりしたんです。 春は、紀伊国屋の隣でお会いしましょう。
でもその前に、ドア倶楽部の方々とは、今年も稽古場での宴会が開かれます。 まあ、例によって、たいしたものじゃありませんけど、その分どうぞお気楽に、かるーい気持ちで冷やかしに来て下さい。 難しいこと、堅苦しいことは一切ナシです。 ゆるーい飲み会ですから。
じわじわ(2005.12.09)
昼間は原稿仕事して、夕方から新宿へ。 いつもは終わるまで何も食べないんだけど、小腹が空いて、紀伊国屋地下で、ぶっかけうどんを食う。 今日も満員。 数日前までは、ガラガラでやばいよって噂だったのが、ここ数日でじわじわと伸び、今日になって、ついに補助席出せないのに、どうすんだって感じでお客様が来て下さった。 見る人見る人、面白いから人に勧めると言って帰ってくれる。いつもはうるさいことも言う芝居仲間も久しぶりの傑作だぜ、とか。 久しぶりってどういうことだよと、少し憤慨するが、まあ今が良ければ、あとはどーでも良いのがわしら芝居者のサガで、とりあえず今上手くいってれば、ご機嫌ではある。 でもしかし、明日が、最後の勝負となる。(土日もまだ売り止めではないけど、残席わずか。急いで下さい) 実は明日の金曜日、まだまだ、叩き売るほどチケットが残っているのである。 これでもし、明日が満員になるようだったら、今回の芝居はホームランと言ってよかろう。 芝居がお客を呼んだ、という言う以外ない結果になるからである。 だってホント、もう泣きたくなるほどガラガラな感じだったんだから。 それが特に何もしないままに、じわじわと埋まって来ているのである。
百鬼丸は、劇団始まって以来の、紀伊国屋ホール満員御礼が楽日に貼られた。 さて、今回2回連続で、札が出るか。 かるい博打気分みたいで、わくわくドキドキである。 今日も演劇関係者大集合だった。 万博の博士だった劇座の平野クンまで、名古屋から駆け付けてくれた。 まったくなあ、ほんの3年前まで、長久手だの扶桑町だの、愛知ですっげえ苦労しつつ公演してたのになあ。 今年、愛知でやってないのは、痛恨のミスだと思うぜ。 そしたら、きっとわしらの劇団の名古屋公演史で最も盛り上がった公演になったろうに……
そんな中に、相棒の水谷さんと寺脇さんも。 水谷豊と言えば、わしらの世代には傷だらけの天使だし、熱中時代だ。カリスマ的な存在なんである。 六角と山中がお世話になってるんだけど、それを越えて、ミーハー的に嬉しくなる。 終わった時に、水谷さんが、ニコニコしつつ、握手の手を差し延べて下さった。 嬉しかった。
水谷豊と握手しているわしの勇姿、ガキの頃の友だちに見せつけたかったぜ。
終演後はまたまたまた居酒屋。 モボ鈴木や山田まりやクンらと、語らう。 まりやは、今、マキノノゾミ演出の芝居の稽古中。 今年は五本の舞台だって。 いつの間にか、誰よりも演劇人になっている。
さて、明日が勝負だ! 来い、満席連チャン! 鳴り響け「ユーあーショック!」 ラオウ昇天まで!
山場(2005.12.08)
演劇仲間大集合の夜であった。 特に、あとの居酒屋では、相棒の、大谷、河原、山中の3人が並ぶ図に、笑った。 実は、私はこの3人とは、それぞれ個人的に付き合いがあるから、なんでよりによって、この3人がテレビの中でトリオやってんだと、返す返す不思議であった。 以前神楽坂の名店で、神山先生とフレンチをご馳走になった、S夫人やピアニスト母のいつ子さん、バイオリニストの磯さんとか、も初めての扉座体験を。 内心は、舞台にも、芝居者たちという奇異なる存在にも驚かれていたと思うが、それぞれに喜んで下さり、何より。
結局帰ったら1時過ぎてた。 ちょっと疲れ気味~
あと昨日は、初めて錦糸町のサウナに行った。 ラブ③の稽古の後、まだ腰に違和感が残ってるのと、前夜に風呂に入り損ねて、何か気持ち悪いのとで、そうだ田中がよく行ってるとこに行ってみようと。 真っ昼間から、入浴である。 しかし、このサウナが、ナンチュウか、とても東京の街中にあるとは思えない独特の雰囲気のものであった。 浴場に入ると、背中流し専門のおばさんが待ちかまえている。三百五十円出すと、おばさんがカラダを洗ってくれるのだ。 おばさんは裸ではないのであしからず。 何か、半端な御輿担ぎの人みたいなスタイルである。 おじさんやじいさんが、おばさんにゴシゴシやられている。 私はちょっと勇気がなくて、ご遠慮しました。 そんで、何か、全面的にヌルっとした感じのサウナに入り、カラダを洗って、休憩室みたいなとこで、テレビ見て、ジュース啜って、新宿に向かった。 田中は、そこの常連らしいけど、いつもあのおばさんに身を委ねているのだろうか? 今度聞いてみよう。 てかそもそもここが好きなんだろうか? 私はと言えば、まあ良い体験させて頂きました。でもやっぱしラクーアが好き!っていうていたらくですが……
その後、新宿で、甥と姪のクリスマスプレゼント買い。 特に、甥は、Bjリーグの開幕式ショウに出演してくれたから、ギャラ代わりにリクエストに答えなくてはならない。 でも、その頼まれたブツがなかなかみつからず、あちこちさすらう。 やっとドンキでみっけて、ゲット。 あと伊勢丹で、子供向けのディオールブティックというのを伊勢丹でみつけて、軽く目眩を覚える。 どうなってんだ、今の世の中~
でもな、やっぱ、可愛いんだよね。ディオールに限らず、ブランドショップの品揃え。 バービー、なんてのがあって、置いてあるのが、もうバービーちゃんの着せ替え用品そのまんまである。 お買い物好きのオジサンは、嬉しくなって、やつぱり買ってしまいました。
必死!(2005.12.07)
お昼には横浜へ。 今年から、県の教育委員会の役目をやることになった。 その顔合わせ。 将来の神奈川の教育ビジョンを提案するのである。 にしても、そんなもの引き受けちゃって、今後は、あんまり変なこと出来ないなあ、と呟く。 変な事って、何よ?それしたいわけ? と言われたら、困るけど。 それはともかく、今日の横浜、日本大通りは、極めて寒かった。海岸に近いからか、余計に風が冷たい。 それで、久しぶりに腰に、ピキーっときた。 ヤバイ。 委員として、会議中に座ってる間も、ジワジワと背後に違和感が広がる。数年前に腰痛で立てなくなったのも、やっぱり寒い時期で、寒さがカラダの芯まで震えさせた時だった…… 必死に用心の体制に入る。 会議が終わって、新宿に向かう時、敢えて東海道線で、しかもグリーン車に乗る。 横浜、東京間、25分である。 腰にはしっかり五十円カイロを当てて。 はっきり言って、ギャラより高い交通費って感じ。 でも、その甲斐あって、何とか瀬戸際のところで持ち堪えた感じで、無事劇場にたどり着く。 そんで公演。 制作たちの必死の努力のお陰で、今日は最後列まで埋まった。 若いお客さんたちも多くて、劇場はかなり盛り上がった。 休み明けで、エンジンがかかりにくいところをお客さま方からエネルギー注入され、一気に加速した感じ。 我ながら面白かった。 この芝居は、やっぱり満員で観たい! あと5回!皆さん、何とか応援頼む。 今日は演劇仲間たちも多数ご来場。 終演後、どっと居酒屋に繰り出す。 打ち上げみたいな大宴会。 去年、病気して、しばし休んでいた、平栗(百鬼丸)あつみさんも元気な姿を見せてくれた。 博多以来のラッキイ池田様、えり様ご夫婦も、忙しい中、駆け付けて下さる。 語り継ぐ者たちでお世話になった、神田紅師匠も。(今回も芸人の世界なので、是非、ご感想とか伺いたかったけど、終演後の混雑に紛れて、聞けずじまい。ちょっとザンネン!) あと、 サクラ大戦がパチスロになった、広井王子様も、自分とこの稽古で忙しい中、合間を縫って、サクラの方々を引き連れて来て下さった。 今回、活躍してるケンタやガンは、サクラで育ててもらった若手である。 サクラの舞台観て、彼らの良さを私が再認識したりしているのである。 広井さんに、お礼を言う。
居酒屋で、わいわいと芝居の話し。 新宿で、芝居やってる…… て感じをしみじみ噛み締めた夜であった。
さっき帰宅して、たかシがくれた、マシュマロ・ココアを飲む。 甘く温かい。 ケッコウ大きな容器だけど、すでに半分ぐらい減っている。 この甘さ、常習性があると思われ……
明日は午前中から、錦糸町に。 ラブ③を作らなくてはならない。 腰よ、治れと祈りつつ。
第②ステージ終了(2005.12.05)
何だか今回の公演は3つの固まりになっている。 厚木と、新宿①新宿②だ……
その①が終わり、明日一日お休みして、火曜から、第③ステージに突入する。
今日の日曜日は、極めて軽快なステージであった。 太鼓の音もしてなかったし。 ラッパ、カッパも、だんだんネタが身体に染みついて来て、自由闊達に見えている。 ここまでケッコウ、細かく稽古して、作ってきたんだけど今日辺りは、全部が即興的にさえ見えてくる。 なかなか、本物っぽくて良い。 今日、ラッパ師匠は、例の「家の近所の猫」をついに舞台でネタ下ろしした。 私は、最後列で、則岡助手と並んで観てて、二人して笑いをかみ殺していた。 でも、客席的には、かみ殺している気配もなく、ただシーンとしていた。 呆然というのが正しいかもしれない。 今日は、かなり細部までウケていたのに、そこだけ、シーンとしているのが、一種異様でもあった。 まあ、冷静に観れば、別にナーンも可笑しいものはなくて、いきなり見せられたら「?」となってしまうのが当然のようなものではあるのだが……
今日は、近藤二十面相も柳博士のような銀髪でご来場。 終わるやいなや、各方面絶賛話題エッセイ集『夢見る力は眠らない』の販売に力を注ごうしている私のところに来て、 「おもろいなあ、傑作やなあ、よう書いたなあ!」 と絶賛して下さった。 もちろん、嬉しいのだけど、どんどんお客さんがロビーに降りてくる中、かなり大声でそんなこと繰り返している姿は、 なんか盛り上げるための
サクラに見えてんじゃねえかな、
って感じだった。 もちろん近藤さんは、ストレートに感想を述べ、誉めてくれてるんだけど、その様子がやたらに目立ち、通り過ぎて行く人が何事かと驚いて見ていたりするのである。
有り難いことで、心からバンザイなんだけどね。 そういう時、そんな中で、サンキューベリマッチ!とか叫んで、抱擁を交わし合う、なんてこと、たとえ洒落でもなかなか出来ないものである。 ありふれた演劇青年みたく、いえいえとか頭を掻きながら、照れたりしてしまった。 当たり前だけど、 つくづくスターにはかなわない。
たくさんの書き込みありがとう。 皆さんが、さまざまな思いを持って、私たちの舞台を見つめて下さっていることを感じられて、とっても嬉しいです。 我々の力不足で、なかなかご期待通りとはいかず、歯がゆい所も多々あるかとは思いますけど、どうぞこれからも応援をよろしくお願いします。
あと…… 何度も繰り返しますが、今年から紀伊国屋ホールは補助席が全面禁止になりました。 消防署からの問答無用のお達しだそうです。 しかし! 出足の遅い扉座公演、今ならまだ全日、間に合うはずですから(正確には分からないので制作からの情報をご確認下され)、少しでも早く予約を入れて下さいませ。 出足は遅いけど、走り出したら、早いからね。 潜在能力は高いんです。 それをたまーにしか発揮しないのが、苦労の理由~
土曜日(2005.12.04)
お昼と夜の2回。 間には、紀伊国屋さんからのカレーライスの差し入れを頂く。 昼の部には善人会議時代の懐かしい仲間、恵畑純子と、辻洋子と、藤本富美子が、それぞれ子連れでやって来た。 お子様たちも、もう劇場に座っていられる歳になっているのである。 あまりの懐かしさに、たまには集まってみようか、なんて相談になる。 今日、有馬が舞台で、来年は25周年とか言っていたが、もう随分と会っていない仲間たちもいる。 かと思うと、ふらぁ~と、懐かしい顔がロビーに現れたりして。 こちらは相も変わらず、一日千秋の如く、変わり映えのしないことやり続けているから、人々の変わりように、驚き、敬服するばかりである。 もし、ここを覗いてる懐かしい仲間がいたら、たまには遊びに来てよ。 私らは可笑しいぐらい、ナーンも変わってないからさ。 夜のステージは、芝居仲間が大勢集まってくれた。 明日も昼公演なのに、今夜も居酒屋。 それはそうと、今日のお昼。 私は劇場の最後列で観ていたんだが、途中で、太鼓の響きが聞こえてきた。 それもかなりの大音量である。 はっきりいって、妨害じゃねえかよ!ってぐらいの大きさだった。 後で聞くと、新宿一帯で何かお祭りみたいなのが行われていて、富山かなんかの太鼓軍が結集して、叩きまくっていたのだとか。 私は客席でかなりイラついていた。 飛び出して行って、とりあえずもっと離れてくれとか、小さく叩けとか、言いに行こうかと思ったぐらいだ。 役者たちもさぞ、ムカついているだことだろうと思った。 小さなミスが何度が発生していたのだけど、全部、この妨害音のせいだろうと考えた。 でも、そんな中でも、みんなは冷静にやっている。 雑音が入らぬように、ことさら集中しているのだな、これは、っていう感じだった。 んで終わった後、うるさかったよなあ!と言いつつ、労を労いに行ったら、そんなにうるさかったですか?と不思議がられた。 いろんな人に聞いた結果、舞台上や、真ん中ら辺の客席では、それほど気にならなかったらしい。
何か一人でイラついて、拍子抜けであった。 で、ふと我に返って思った。 だったら、お前ら、素で間違えてた、ってことじゃねーのよ。 しかも別に、ことさら集中もしてなかったってことだし。 ふざけんなよなあ、昼に備えて、酒控えて、ようく寝て来いよ! 朝からランニングぐらいかまして来いや。 でもやっぱり今夜も居酒屋だった……
しかし、明日は朝から、ネジ巻いてやる。
て言うか、最近、BBSの書き込み、少な過ぎない? 皆さん、感想とか書いて下さいよ。 1行でもいいんですよ。 感想が微妙なら、是非、励ましのお言葉を。 ロビーに立ってると、日記読んでますとか、予習してきましたとか、ケッコウ声を掛けて下さるのに、その割には、ここへの参加が少ないなあ、と淋しいです。
どうか、もっとお気楽に~
新宿初日(2005.12.03)
開いた。 久しぶりにやるので、昼から夕方までは、きっちり1回通しの稽古を。 そして本番に臨む。 制作苦肉の、若干割引の効果があって、本日は満員。 でも、何か、普段のお客さんとは違う気配の人たちも多かった。特に若い人が多い感じ。これは割引の影響か。 もちろん、それは望むところである。
んで開演した。 厚木は、待っていました状態での開演で、最初から客席が暖まってた。スポーツで言えばホームゲームだ。 しかし、今日の新宿はちょぃと違った。 開演後しばらくは様子の探り合いのような微妙な気配が漂う。 何やろうとしてんだろ、この人たち…… みたいな明らかな疑いの視線も多数って感じだった。 けれど徐々に、やろうとしている方針が見え始めて来た辺りで、客席の皆さまが疑いを解いてくれはじめた。 そして中盤以降は、気持ちの良い、受け答え。 芝居は軽快に走り、厚木よりタイムが自然に一分も縮まった。 客席が若い分、舞台も疾走したのである。
そういう意味で、今日の舞台は、スリリングだった。 もう3回も公演してきたのに、まったくの初日感覚だった。 最初からホームの厚木公演とは違う、ガチンコ勝負の醍醐味というか。 舞台と客席が、どーんとぶつかり合ってる音がした。
そのどーんの中で、ずっと冷静だった六角師匠も、何かのエンジンが突然かかり、セリフは飛ばすわ、人のセリフは食い散らかすわ、変なこと突然言い出すわ、大暴れ状態だった。 けど、最後のコントなんか、下手なお笑いライブよりも、きちんと受けていた。 ちなみに今日の私のツボは、本番はヨーデルだった部分で。 昼の通しでやった『家の近所の猫』ってやつ。 ヨーデルは茅野の本日のツボだったらしいけど、私は、それ以上に、昼の稽古で突然、師匠が始めた『家の近所の猫』に打ちのめされた。 はつきりいって、心の底からしょーもないネタなんだけど、不思議に横隔膜をひきつらせてくる。 でもそれを師匠が今後本番でやるかどうかは、まだ不明。 とにかく、師匠の気分次第で、そこらはどうにでも変わるのである。 私自身明日何が起きるか、よく分かっていない。 こんな芝居は、25年になろうとする劇団の歴史でも初めてのことである。 明日以降はまだ売るべきチケットがたくさん。 ここから、どんだけ伸びるか、楽しみではある。 うちの場合、最初から全部売れてる、なんてことはないから、芝居の評判がダイレクトに売り上げに響いてくる。 タイヘンだけど、そのスリルも今となっては愉快である。 しかし、きっと、こっからガンガン伸びてくると確信した。 だって、普段は飽きっぽい私が、これにはまだゼンゼン、飽きていない。 今日も、帰りがけに、別の日の予約を入れて行ってくれたお客さんが数人いらっしゃった。 何度も言うけど、補助席は本当に禁止になってるから。 頼むから、早めに予約入れて下され。
やっと、ようやく(2005.12.01)
師走になった…… 久しぶりに扉座の稽古場へ。 研究生たちのラブ×3の様子を見に。 例によって自分たちで作る小作品たち。 そのいくつかを見る。
まだ使えそうなモノは発見できず。 このままじゃ、アカンで、と。 ハッパをかけて帰ってくる。 にしても、私の登場が今年は遅くなりすぎた。 そんなに忙しかったのかな…… 忙しかったか。
でも今年は、ここまで有馬がとてもがんばって面倒をみてくれた。 こっからは私も参加して、六行会ホールの公演まで付き合って行くつもり。
本隊はやっと紀伊国屋入り。 ようやく芝居が始まる。
今日の予習!!!
この日記を読んでくれた人なら、すでにご存じの通り、今回は私が今年、大ハマリしたパチスロを一部ネタにしている。 ストーリーとはまったく関係ないから、何も知らなくても、問題はないのは、以前も申し上げた。 でも、知っていると、より一層楽しく観劇できるので、ここで特別にレクチャーしておきたい。
見る前に中身のことなんか、カケラも知りたくないという人は、以下、読まないでこのまま閉じておくれ。
まず、 「うぬのチカラはその程度か!」 というセリフを、岩本達郎が言うが、これは主人公、ケンシロウの最大の強敵(強敵と書いて、とも と読む)であるところのラオウが、ケンシロウに強烈な一撃を見舞った後で、吐き捨てるセリフだ。 この言葉を聞きながら、パチスロの画面の中で、ケンシロウが倒れると、そこでビッグボーナスという、大当たりが終了する。 んが、ここで、リンという少女が現れて「ケーン」と叫ぶと、 ケンシロウは復活して、ラオウとの闘いが再開される。
この辺りの、やりとりが出てきたら、 ああ、これはパチスロの北斗の拳のことをやってるんだなと思って下さい。 ちなみに特に面白いシーンではありません。 あんまり期待しないで下さい。
その後、今度は、ここで何度も語った、大当たりの中の大当たりの時にだけ流れる喜びの歌『愛を取り戻せ』が舞台に鳴り渡ります。 今回、歌の入った音楽が流れるのはこの一カ所だけですから、歌声が聞こえたら、それがそうです。 ナーンにも知らないと、コレ、ナンの歌?って感じで、ひたすら?????……と、途方に暮れると思いますけど、知っていればもう安心。 ああ、これは『愛を取り戻せ』だな、と静かに頷き、後はじっと聞いていれば良い。 パチスロやってない人は、なかなか聞くチャンスもない曲だと思いますので、しっかり聞いて下さい。 でもパチスロやってても、いつも聞ける訳ではないのは、何度もお話ししましたよね。 このチャンスに耳に刻みつけましょう。
尚、この歌の時、鈴木里沙のダンスも加わります。 完全ソロです。 紀伊国屋の舞台で、たった一人で踊ります。 この踊りが、当然、北斗の拳踊りです。 もちろん、そんなものがこの世にある訳ではないので、今回特別に作ったオリジナルです。 パチスロ北斗の画面上に現れる、様々なシーンや現象を、ダンスに盛り込んで振り付けをして貰いました。 これも知らないと、何か変なダンスだな、とピントはずれの感想を持ってしまうところです。 変な動きに見える部分こそ、今回の鑑賞ポイントです。 特に、北斗を知ってる人なら、より楽しく鑑賞出来るはずなので、気を抜かずにようく見て下さい。
あなたはいくつ、そのモチーフを見つけられるかな? オマケに言うと、私がここで何度も語った、ラオウの恐ろしい秘密兵器『燃えるみかん』もちゃんと出てきます。 この小道具もわざわざ作りました。 すべて、今年のパチスロ損失分を、調査取材費の名目で必要経費として申告するためです。
もし、燃えるみかんのことを知らないお友達とかいて、ダンスの中で、ナンデみかんが出てくるの?てか意味分かんないんだけと゛、とか言っていたら、どうぞ教えてあげて下さい。
尚、このダンスシーンでは、これに加えて、ちょっとしたサプライズも用意しています。 ダンスとともに、背景の暗闇に突如浮き上がる、三つのイメージもどうぞお見逃しなく。 さて、今日はもう一つ、特別にお教えしましょう。 「オレは天才だ、覚悟はいいか!」 と劇中(終わりの方に)にたかシが叫びますが、これも北斗の登場人物のセリフです。 アミバという、必ず負けてくれる弱い敵のセリフです。 パチスロの中では、偽りの天才アミバ!と紹介されます。 ケンシロウと闘っても、絶対に勝てない男です。 でも、パチスロをやる人たちなら、誰もがアミバの登場を待ち望んでいます。 なぜならば、こいつが出てきて、闘ってくれると、絶対に当たりになるのですから。
アミバは、たいてい、ケンシロウの惨悔積歩拳という技を食らって倒れます。 これを食らうと、足が勝手に動き出して、嫌々しつつも後ろに歩き、ビルから落ちて死んでしまうという、もの凄い秘術です。 劇中、たかシが、突然、後ろ向きに歩き出して行くのですが、そういう理由で、ちゃんと意味があるのです。 コレもまた知らないと、何コレ?なんであの人(正確にはロボット)、突然、後ろ向きで歩き出したの? って状態になってしまいます。 そんな風に混乱しているお友達がいたら、そっと教えてあげて下さい。 あれは「惨悔積歩拳」なんだよ、って。 しかし、いきなりそんな単語を言われても、きっと、ますます分かんなくなりますね。 まあ、この際だから、もっと混乱させてあげるのも、小劇場の醍醐味かもしれません。 そして分かる人たちだけで、味わって下さい。 今夜の所は、こんなところで終わりにします。 でも、これだけ抑えておけば、もう大丈夫です。 ところで皆さん、チケットのご予約はお済みですか? 紀伊国屋ホールは、今年から補助席が出せなくなったのだそうです。 百鬼丸の時のように、評判なってから、慌てて駆け付けてきてくれても、もう入れないという事態も予測されます。 どうか、お早めにご予約下さい!
しかし、タイトルはアトムなのに、実際は、えらく北斗であるのだなあ、と今、しみじみと気付いた。 手塚ファンの方々、申し訳ない……
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