2004年06月                             

台風かよ……(2004.06.30)

 朝から、国民文化祭の開会式のための資料作り。
 んで、昼過ぎに錦糸町へ。私の出番はなさそうだったので、石坂が客演している、オカリナビブラートの様子を見に、6スタへ。
 すみだシアターフェスティバルなんだよ、今回の企画は。
 6スタは敷地内で一番綺麗な稽古場。それを劇場チックに改装して、上演される。石坂が、変な人ではなさそうな、まともっぽい人物を演じていた。うちでは、変人専門俳優だもんね。ついでにホームページに近況を書き込めよ、と言っておきました。書き込んだかな?まともな人のフリとかして。
 
 さて、オカリナの様子を見て、我が軍の様子に戻った。こちらは最も雑然とした場所となっている。これでもれっきとした晴れ舞台なんだが、誰が見ても、どう見ても、工事現場にしか見えないだろうな……
 ま、それでいいんだが。

 少しして、メシの時間。少し前に買っておいたモノがいろいろあると言うことで、今日は買い物はナシ。
 さまざま並ぶケッコウ豪華なメシの中に、何とウナギのひつまぶしがある。私は喜んでそれを食った。

 んが、食い終わった頃に、新人の山下が突然「ウナギの方は食べないで下さい!」と叫び出す。
 何だ、何だ……
 すこーし、怪しい気配がします!だと。聞けば、三日前の残りなんだとか。でも冷蔵庫に入れてたら大丈夫だろうと言ったら、そもそも冷蔵庫が危険なんだと。時々、止まってるという噂も……
 
 しかし、もう手遅れだぜ。食う前に言え、食う前に!
 わりかし、皆、マジ激怒したね。当然だよな、この季節、それでなくても、内蔵が弱ってるのに、しかも本番直前だぜ。
 などと混乱しているところで、ケンタと顔が合ったので、お前は大丈夫か?と心配してやったのさ。何しろ、彼はたくさん食うからね。
 そしたら、はあ、ボクは怪しさに気づいてましたから、などと抜かす。
 気づいてたなら、早く言えよ!テメエ、オレが食ってるの、見てたじゃねえかよ!

 と言うような、事件があった。
 しかし、夜からは、青山で、開会式のスタッフ打ち合わせがあったので、私は途中で、稽古場を出た。
 病人が出てないか、とても心配だ。
 けど、かくいう私は今のところ、お腹に異変はナシ。
 怪しいと言うのはガセネタだったのか。

 コレやばいぜ!と言い出したのは、トシノリらしいが、トシ君は、人一倍、デリケートな人だからね。案外、あのウナギは平気だったのかもしれないね。
 
 ともあれ、怒濤の突貫工事は続く。
 何だって?我らの初日の金曜日に、台風八号、関東直撃の可能性アリだって?
 不安になって、稽古で最初に会った横山智佐に言ったら、倉庫公演にふさわしいことになりそうですねえ、と呑気に宣っておられました。
 そうか、こんな時に、台風かよ、とへこみかかっていたんだが、来ていいんだ。ふさわしいんだ、と思い直した。
 スパラシイ、チーさま。
 台風、来てくれ。
 倉庫にて待つ!


 
 
 
 
 
 



福岡より(2004.06.28)

 日曜に福岡へ。
 飛梅組の第1回目の稽古!百五十人に合格通知を出して(オーディション受けた全員が合格ってことじゃん!)、まあ、半分ぐらいが参加してくればいいだろうと踏んでいた。全員合格させても、どうせ減ってくだろうという読みでね。
 しかし、百三十人以上が参加。すごい。
 しかも皆、非常にやる気あり。スバラシイ!
 日曜のメインはテーマソングの『人生号』を歌いましょう、ってことだったのだが、名古屋芸術大学の江端先生の歌唱指導の元、歌われる只今百三十人体制飛梅組の『人生号』を聴いて、少し鳥肌が立つ。飛梅組が、主役と言い続けてきたけど、看板に偽りなく、彼らと一緒に作り続ければ、きっと成功すると思えた。
 第一回と言うことで、麻生県知事も激励に来てくれたのだが、良いものをお見せ出来たと思うたぞよ、諸君。
 どうかこの調子で、成長してくれ、飛梅組!って感じ。
 ただし、参加者に男子が少ないことが、残念、尚かつ、困る。組員たちに、男子を勧誘してくるように指令を出す。
 男子にとっては楽しい環境のはずなんだ。だって、女女女女……だぜ。16歳から??歳まで、いづれ菖蒲かカキツバタって様子でさ。
 志アル、男子求ム!だ。

 稽古後、私と赤星、田中の三人は打ち合わせもあり、博多泊まり。ついでに、中州でイカ食ってメイタイご飯だべて。ささやかな百鬼丸の打ち上げ状態であった。
 んが、その間もずっと錦糸町から、建築ショウ関連の連絡が赤星と田中の携帯を鳴らし続ける。私の携帯は鳴らないけど、つまりは私の仕事なので、落ち着かないこと甚だし。
 しかし、何でこんなに忙しいんじゃ、ワシら……と溜息を付きつつ、刺身の残りを、天ぷらにして貰う。今のイカは、ことさら甘し。でも鳴る、携帯……

 月曜日、飛行機で飛んで帰り、私は錦糸町へ。途中、マルエツで今夜のドカタ三十人分のオカズを購入。旬のカツオを中心にお刺身類など、ご用意してみました。(今や大型冷蔵庫もあるのだ!)例によって、かるーく1万円を越えるお買い物。でもまあ、中州のイカよりは安いからな。せめてもの罪滅ぼしじゃ。

 そんで建築ショウの稽古。ひたすら大変だよ……
 何しろ突貫工事だ。
 でも、ところどころ、自分たちでも、ああ、これはスゴイね、スゴイね、わあああ……ひぇえええ!
 と言うシーンが見えてくる。
 ま、何のことか分かんだろうが。(とにかく見てくれなきゃ、説明不能なんだよ、コレは)
 
 ホントにすべてがキマルとかなり良いと思うよ、今回の建築作業。
 たった三日だけの公演だからね。
 しかし、後にこの公演を振り返り、すべてはあの時から始まったのだと、感慨に耽る時が必ずや、やって来ることであろう。
 錦糸町まではるばる見に来てくれた数百人は、そういう歴史の証人になるのです。

 多少は広げられる客席なので、まだ間に合う!
 早く予約を入れて下さいね!
 
 サクラ大戦の横山チーちゃんも出るんだよ。
 カッコイイぜ。
 
 
 
 
 
 
 
 



土曜日……(2004.06.26)

 昨夜、建築ショウの稽古から帰って十一時。雑文とか書こうと思ったけど、疲れ果てて寝てもうた……んで、珍しく早起きして、朝から仕事!(週間・金曜日でしばらく書評のコーナーやります)
 魂抜けてボーッとしているたかシ(メルマガ報告)とは違い、こちらはもう百鬼丸なんか遠い昔の出来事だったかのように、ひたすらスコップとツルハシの日々です。
 すでに倉庫に入って、茅野イサムも自前のニッカをどろどろにしつつコンクリとの格闘を始めています。横山智佐も立派なドカタ姿になり、今や地下足袋の似合う女です。
 昨日からは、天井から、アクロバットのロープも吊り下げられ、我が国が誇るアートサーカスのお師匠様・若井田先生率いる燃焼系の人々が、人間離れしたことを練習し始めています。
 
 それでも、何だか、分からないだろうね、何なんだ、建築ショウって……
 ま、やってる私らもよく分かってないから、いいんです。
 見れば分かる!

 今日も今から稽古。
 んで、すみだパークの十周年パーティ。実は今夜、かつて制作をやってくれていた(善人会議の創生期あたり)前田美幸クンの結婚式があるのだが、それやこれやで、錦糸町を離れられず。
 せめて、ここから、おめでとう!
 思えば、君と宣伝に駆けづり回っていた頃は、青春であったナ。

 追記。
 昨夜から、稽古場で炊き出しが始まる。何と言っても現場の仕事だからねえ……
 そして約三十人分のメシの支度。行きがけに、多慶屋で、レトルトカレーなど持ちきれぬほど大量に買っていった、つもりが、たちまちなくなる。
 侮れぬぞ、三十人分のメシ。
 
 今日は、すみだのパーティの残飯でも貰いに行こうか……

 ちなみに明日は、飛梅組の稽古で、博多に。
 まずは、氷川きよしが歌うテーマソング『人生号』を皆で覚えるぞ!頼むぞ、飛梅組!
 そーいえば、人生号。これは福岡限定発売ですが、福岡以外にいても買えます。
 私もその完成に尽くした、名曲です。地方から始まって、全国ヒットを狙っています。
 作曲、甲斐よしひろ 作詞、きたやまおさむ なんだよ。
 

 



終わった(2004.06.24)

 昨日、千秋楽。
 千秋楽一日前が、大混乱だったので、楽日にはどんなパニックになるだろうかと、我が軍も急遽応援部隊の派遣などを要請し、防衛力を強化して臨んだ。
 んが、フタを開けてみると、それほどではなく、補助席も半分ほどであった。
 やはり、昨日は、突然変異的な異常事態であった。まあ、友人関係や、ご招待関係が、楽日は回避して、一日前にと考えて駆けつけて来てくれたのが、重なり合って、あんなことになったみたい。
 少し、拍子抜け。でも、問題なく無事に公演が終われたのでホッと致しました。
 終わってみれば、大成功で、ヨカッタ。
 多くの方々から、早く再演せよ、と言われています。その声にお応えすべく、さまざま検討、調整致します。

 平栗さんありがとう。手塚プロの皆さんもありがとう。
 終演後、すぐに博多から、お電話くれた葵太夫もありがとう。是非、見て頂きたかったな。何とか、太夫のご出演まで、こぎつけるつもりですから、今後もどうかよろしく。
 
 何よりも、劇場に来て下さった、お客様方、ありがとうございました。いろいろと行き届かない点もあったと思いますけど、今回の公演で大きな希望を与えて頂き、明日から、また精進して参りまする。これからもどうぞ、変わらぬご声援をお願い致します。
 
 さて、その一方で、建築ショウの開催であります!
 すでに本隊は、すみだ倉庫特設会場に入り、仕込みに入っています。
 そもそも、建築ショウって何?という方も多いと思うけど、これはもう見て貰わないと、分からないことだらけです。
 まだまだ実験段階的な部分はあるんだけどね、すでに昨年の春には関係者限定公開をして、本当の実験は済ませてあり、今回は実践的トライアウトって感じです。しかし、完成型はまだずーっと先で、それも本気で外国とか進出して行くつもりで、数年がかりで完成に向けて練り上げて行く壮大な計画です。
 何しろ、建築なんで、ずーっと建築中なんだね。

 今回はとにかく、倉庫という空間で、誰も見たことのない、美しく、そして元気が出る、ことをやる。
 
 見る側にもやる側にもまったく新しい体験なのであります。
 



かんだ……(2004.06.23)

 楽日前日公演。昨夜の時点までは、まだ百席ぐらい空きのある予定だったんだ。
 それが昨夜から今日にかけて、もの凄い勢いで予約が入って、あれよあれよという間に溢れ出してしまった。せっかくご来場下さったのに、当時券がなくてお帰り頂くお客様も多数出してしまった。
 そして何と、いきなり押し寄せてきたお客の津波に、我が軍の防衛力は木っ端みじんに粉砕され、開演三十分遅れという異常事態に。
 本日のお客様には大変ご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます。
 
 しかし三十分も待たせて、そのまま始める訳にもいかんじゃないか。そんで開演前に私が出てって謝ることにした。
 客席の一番前まで言って、お詫びしました。でも開演前に、くらーい気持ちになるのも寂しいじゃない。だってお客さんがいなくて困ったワケじゃないからね。本音を言えばとても嬉しい事件なんだから。
 んで、カッコ良く決めようと決意したさ。
 劇団二十三年のすべてを注いで、二十三年間で一番良い舞台を今夜お見せします!と大見得ですな。ドカンとかましてやりましたよ。裏で待機してる俳優たちよ、しっかり聞いててくれよ!と思いつつね。
 んでだ。かましてやったぜ、さあ、後はもう一度謝って、開演だと思い、シメの言葉に差し掛かったんだね。
 本当に申し訳ありませんでした。
 だよ。
 ところが、あろうことか、何たることか、ああ、痛恨の一撃……
 最後の、申し訳ありませんでした!
 を噛んじまったのさ。ありましぇんだすら……
 みたいなことだね。
 ああ、見せ場をしくじった、って感じ。
 お詫びに出て、拍手貰って舞い上がってしまったんだね。まだまだ未熟な私でありました。
 にしても、素晴らしいお客様方、こんなことがありつつ、途中で帰られたのは、どうしても電車の時間が……と仰りながら、帰られたお二人連れだけでした。
 おまけに、エキストラ・コールまで拍手して下さって。
 皆さん、本当にありがとう!

 明日も、定席は売り切れです。
 紀伊国屋ホールに登場以来、初めて、楽日前に、ポスターに『売切御礼』の文字が貼られました!
 千秋楽で、貼られたことはあったけど、楽日前は本当に初めてなんです。
 そう言う意味でも、百鬼丸は、記念すべき公演になりました。
 
 ね、紀伊国屋ホールは何かが起きるでしょ。
 今日は確かに、劇場の神様が居たと思うよ。

 いよいよ楽日、とりあえず、補助席分ぐらいの当日券はあるはずです。しかし、出来れば、扉座事務所にご一報下さい。当日券がどれぐらい出るか、御確認を!

 こんななか、昼間には ケンチクショウを粛々と進行させております。
 さて、倉庫の神様は我々に微笑んでくれるかどうか。こちらも乞うご期待であります。


 
 



あと三日……(2004.06.21)

 今日はチケットの取れない超人気劇団だった。午前中に私が小屋入りする時に、すでに行列が……
 この時点で補助席をすべて出しても足りない計算になっていて、泣く泣く、ホントに身を切られる思いで、事情を説明して、数名のお客様にお帰り頂いてしまった……
 それでもキャンセル待ちで残って下さった方々、多数。当日のキャンセルとか、いろいろかき集め、また知り合いの人にはスタッフ席に入って貰ったりして、何とか皆さんにお入り頂いた。
 それで十分押しで、開演。でも、よく十分で済んだね。とにかくもうパンパン状態でした。
 でもその熱気が芝居を一層熱くすんだよな。カーテンコール後、客電点灯後も拍手がやまず、予定外のコールを。
 こんなのが毎日続けばいいのにねえ。
 それにしても、今日だけ見た人は、扉座はとても人気のある劇団だと思っただろうな。当日券を求めて初めて来た方とかね。土曜の夜、朝日新聞に劇評が出たりした(珍しく概ね好意的だった、バックアップありがとう、って感じ)ので、きっとそういう方もいたと思う。
 明日以降なら、まだまだケッコウ良いお席もご用意できる、ってのにさあ……なので、どうか、皆さんお誘い合わせの上、見に来て下さい、もしくは、ご宣伝をお願いしますっ!
 
 まあ、ともかく久しぶりの人気者で、気分快適!

 んで、シアターガイド編集長・今井氏(葵太夫との対談掲載ありがとう!)や日テレの女優アナ・馬場さんや、モボ鈴木クン、迎え撃つ扉座座員という感じで陽の高いうちからのロクデナシ的居酒屋行き。昨夜、イノッチたちと閉店までいた店に、今日開店と同時に入る。
 馬鹿な奴らと思ったろうね、お店の人たちも。

 でも私は、少しで抜けて、以前、深夜劇場にゲストで来てくれた金森穣さんのダンス公演の千秋楽を見に。
 斬新で、繊細で、ドラマチック。
 こちらも素晴らしい公演で、拍手鳴りやまず。
 ずっと立ち見という、風変わりな見せ物なんだけど、単に奇をてらってるんじゃなく、そこにメッセージがこもってる。
 金森クン自身の踊りが見れなかったのは残念だけど、その構成力、演出力に目を見張る。
 逸材だよね。

 会場で、久しぶりに篠山紀信さんと会った。ここ二年、彼を撮り続けてるんだと。
 「早いでしょ、私」とおっしゃってたけど、ホントに早いね。
 才能は才能を呼ぶってことよね。
 こっちにも来て下さいよう、ねえ。
 
 明日から本格的にケンチクも突入!
 金森に負けないようにやろうぜ。

 
 



やってます(2004.06.20)

 今日の土曜と、日曜は大満員!土日劇団と呼んで下さい。今日の混雑ぶりを見た、新感線の小暮修先輩が、この芝居はもっと拾いとこでやれや、青山とかよう……と言ってくれたが、今日だけ見てそんなこと言っちゃイカンね。青山なんかでやったら3ステージしか出来ないし、うちの大道具費じゃ、半分しか空間が埋められないじゃんかあ。
 それにしても、何で土日のみが……
 思うに、私の劇団のお客様は、まっとうな社会人が多いんだよナ、きっと!そんで、土日にしか遊ばない人々なんだよ。あとの日は真面目な勤め人にして家庭人なんだ。素晴らしい人々さ。(土日以外の人々がダメな人たちという意味じゃありません。あしからず)
 
 何はともあれ満員の劇場は気持ちよい。月曜から水曜までもこのままずーっと盛況なら嬉しいナっ。
 
 今回の舞台、思いの外、評判がよろしいです。特に、大人に受けてます。反面、若い諸君には、ちとピンと来てない気配も見受けられるがね。
 なあ、何しろ、浄瑠璃ですものな。しかも大きく言えば、母物ってやつだものね。お懐かしやのおっ母さん!だ。そんな古くさい話に、あんまり若い奴らがはまりきったら、その方が変だもんなあ……
 土日に加えて、大人向け劇団だ。
 
 あと今日のお昼、手塚治虫さんの奥様がご来場。
 終演後、手塚の精神をよくぞここまで描いて下さいました、と言って下さいました。
 大感激。
 ヨカッタ。
 
 
 



二日目っ(2004.06.18)

 たかシが大事な小道具を忘れて舞台に出てくる夢を見てしまった……大事な大事な、空飛ぶやつ。観た人はワカルよね?
 んで、心配になって、何があっても忘れないでよ、と念押ししたら。たかシも不安になったらしい。まあ、マトモにやってたら、忘れるはずのないモノだけど、不測の事態は起こりえるからね。
 でも、不安なりついでに、そのシーンでセリフをトチった……
 観た人の大半は、気づいてないだろうがな。
 俺は、ガキの時分から、究極の竹トンボお見せしますからネ!
 と言ったんだが、これだけ見ても、すでに文法的に珍妙極まりないことが分かりますね。
 本人的にも、ヤバイと思ったらしいが、すでに手遅れで、あたかもそれが正しかのような顔で、やり通してましたがね。
 にしても、演出家が、役者を不安に陥れてどうすんだ、って話しでござりました。

 今夜は今から、建築ショウの歌の歌詞を清書。
 お客様は、とりあえず今は、ヒャッキマルで盛り上がって下さいマシ。
 紀伊国屋が終わる頃、本腰入れて、建築の方へお誘い申し上げます。
 お陰様で、ヒャッキマル、日に日に売り上げも伸びております。今ならまだ良いお席がある日もございますが、いつになく、盛り上がりの気配がありますから、どうぞお早めにご予約をお願い致します!

 明日はお昼に 錦糸町 で、建築ショウの建設作業!
 その後、三日目の舞台へ。



 
 
 



はじまった(2004.06.17)

 昨日より開幕。
 お昼に通しをやって、予定通りに開演。
 結局、本編は2時間8分、てとこでまとまってます。特にカットもしてないのに、劇場に入ると、時間が縮まるこの不思議。しかし、芝居はたいていそうです。『劇場の神様』という原田宗典さんの小説でも、良い時の芝居は、いつもより縮まる、という法則が重要なモチーフになってます。

 さて、初日ですけど、やる側も見る側もまったく初めての作品で、久しぶりに新鮮な空気でありました。ずっと仲間うちの、しかも丸一月、同じ言葉や動きを見詰め続けるスタッフ、キャストだけに見られていたモノが、多くの人たちの視線に晒される瞬間です。
 昔はとても怖かった。前日なんか一睡も出来なかったりしたものです。
 今も、もちろん、ドキドキはするけど、でももう、怖いなんてことはあんまりなくて、それよりもむしろ楽しみになっている。早く人に見せたいとか思うんですね。
 昨夜もそうでした。
 そんで、初日に人が集まってくれて、開演前のガヤガヤしているロビーに立つと、ああ、始まる、と実感し。終わってからの、やっぱりガヤガヤしているロビーに立って、ああ芝居をやってると、実感する。
 評判も気になるよ。
 ケドもう、何十回とやってきて、人の言うことなんかイチイチ気にしてらんなくなってる。誉められれば嬉しいし、ケナされれば、当然哀しい。でも、それで芝居を大きくいじるなんてこともないんだ。それぐらい自分のやってることに自信がある。自分で見て、自分で判断するよ、って。(でも感想はなるべきくたくさん聞きたいです。だからドンドン書き込んで。別にお世辞なんかいらないし、思ったままでいいんだ。ホント、イチイチ傷つきはしないし、それで嫌いになんかもならないからサ。感想読んだり、聞いたりするのは好きなんだよ。)

 ここではもう何度も書いてるけど、仕事としては誰かの個人的な感想よりも、芝居の最中の劇場の空気がいろんなことを教えてくれることが多いんだな、最近の私には。特に初日の、客席に座っていると、劇場からのメッセージが全身に伝わってくる。俳優と観客と、光と音と時間が、渾然となって生み出す、劇場の気配ってやつが教えてくれるんだな。言葉ではなく、空気がね。
 ここは存外上手くいってるよ、とか。ここはイチマチ伝わってないよ、とか……
 昨夜もそう言うことがたくさんあったな。
 でも、昨夜の劇場は、なかなかいいじゃない、と言ってくれた、と思った。

 まあ、日本の歴史に残る大傑作を送り出し続けてきた、名門劇場だからさ、手放しで誉めてはくれないだろうけど、舞台と客席にとても良い風が吹いてた、って気がしたな。
 そんで加えて、自分で、なかなかいいじゃん、と思うところがケッコウあった。改めてそんな風に思える作品は、なかなかないんだ。これは特筆すべきこと。たとえば、浄瑠璃コロスのシーンとか、オオ、これが扉座じゃ!と思ったナ。我ながらスゲエじゃん、て。

 始まると、アッという間の短い公演だからね。
 あと一週間、この空気をしっかり吸って、芝居を熟成させて行きます。
 
 そして私としては、生・葵太夫で見たい!って声が盛大に上がってくれると良いな、って思ってます。
 現在の歌舞伎界になくてはならぬエースなので、なかなかスケジュールは取れないんだけど、多くの人がコレを見てくれて、是非にと願えば、決して実現は不可能ではない。そのためにも、これはとても良い作品なので、って言われなくちゃいけない。歌舞伎休ませても、百鬼丸に送り出そうと、歌舞伎界も納得してくれるようなね。
 高いハードルだけど、やり甲斐がある。
 
 そのためにも皆さんに、早く見て貰いたい。
  

 
 
 



ゲネっ(2004.06.16)

 ゲネしてきました。
 ここの読者の皆さんは、何のことか分かってますね。
 本当は間に合ってなかったんだ。明かり作りが終わってなかった。でも、今日と明日のお昼の二回の通しは、何としてもやろう、ってことで、無理からやった。今回は厚木公演がないからね。こんとこはたいてい、厚木でゆっくり仕上げてから新宿に持ってきてたからな。
 んで、まあ、まだまだ未完ながら、とりあえず、全貌は見えてきたよ。明日のお昼、今一度直しと、通しをやるので、確実に仕上がってくる予定だ。
 
 書き込みにも登場して下さった、浄瑠璃マスター、葵太夫から、メールが来てた。先日、稽古場の通し稽古風景を送ったのさ。その感想と、アドバイスが書かれた貴重なメール。
 さっそく、明日、劇場に持って行って、皆に見せなくては。
 ちなみに、こんとこ話題のモッコでありますが、ただ今、たかシが、そのモッコを劇中で最もステキに見せる方法を模索中であります。すこーしばかり不安なものがあるが、今回の芝居は即興性を大事にしているので、たかシ選手のインスピレーションに賭けてみるかと、何にも言わずにたかシのやるるまま放置しています。どうなってるか、どうぞお楽しみに。

 あと今日は、竹の葉がたくさん落ちました。稽古場では使ってなかった厚木の竹を一斉に舞台に乗せたのだよ。そんで、ワサワサと揺らした。
 そしたら、置いてる間に枯れた葉が大挙して落下、落下……
 舞い散る竹の葉の下で、語られる浄瑠璃と、芝居。何とも言えぬ良い風情が漂っておりましたが、その後の舞台上の大変なこと。積もってンだもん、葉っぱがさ。
 とりあえず、落ちる分は今のうちに落としてしまえと言うことで、かなりの葉を今日のうちに落としました。
 なので、明日以降は、たぶんこんなには降らない。とってもキレイだったのだけどね……ま、多少は舞うだろうから、想像しつつ見て下さいナ。
 あとあと、今日、立ち回りで、イロハオンバ、の新人・奧が舞台から落ちた。竹の葉だけじゃなかったね。人も落ちたのさ。これもまあ、明日以降は落ちない予定。
 
 いろいろハプニングはありつつ、初日に向けて爆走中です。
 今日、気づいたんだが、私、ほぼ三年ぶりに紀伊国屋ホールで新作発表すんだね。ハムレットは別にして、たぶん『いとしの儚』以来だよ。こんとこココは茅野がやって私はサザンてパターンが続いてたし。
 しかしね、これはもう信仰に誓い感覚なんだが、私がここで新作やると、必ず劇場の神様がやって来る。
 はや十数年前、「夜曲」でここに初登場した時以来、ずっとそうなんだ。たぶん今回も神様がやってくるはず。
 そして、この舞台は、必ず評判になる。そんで私たちの新しい財産になる。
 ここで新しいモノを作るたびに、必ず何かの可能性が生まれて、私の新しい道が開かれて行く。
 
 何でか分からないケドな。下北沢のスズナリと、新宿の紀伊国屋ホールは、私にとってそう言う場所なんだ。
 だから、誰よりも私自身が楽しみで仕方ないんだ。


 
 
 
 

 

 

 



お昼から(2004.06.15)

 トップスでいろいろ打ち合わせ。
 昨夜台本を書いた、建築ショウ・リニューアル版などについて。
 その後、劇場へ。
 すでに大道具は立っていた。
 しばし、小屋でブラブラするけど、忙しそうなスタッフの中で、一人待つしかない私。そんな私がウロウロしてると、各スタッフ何となくうっとうしそうで、申し訳なく、明日また来るねと言って、頃合いを見計らって、ひとり退出。
 演出家はこうして、徐々に居場所をなくしてゆき、本番が始まると、ついに用無しになってしまうのです。
 んで、ついについに、ちょこっとお買い物をした。
 久しぶりに、団員にメシ奢り以外の、自分のための消費活動をしたぜ。
 たいしたもんじゃねえけどな。
 普段着のパンツだ。
 んで、夏場限定で、世界①上手い、清流メンを食って帰った。
 
 今は建築ショウの歌詞書き。
 替え歌作るんだ……
 これが笑っちゃうぐらい、ベタな替え歌なんだな。
 だが、やっててとても楽しい!

 そう言えば、朝日新聞がとても大きく紹介してくれました。珍しい!
 葵さんのお陰だね。

 あとたかシのメルマガ出たね。
 なかなか面白い。
 確かに、あつみさんは、かなり変わってる。と私も思います。
 前ノメリの姿勢もカッコいい。
 あとね、ハスに構えて、やぶ睨みを利かすのサ。
 今回の芝居では、あんまりやってないけど、てか、私が止めてしまったんだがね。だって、百鬼丸の母親はやらないもん、あんなカッコ……それでも初めの頃は、してたよな。
 
 
 



新宿へ(2004.06.13)

 稽古は今日で終わり。明日から新宿公演です。
 個人的には、say you kids をやりつつ百鬼丸も同時にとりかかり、ギリギリの闘いで眠りを削って、何とか書き上げ、青息吐息の感じでありました。
 これで無事に公演が出来たら、奇跡かも、と言うぐらい追いつめられた感じもあった。五月の初めの頃なんかね。不眠に悩まされて。

 でも、いつものことながら気が付けば、当然のように書き上げてて、ほぼいつものペースで稽古に突入し、今日の日まで、長いような短いような。
 まあ、たいていそうなんだ。無理無理とか思っても、何とかなってる。それで年々、もう少し大丈夫だろうなんて、周りも自分も思ってしまって、いろんな予定が詰め込まれ、その無理無理がますます厳しくなってる。(しかし、たぶん、本当にここらが限界だと思うぜ。これは心に刻んでおこう。今年の前半みたいな無理はもうしない、っと……)

 稽古の初期の頃は、何と言っても、葵太夫との共同作業と義太夫レッスンに明け暮れた日々でしたね。これが刺激的であり、楽しかった。
 そんで、今回の作品に取りかかる意義とやり甲斐を自分でもふかーく感じて、俄然、元気になってきた。
 そして芝居の全貌が整理出来はじめた頃に、義太夫に加えて生パーカッション演奏の響きが心地よくなってきた。新スタッフ佐藤さんのお陰で演奏もぐーんと豊かになった。そんでそんで周辺の環境が整ったところで、今回特別参加して貰った、平栗あつみさんとの稽古が白熱してきた。
 
 基本はシンプルな舞台なんだ。特に、言葉と肉体という、単純明解な二つのモノにこだわろうと言う、ね。そして俳優の演技をとくかく第一の見せ物にしようとしてる。
 でも、何もない空間を、豊かにしようと思って、今回取り組んだ義太夫と、パーカッション。これが日々、稽古場に新しい発見と希望を作り出してくれたな。
 飽きる暇がなかったよ。
 
 あとは劇場に入って、仕上げをして、皆さんに見て頂くだけです。
 たぶんこれは私にしか作れない芝居だと思う。
 自分ではかなり満足してる。
 ま、まだ二日、仕上げが残ってるケドさ。

 
 
 
 
 



すみだ便り(2004.06.12)

 通し稽古。
 あと日舞の林千枝さんに来て貰って、義太夫に合わせる所作の指導を受ける。着物を着ているわけではないけど、義太夫の息に合わせるためには、やはり日本的な間が必要だからね。
 
 その後、すみだパーク倉庫でやってる桟敷童子の公演を見に、7時半の開演間際に駆け込む。
 面白い!
 私にとっては、懐かしめのアングラ劇。でも、今、改めてこれだけキッチリやられると、懐かしさを越えて、とても新鮮。倉庫ならではの味わいも良く出てた。特に美術に拍手。ワイルドにして、ナイーブ。天晴れな劇団だな。
 昨夜一足先に見てきた茅野が面白いと言ってたので、無理して駆け込んだけど、見といてヨカッタ。

 百鬼丸と少し似た世界なので、負けないぞ!と思いつつ、我らの稽古場に戻ると、いろはオンバたち(公演を見ればワカル!)が、居残りで立ち回りの自主稽古をしていた。
 いろいろやらねばならぬこともあるのだが、夜遅くまで励んでる姿に感心して、メシを食わせてやる、と言って、若者7人を連れて行きつけの台湾料理屋へ。
 すると、しばしして、どこから湧いて来たのか、もっと若い研究生たち八人も遅れて到着。俺が呼んだのだろうか?と一瞬思ったが、彼らも遅くまで衣裳や小道具の作業をしていたらしい。なのでいつもの大物ぶりを示し、全員にメシと酒を振る舞う。
 久しぶりに若者たちとメシ。ずっとベテランチームとばかりだったからね。

 それにしても、諸君、稽古帰りにちょいとメシを食いに行って、若者の胃袋15人分のお世話ですぜ。
 安い店だけど、それぞれに飲み放題状態で、お代わりとかしてるしね。牛丼屋で一杯ずつ奢ってるワケじゃないからね……
 劇団を持つと言うことは、こういうことなのだよ。
 最近、私、ケッコウいろんな仕事して、高いギャラも取ってるけど、こうして全部、右から左に消えてく訳よ。
 そんで若者に教育もしなきゃならん。ちゃんと、ごちそうさま!と言うのだよ、なんて。ほっとくと、何も言わないヤツとかいんだ。今時の子はね。信じられないけど、そういうことさえ知らないヤツもいる。
 情けないんだけどね、奢りつつ、自分でお礼言いなさい、なんて言うの。けど、うちの人たちが、余所さんでご馳走になることもあるワケで、そういう時に礼儀知らずで、恥ずかしい思いをするのは、他ならぬ私だからね。イチイチそんなことまで言うんです。

 しかし、うちはまだ、恵まれてる方なんだ。お陰様で、いろんな仕事もさせて貰ってるし。劇団も私もね。決して裕福とは言えないけど、まあ、この程度のことは出来るんだ。
 きっと桟敷童子なんかはもっと大変だろう。それでも、あれだけのパワーで公演をやってるんだからね。近くで観察してたけど、仕込みに一週間ぐらい、劇団員全員で大工さんみたくなって、取りかかってたからね。
 
 劇団という不合理。矛盾、不条理……
 でも、桟敷童子を見て、血が沸き立つ。
 わしも負けんぞ。
 そんな日だった。
 
 
  
 

 



なんか(2004.06.10)

 すみだパークスタジオが凄いことになっている。
 今度、我々も建築ショウをやる倉庫では、すでにすみだパークフェスティパルの第1弾として、桟敷童子の公演が始まっている。かなり気合いの入った倉庫公演だ。
 負けられないね。
 わしらも久しぶりの倉庫公演で、張り切っています。今回も倉庫でしか出来ないことをご覧に入れるので、こちらも楽しみに。
 今日は、夜にそのショウの歌稽古があって、桟敷に負けないぜ、と檄を飛ばした。
 
 お昼にはパークカフェで、取材を受けていたら、ウエストサイド・ストーリーの人々がどっと繰り出してきた。あんなに混んでるパークカフェを見たのは初めてだぜ。
 にぎやかで、取材の会話も聞こえないぐらい。

 でも我々の本拠地が賑わってくるのは良いことだね。
 我々の稽古も、いよいよあと五日。
 で、一旦隅田川を越えて、新宿へ参るぞよ。
 芝居創りは、もう最終調整に入ってます。
 今日は衣裳合わせもやったしね。
 
 平栗あつみさんが、じわじわと本領発揮して参りました。
 「女殺桜地獄」以来、十二年ぶりだって。
 そんなに経った気もしないんだけどね、今回は母親役です。百鬼丸の母、タライの舟で我が子を流す哀しい母親。
 伴美奈子がいれば、普通に伴にやってもらう予定だったけど、ドラマの撮影で名古屋に取られてしまったので、どうしようかと思った時に、すぐに思い浮かんだのが、あつみさんでした。
 私の中では、今回の母親役は、ギリシヤ悲劇テイストなんだが、直感で、あつみテイストだなと思ったんだナ。我が子との壮絶な確執みたいのを、きっとカッコ良く表現してくれるんじゃないかしらと。
 まあ、あとは皆さんに仕上がりを見て、判断して頂きますが、良い直感だったと自賛したいね。
 
 稽古場でも、若い女優たちに、良い手本を見せてくれてるなあと思います。しっかり見とけよ、オメーら、って感じ。

 あとね、マンガの「どろろ」だけど、事前に読もうかどうか迷ってる人は、まあ、どっちでもいいよ。読んでもそれで面白さが半減するなんてことはない。また原作を知らなくても何の問題もない。
 一言で言えば、ちゃんと「どろろ」だけど、そのまま「どろろ」じゃない作品です。
 そういうと、読みたくなるか……
 ま、ロビーでもマンガ販売するみたいだから、そこで買って。
でもその前に、田中クンの大労作であるパンフレットもよろしくね!
 田中ももっと宣伝すればいいのに……
 
 



火曜日(2004.06.09)

 午前中から、ラジオCMの録音やって、その後、稽古場で建築ショウの打ち合わせやって、んじゃこの線でがんばって、アッと驚くショウにしようね!と茅野イサム、振り付けの田井中クンとボイストレーナーの杉江先生と誓い、その勢いで稽古場近くのバーでご飯食べつつ、なぜかまたダーツやることになって、でも、生本の原稿書きがあるので、アセアセと帰宅して、んで書き出したけど、何を書くべきかまだよくわかってなくて、ウンウン困って、何とか糸口を見つけて書き出したものの、思えば今日は録音のために、少し早起きしてて、もはや眠くて仕方なく、頭がクラクラしてきたので、半分までのところで挫けてもう寝ようかな、ってとこ……
 
 明日は衣裳合わせ、と取材と、通し稽古。
 読売、朝日、東京、公明、あと地方紙とかにも記事が出る予定だよ。連日、取材予定が入ってる。「どろろ」ってよりも、葵太夫とやってることが面白がられてるみたい。
 実際、わしらも面白がってるわけで、そういう意味でも、今回はかなりうまくいってるね。
 
 衣裳も、かなりの冒険なんだ。
 こんなのアリ?って感じよ。

 そうだ、俺のエッセイもケッコウ評判なんだぜ。今年の北海道大学の国語の入試にまで使われたんだぜ。来年からは赤本にも載るんだぜえ。
 でも俺、解けるのかな……
 
 今年中に、春秋に書いた真面目路線のモノと、生本の軽めのやつ、2冊が本になって出る予定さ。



稽古場日誌(2004.06.07)

 の方が盛り上がってるので、何となくこっちがお留守になってしまいました……

 一昨日、2度目の通しをやって、前回とは格段の進歩を見せました。時間も2時間と7分ほどになっています。十数分ぶった切った計算さ!とりあえず目標は達成だな。あと2、3分切りたいけどな……
 上演時間は2時間と少しと覚えておいて。

 しかし、この芝居が2時間ちょっとというのは、驚異的な仕上がりじゃないだろうか。
 義太夫に取りかかった時には、三時間オーバーじゃねえの、って噂も出たぐらいだかんね……

 今日は、その通し稽古の結果見えてきた、不具合の調整の日。業界では、小返しとか、直しとか、言います。
 んで稽古場に山田まりやが遊びに来た。美味しい差し入れをありがとう。あと、私の高校の後輩の小池クンも差し入れをしてくれた。ありがとう。
 たくさんのピザとサンドイッチが大勢の腹ぺこの若者たちの胃袋に、たちまち消えていきました。

 稽古の後、山田クンらとすこし遊びに。
 んで何か、今、鼻風邪の予感。鼻水が出てきた……
 ヤバイので今日は早く休もうと思いまする。

 あと、本日で則岡助手が勤務終了、明日からは、パルコの仕事で、山田和也クンの助手をしに行くそうです。百鬼丸を途中で見捨てて行くのかよォ!って感じだけど、まあ、最初からそのスケジュールが分かってて、それでも無理に頼んだ今回の仕事なので、仕方ないか。でもまあ、いつもながら、よくやってくれた。特に生演奏のやりくりは、彼に助けて貰ったな……
 もうほとんど頂上は見えてるからね。あとは我々で仕上げましょう。

 と言うわけで、皆さんも観劇に向けて、そろそろ本腰で盛り上がって下さいませな!


 



本日は……(2004.06.04)

 パーカッションの猛稽古の日。
 トニセン演劇で知り合った、パーカッション師の佐藤さんの指導の元、鳴り物舞台の血反吐を吐く稽古が繰り返された。
 佐藤さんは、SAY YOU KIDS で、一世風靡場面の太鼓や、井ノ原クンの京劇シーンのパーカッションを作ってくれた人です。あの時の稽古で感動して、扉座のスタッフにしてしまおうと勝手に決めたのでした。んで、今回、さっそくお願いして加わって貰っている。
 何しろうちには、幻のビートルズドラマー・ピートベスト・トシノリもいるしね。(いちご畑よ永遠に を思いだせ。観てない者は、調べ給え!)しかし、このピート・トシが、ドラマーのクセに太鼓を前にすると緊張してアガってしまい、パニクるクセが抜けておらず、おろおろたあふた……ますます脱毛の進む予感だ。扉座バンマスの、チョー短気者兄さん、ポール・マッカ自由に叱られ続けな上に、今日は佐藤師にプレッシャーをかけられて、臨界点寸前の表情であった。あと少しで、放射能洩れかもしれぬ気配……

 完成すれば、なかなかのものになる予定なんだ。今回の鳴り物隊。
 そのキーパーソンがピートだ。
 みんなで、ピート・トシに応援のメッセージを送ろう。
 



さんだる!(2004.06.03)

 みんなあ、カヤノのページに、ついに、例のサンダルがアップされたぜえ!
 写真を見た人は、感想をどしどし載っけてこうぜえ。

 と言うか、これは日記に書くほどのことじゃなかったね……
 
 本日は稽古後に、建築ショーの打ち合わせをした。
 こっちもついに、公開だからね。昨年春、ここで噂だけ流したボクらの新境地でえす。
 「そらにさからうもの」に出てくれた、サクラ大戦・横山智佐様も出演してくれて、唄とダンスと芝居の実力を発揮してくれる予定じゃ。
 んで、「夢の海賊」以来、久方ぶりのスミダ倉庫での公演なんじゃ。特設会場だよ。まずは百鬼丸を見て、続けて建築ショーを見ると、我々の現在がよく分かる!かな……

 でもサンダルについての感想は是非頼むよ。
 皆がこのサンダルに賛成なら、私ももうナニも言わない。でも皆の意見が、どうよ?で固まるようだったら、私は気持ちを入れ直して、カヤノに、これはダメだよって、教えてアゲルんだ。



通し稽古をしたぞ(2004.06.02)

 まだあと2週間以上あるのに、とりあえず通し稽古をした。
 何より心配だったのは、上演時間、おそろしく長くなりそうな予感がしたのだ。が、ここに至る途中で、後半部分をかなりカットしたので、それほどではなく一安心。本日のタイム、2時間22分……
 まあ、あと十五分ほど縮めたいね。

 それより心配なのは、各人のセリフ覚え。ほぼ全員うろ覚えじゃんかよう!
 メンバーもどんどん高齢化していて、なかなかセリフが入らなくなっているのも大きな原因である。
 一部には、セリフが少なかったり、減ったりすると、喜んでいる者もいるという噂も。以前は、人のセリフも奪い合って言っていたものなのに、情けない……
 
 あと、今回は、かなりたくさん生演奏があるのだが、その演奏のキッカケとか、方法とか(たくさんの楽器を使うんだ……)が大混乱であった。
 その整理整頓にはまた時間がかかりそうだな。
 そんなこんなで、私はこんとこ毎日、十時の消灯時間まで稽古場にいるぞよ。
 稽古嫌いで、すぐ帰る横内と言われていたのが、すっかりの変貌です。まあ、稽古が好きになった訳でもないんだけどね。気が付くと、そんな時間になってるってだけ。やることがたくさんあんだよ、今回の芝居は……
 あとは、何しろ、今年はこれだけだから……
 それにしても、遊びたいよう。

 さっきお師匠様からメールが来てて、お師匠様のホームページに扉座おける浄瑠璃作曲の日記を掲載したとの知らせ。さっそく覗いて来た。
 すっごーく細かい日記で、びっくり仰天。
 皆さんも是非、見てきておくれ。
 素晴らしい記録であります。加えて、葵太夫という人が何者なのかが、ようく分かると思いまする。

 http://www6.ocn.ne.jp/~aoidayu/tsunehigoro02.htm
 
 これがアドレスだけど……
 押せば飛ぶようにするには、どうすればいいか分かんないよう。まあ、葵太夫で検索すれば、簡単にみつかると思う!

 あと、葵さんのサイトから飛んで来て下さった来た皆さん、いらっしゃいませ!
 百鬼丸、期待して下さい。
 何としても、傑作に仕上げて、葵さんの生出演で再演出来るようにしたいと思っています。松竹が買いに来るとかね。
 
 博多座ご出演中のお師匠様、皆元気に、浄瑠璃を語っておりまする。たかシのモッコもぴったりです。(メルマガ参照のこと!)
 と西の空に向かって伝言!



また稽古へ!(2004.06.01)

 六角の芝居を見た。
 ケラリーノ氏の演出。もとの脚本とはかなり違うモノに作り替えられているけれど、ケラさんらしく、今風の笑い満載のモノに仕上げている。知らなきゃ、これがふるーい商業演劇の台本だなんて、誰も気づかないんじゃないかな。
 芸達者が揃って、ノリながらやってる。手放しでオモロイ芝居。
 それにしても、六角は良い役を頂いておりまする。扉座公演を蹴った甲斐もあるというものね。
 この作品の初演の時に、六角のやった又市という役を、やられたという緒形拳さんが見えていて、六角の演技にとても感心し、「俺にも出来なかったことを上手にやりおって!」と嫉妬さえされていたと、トムプロの某社長は仰っていた。まあ、まあ、プロデューサー発言なので、真偽のほどは不明ですがね。
 ともあれ、広く活躍してくれるのは良いことだね。

 劇場で、久しぶりに三木さつきに会う。
 終演後、飲み屋で、近況報告。
 さつきの話題は、美容室でしか聞かなかったからな。(ここに頻繁に出てくる表参道のお店ね)
 元気に活躍の様子、何より。

 さて、明日から稽古再開。
 何としても六角を羨ましがらせなくては!

 追伸。
 そうなんだよ!扉座本公演は、今年はこれで最後だよ!秋からは、我らは福岡に行って、十一月まで行ったきりじゃけんね。
 だから、春先と今と、立て続けにやってるのさ。
 どうか諸君、盛り上げておくれよぅ!
 
 
 
 





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