2003年07月                             

 進化するきらら(2003.07.31)

 今もって手を入れ続けています。厚木の初日と比べたら、かなり違うモノになってると思うね。
 見てない人は、何のことか、わけ分かんないだろうけどね。まあ、この日記読む人は、すでに見た、もしくは間もなく見る人だと思って書きます。多少ネタバレってやつだろうけど、これは私の日記なので、我慢してちょうだい。わけ分かりたければ、何よりも早く見に来ることだ。
 日記になって、自分勝手になってる私。でもこれでいいよね?
 
 あの、女形シーンで、蔦屋の大見得に拍手が来なかったのが、ずっと残念だったんだ。厚木では少し手が来たけど、新宿はずっとなくてね。と言うか、拍手していいよ、とこちらは思ってるのに、お客さんがどう受けていいのか困ってる様子だったのね。商業演劇では、盛り上げる拍手、ってかなり常識的にあるものだけど、小劇場ノリではね、終わった時しか拍手しちゃいけない、なんて思ってる人も多いからね。もちろん、息を詰めて見て欲しい場面もたくさんあるけど、女形シーンなんかは舞台と一緒に楽しんで貰いたいシーンなんだよね。何しろ大衆演劇の演出を使ってやってるんだから。手が来なきゃむしろ寂しい。ちなみにその筋では、拍手が起きることを、手が来る と言うのです。覚えておいてくれ給え。
 であんまり寂しいから、昨夜から、そうなるように少し姑息な手だてを使い始めました。出来れば自然に起きて欲しかったけど、いけないと思ってる人が多そうなので、楽しんでいいんですよ、とメッセージする必要はあるという判断です。で、今夜はかなり理想に近づいた。あそこで手がくれば、その後の市松のウケがもっと面白く膨らむんだよ。実際、市松、いつも以上にエキセントリックに盛り上がってましたもんね?観客が参加してこそ、芝居は良くなるという好例でありますな。
 出来れば、南畝先生とともに、「蔦屋!」のかけ声も客席から欲しいとこだけど、まあ、無理は言いますまい。ただ、これから見る人は、覚えて置いて。二幕の後半、女形が出てきた辺りは、私はそういうことを期待しているのだ、ということを。
 もしこれが新橋演舞場でやられていたら、こんなこと説明しなくても、客席は勝手にそんな気配になったろうけどね。歌舞伎とか、商業演劇とかを知らないお客さんにとっては、どうすりゃいいか分かんないよね。でも、騙されたと思って、一度盛り上がってみて下さいな。芝居のもう一つの楽しみ方がみつかるから。手が来れば、自然に役者もノルからね。芝居もはずんで、結局、お客さんの得になるんですよ。

 以前もこの掲示板でやりましたよね。芝居中に拍手が起きるのはいかがなモノか、って論争。小劇場に限らずいろんな舞台の仕事やってる私の見解としては、やはり芝居はなるべく盛り上がって頂きたいと思っているのです。場面事に手が来ても構わないと思っています。むしろ、そうなったらいいだろうな…… と。
 いっとくけど、別に皆さんに強制しようって訳じゃないよ。それぞれに楽しんで下さればいい。それに無理やり盛り上がってるなんてつまんないからね。無理しなくていいんだ。無理にかけ声なんかかけると、声が裏返ったりして、おかしな事になっちゃったりするからね。
 たださ、芝居中に手なんか叩いてはいけないと思ってるとしたら、うちの場合は、そうじゃないよ、と言っておきたかっただけです。
 どうぞ、舞台を盛り上げてオクレ!

 
 
 

 
 

 



本日というか昨日(2003.07.30)

 こんばんワ。鳩胸の私です。(意味不明の人はメルマガ登録のこと!)機会があれば胸に触れてみて欲しい。クルックゥ……と啼くのだよ。
 火曜の舞台は、良かったね。テンポが良くてね。気合いは今までもずっと入ってたけど、日曜までは少し重すぎた。でも今日は舞台全部が疾走した!って気がするな。私なりに初日が出た、って感じだね。何と上演時間も、休憩含んで2時間27分になった!恐怖の延長料金脱出であります。ね、やれば出来る。ただし、今の状態では、定刻に開幕しなきゃマズイんだ。なので、皆さん、お忙しいとは思うけど、どうか定刻までに小屋入りして下さいな。

 終演後、新宿の居酒屋におりました。いつも行くとこなんだけどね。演劇人の溜まり場で、なんとMOPの人々と一緒になった。向こうはノーザン紀伊国屋でやってるからね。マキノノゾミとか、緑子さんとか。西山水木さんとか、ジテキンの歌川椎子とかまでいてね。何か、演劇人会議みたくなってたよ。そうそう岡森とも久しぶりに会った。ヤツは今、MOPに出演中なんだ。にしても、因縁を感じましたね。
 と言うのも、マキノさんは12年前に京都で、きらら を演出してくれてるんです。チラシにも書いてるけどね。杉山の蔦屋でね。
 向こうは明日で終わりで、その後、旅に出るらしいけど、明後日辺りに、時間作って見に来てくれるって。嬉しいじゃないの。
 ただ残念ながら、私はあちらを見に行けないのね。
 あまりに奇遇で、何か運命みたいのを感じたので、明日、小道具のお寿司(ホンモノ)を差し入れすることに決めました。芝居の中で、本当に食べてしまう消えモノの寿司が58個必要なんだって。この半端な数字がステキでしょ。それが予算に入らないと、劇団員たちが嘆いていたので、つい豪傑ぶりたくなって、千秋楽の小道具は俺が面倒みようじゃないの、と宣言しちまったんだね。今や『まんてん』マキノの方がずっと金持ちだろうにさ。見栄っ張りなんです、私。父方の故郷である、津軽弁では えーふりこき と申します。良いふりをこいちまうのよね。
 速攻で、小道具係に連絡とって、明日は寿司、買わなくていいから、と林英世が叫んでた。
 もう逃げられません。迷わず豪傑道を進むのみです。もし、その舞台を見る人がいたら、ああ、あれが豪傑横内の寿司かと、感動して下さい。
 しかし、もし忘れたら、洒落にならんね。明らかな上演妨害になりますな……
 裏番組には違いないから、叩いとくのも一興ではあるのだがね。

 
 
 
  
  



きららについて(2003.07.28)

 今日はお休みでした。今回はところどころにお休みがあって、反省というか、冷却時間みたいのが挟まるのね。いつもは始まったら、もう後先考えずに走るしかないからね。
 んで反省したり、不安になったりの、狭間の休日。
 
 実を申して、目下の悩みは、公演後半にまだたくさん空席があること!何しろ、劇団史上もっともながーい、公演なのでね。宣伝とかも必死でやって、史上最高の観客数になることはたぶん確実なのだが、それでもまだまだ売るべきチケットがあるんじゃ。
 今のとこ私は、後半は芝居の実力で呼ぶのじゃ、と豪語してるんですがな。いつもは評判が立つ頃に終わりだからね。最後の何回かにバタバタとお客さんが増えて、席がなくて困って、だったらもっと早く来てくれよう!みたいな……
 それが今回はまだやってますから、来てオクレ、って言えるのさ。厚木のカーテンコールでは六角が毎回挨拶してた。どうか、町に噂を立てて下さい、と。そのお願いをここでさせて頂きます。どうか皆さん、噂を立てて下さい。
 劇団存続の為に、お力添えをよろしくお願いします!
 厚木でやってた六角の挨拶を、新宿でもやればいいのにという意見もあるけど、今回は洒落抜きで私、真剣勝負やってるんでね。舞台上では甘えたくないのだな。なので珍しく、無言のままで終わらせてます。
 基本的に応援者の多いホーム的な厚木ではともかく、新宿ではやせ我慢して、舞台の力だけで、その成果を問おう、って、そういう気合いなのであります。第一、本当のところは、お願いなんかで動きゃしないものね、観客という生き物は。お願いなんかされたら、ますます行く気を失うもんじゃない?アンタは来ないでいいよ!なんて言われたら、なんか気になっちゃったりしてさ。
 とてもそんなガッツはないけどね、来なくていいよ!なんて。迷ったら来てね、と申し上げときます。
 
 今回はマジに劇団存続問題にも発展しかねない大テーマなんだ。それほど劇団史上最大の勝負なんです。じゃあ、いつもはどうなの?って質問が生じるんだが、正直言っていつもはも少し余裕を持ってる。お祭り的な感覚があるんだな。今回、そういう気分はまったくないの。誉められても浮かれない。けなされても動じない。今までやってきたことを信じて自分が良いと思うようにやるだけ、って感じ。まあ、それも人の好きずきで、真剣なら良いってもんでもないでしょうけどね。
 人間、時々、そういう勝負をしなきゃいけない時が来るんです。んで、そういう時をどう乗り越えたかで、その後の展開が決まる。少なくとも私のこれまではそうだった。まあ、何とか乗り越えてきたから現在がある訳なのですが。
 千秋楽の舞台で、皆さんにお礼をしている自分の姿をイメージして、何としても成功させる覚悟であります。
 
 さていくつか掲示板にあった皆さんの疑問や質問などにお答えを。ピントはずれな答えかもだけど。

 今回のきららと 初演の きらら の違いについて。
 実はストーリー自体をかなり変えています。以前、原宿でやったリーディングの台本をお持ちの方もいると思いますけど、比べるとよくわかると思います。後半からラストにかけての展開が大きく違ってる。
 そのままでは問題多しと思って直しました。
 15年前の私には、それで良しと思えた、というか、実はもうそれ以上にどうしようもない、感じだったのだと思うけど、現在の私から見たら、プロとして恥ずかしいのね。描いている時代に対する、知識と認識の不足とか、人間存在に対する洞察の浅さ、などが露呈してる。
 第一に、これでは筋が通ってないんだ。劇構造が破綻してる。明らかにストーリーが混乱してるのね。その上に、いびつなスートリーによって、人物造形が、矮小化されてしまってる。特に ヒロインがね。何よりもここが大問題だった。このままじゃダメじゃ!と思いましたね。
 この辺りのこと、戯曲塾の講義でやりたいぐらいですね。初演台本の問題点とその描き直し案。みたいにして。
 
 全部、やってると大論文になるから、やめますけど、一例だけあげとくね。ご観劇の参考にでもして頂戴。あと文芸学科の学生諸君などは参考しにし給え。

 お篠は身請けされて、とりあえずの自由を得るんだけど、もちろん、心の底から幸せって訳じゃない。だって好きでもない旦那様に仕える身になったんだからね。
 ただ、それを一度は断ってるのね。その自由は彼女にはあった。ところがもう一度、気持ちを変えて、身請けの道を自分で選んだんだな。
 そこには大きな覚悟があったはずなんだよね。たとえば、もう重三とも会わない、というさ。吉原を出て、会いやすくはなるんだけどね。意志の強い女性ですからね、半端な覚悟でそんなこと決めてないんだ。

 お篠は、重三たちの自由が羨ましくて、重三たちのように思いのままに生きてみたくて、それで吉原を出る決意をした。しかし、その自由と引き替えに、大好きな重三への思いは断ち切ることになったんだね。重三の自由な精神を彼女なりに受け継いで生きる覚悟と引き替えに、もう重三には会えなくなる、って言うのがお篠って女のドラマなのね。なかなか上等な二律背反のドラマが描かれているんですね、そこには。26歳の横内がすでにそう書いてた。これは手放しに凄いね。41歳の私も感心する。君は天才だよ。

 ただそんな風に、しっかりとドラマを書いたのに、二幕になると、そのお篠の姿勢に揺らぎが出てくる。というか、ラストシーンでその姿勢が決定的に破綻してる。初演台本ではね、なぜか『私はやっぱり、お篠です』なんて気弱な発言をし始めて、重三と一緒にいたいとか言い出し、挙げ句の果てに、最後は重三に付いてってどこかに消えちゃう。その辺り、26歳の横内クン、この頃から得意だった綺麗なセリフを並べ立てて、巧妙に書いてますから、うまく破綻をごまかしてるけど、41歳の手だれた中年作家である私の目はごまかせません。たぶん素人の方でも、冷静に読めば『アレ?』と思うはず。芝居ってヤツはたぶんに情緒に流されて進むから、騙されやすいんですけどね。興味のある人はそう思って初演台本を読んで見て下さい。変だよ!と突っ込みたくなるはずです。
 変という以上に、これではお篠が、まったくつまんない人になっちゃってるんだね。何より、命がけで決めたはずの覚悟が、これじゃ台無しだ。大好きだった重三が一番弱ってる時に、しかもわざわざ自分を頼って訪ねて来てくれたのに、それでも冷たいこと言って追い出す、強い女なんだよね。そして、人間は所詮一人っきりだ、って、歯を食いしばって生きてるんだ。でもね、そこがお篠の、お篠たる所以であってね。何でそんなにがんばれるのかって言うのは、実は彼女の中に、思いのままに生きる重三の精神が継承されてるからなんだよね。つまり、そうやって歯を食いしばって、必死に生きていくことが、彼女なりの重三への真摯な愛の姿なんだよね。『そう教えてくれたのは、あなたでしょう、重三さん!』だよ。だから、安直に抱き合ったりしちゃいけないんだ。ましてや、二人が結ばれるなんてことはあってはいけない。
 二人はそっと別れるべきなんだ。そしてそれぞれに生きる。ただ、心の中ではたぶん、強く結ばれて続けているだろう、って。
 ここに描かれるべきなのは、そういう恋愛のカタチなんだって、15年経って気づいたんだな、私は。

 それにともなって、実は歌麿とお篠の間の出来事にも、大きな変更を加えてるんです。一言で言えば、初演台本では、二人はセックスをやってないのね。でも、今回はやってる。それで何がどのように違うことになったのか?
 300字以内で、その意図と劇的効果を考察せよ。
 ここんとこ、期末試験に出すから。もう一度、そういう点に留意して舞台を見直しておくように。
 
 諸君の来場を待つ。


 
 
 
 
 
  


 
 
 


  
 
 



昨夜は……(2003.07.27)

 お昼だけの公演で、何日かぶりに早く帰った私、新宿入り以来、とっても疲れていて、ここ数日、眠くて眠くて仕方ありませんでした。
 で寝た。たまに早く帰って来たと思ったら、一途に睡眠かよと、さすがに自分突っ込みしたくなりましたが、仕方ない。

 激しく寝た、凄く寝た、ひたすら寝た。(太田垣牛のようにサ、意味不明の人は扉座通に尋ねるように)8時過ぎから寝て、さっき(朝7時!)目が覚めた。少し早いぞ、と思ったけど、さすがにもう眠くなくて、起きてコレを書き出しました。
 
 帰宅途中で、何人も浴衣姿の者たちを見かけて、みんな きらら に感化されたのかと思ったら、花火だったのね。しかし私は関係なく寝た。

 ところでロビィで、数名の方から、日記を読んでますと声を掛けていただきました。どうもありがとうね。こういうことは基本的に三日坊主の私が、今回は、すでに3週間以上継続させている素晴らしい状況であります。でも掲示板と違って、レスが付かないので、少し寂しい気分だったのね。だからとっても嬉しいです。
 とりあえず、出張がない限り、毎日劇場にいますから、遠慮なく声を掛けてね。現代演劇における きらら浮世伝 上演の意義は如何に?とか、そーいう種の難問を開閉場時のロビィにて、いきなり投げかけられても困りますが、ご挨拶ぐらいはお気楽にね。その為に立ってるようなもんですから。

 ロビィと言えば、私の父です。今回もロビィで元気にパンフとか売ってますが、その時に大きな声で『横内謙介がサイン致します!』とか叫ぶのね。つまり自分の息子のことなんスがね。その近くに間抜け面して41歳の息子が立ってるンですけど、変な構図だと思わないかね、諸君!
 そしてしみじみ恥ずかしい。割と平然としているように見えるでしょうけど、実を申して内心は、とっても恥ずかしいんですよ。オヤジ、やめてくれ、と思ってる。しかし、人前で揉める訳にもいかんしな。オヤジはパンフを売らねばという一心でやってるんだしね。何が悪いんじゃ、ケンスケ!という顔してやってるんだ。しかし、私のことよく分かってないお客さんにまで、ケンスケがサイン致しますとか言うのね。で、言われた人は、完全に???って顔してるんだけど、あんまり一所懸命に知らないオジサンが勧めるから、そんじゃ貰うけど、ケンスケって誰サ、って感じでサ。
 恥ずかしいんだよ、本当に。
 しかしこれも人生の修業かしら、と思って日々の勤めに励んでおります。
 皆さん、頼むからオヤジが叫ぶ前にパンフを買ってやって下さい。
 
 
 

 
  
 



初日開いたよ(2003.07.26)

 初日に駆け付けてくれた皆さん、どうもありがとう!超満員で迎えた東京初日、不覚にも涙が出そうになりました。他に空きがなくて、客席の真ん中の招待席に座ってたので、こらえるのに結構苦労したよ。
 今日は、初演の きらら からのご縁の人々が大結集してくれました。故河合さん関連の人たち、きらら がキッカケで芝居創りを共にするようになった フジテレビの杉田監督とか、山田プロデューサーとか。あと きらら があってこそ出会いのあった 猿之助関連の方々、何より藤間紫先生まで!
 たくさんのたくさんの人たちに支えられて、15年の歳月をかけ、ここに辿り着きました。もちろん、まだまだ改善の余地のある舞台です。皆さんの応援に応えるためにも、最後の最後まで気を抜かずに練り上げて行きます。
 実際、厚木の舞台からも、さまざま手を加えてちょっとずつ変えて行ってるんですよ。厚木と両方見た人はわかるよね?照明とかもかなり違うでしょ。特に戸板地獄の明かりがカッコよくなったでしょ。これは今日のお昼、稽古中にハタと思いついて、照明の塚本さんと実験して、編み出したスペシャル発展形です。
 我ながら、すっごい気に入っちゃった!
 これから見る人、注目してみて。
 明日からもロビーに立ってます。どうぞ気楽に話しかけてね。
 あと、ここに掲示板に感想とか、よろしくね。もっともっと書き込んで、熱く盛り上げておくれよう!


 



日付変わってすでに本日(2003.07.25)

 いよいよ新宿初日です。
 今日はお昼に成城まで、河合監督のお墓参りに。『きらら浮世伝』初演の演出家です。詳しくはパンフレットに書かれてありますが、この人との出会いが、私にとって大きな転機になったんですね。きらら を書き上げる時に、それはそれは厳しく鍛えてくれてね。その時はもう、本気でいつか殺してやる、とも思うほどね、意地悪でさ、それでいて誰よりも繊細で傷つきやすくて、訳の分かんない人だった。けれど勘九郎さんはじめ俳優諸氏には心から愛されていて、そういう部分では限りなく羨ましい、不思議な人だった。こんな人になりたいような、ゼッタイになりたくないような。とにかく訳分かんない人だった。
 しかし、今、自分があの頃の監督の歳になってしみじみ思うのね。あの時、監督は一回り以上年下の、まだ無名の新人作家の私と、真っ正面からぶつかってくれてんだよね。容赦なく叩いてくれてさ。ダメ出しも意地悪も手加減なしで。そのお陰で私は一皮剥けた。と言うか、プロの洗礼を受けることが出来たんだな。責任と覚悟を植え付けられたと思う。今の私には、とてもそんなこと出来ないもん。無名の若者なんか相手に、ゼッタイにムキにならない。もっといい加減に付き合っちゃうな。心ではダメだと思っても、良いね、なんて言ったりして。無責任にさ。で本人には聞こえない心の底で、君はムリだよ、と呟いてたり。
 監督のエネルギーはとにかく凄かった。いつも本気、真剣、命がけでさ。挙げ句の果てに、自分で死んじゃったんだもんね。女優の家でクビ吊って。世間では恋愛の悲劇のようになってるけど、監督の洗礼を受けた人たちは、皆、そんなんじゃないと思ってる。監督は本気で世界一を目指してたんだよ。(それが口癖だった。これじゃ世界一じゃねえだろ、書き直せ!とかサ)だけど、世界一ってのを一瞬遠く感じちゃったんじゃないかな。たぶんそれが許せなかったんだ。本気でそれを信じてたから。もしくは、本気なんだと自分にずっと言い聞かせて、世界全部を敵に回してもやり抜くつもりでやってたから……
 私は、一つの戦死を目撃した のだと思ってる。それぐらい作品作りは苦しく、厳しい仕事なんだ、と。監督のことを考えるたび、しみじみと思う。
 だから きらら はずっとやれなかったんだ。怖くてね。

 きらら は河合さんがいなきゃ、ゼッタイに出来なかった。そもそも、河合さんの発案だしね。寛政期のアーチストたちの青春グラフィティ。河合さんは青春を撮らせたらピカ一の監督だったんだ。しかも今回は演出プランの数カ所を、監督のプランを踏襲してる。あの頃は反発心が強かったけど、今は素直に、監督の才能とアイデアを認めてね、より良くして舞台に乗せようと思った。

 監督の映画『RONIN』のラストを飾った花はひまわりだった。そのひまわりを買ってお墓に行った。でもお墓って、左右両方に花立てがあったんだね。一束じゃ足りなかった。仕方なく、片方側だけにひまわりを飾った。その瞬間、監督のダメが聞こえて来た気がした。
 お前は、とりあえず帳尻だけあわせるけど、心が足りてねえんだよ、って。
 すみません。公演が終わったら、また行きます。今度は両側分、ちゃんと揃えて行きます。
 お酒が大好きだった監督のために、小さな冷酒のボトルをお供えに。乾杯のつもりで一口グイと飲んだら、このところの寝不足気味で、帰りの電車の中で目が回った。
 しばしぼんやり新宿をぶらつき、仕込み中のサザンへ。夜から、明かり合わせに付き合ってきた。
 明日は朝から作業の残りと、確認稽古。
 河合監督もきっと観に来てくれるので、気合いを入れ直し、二度目の初日を迎えます。
 


 
 
  
 



つかの間のハザマ(2003.07.22)

 朝からNHKへ。先に金田龍之介さんで、後から松村武さん。私、昨夜、村松さんて書いてましたね。申し訳ない。
 金田の話、絶品でしたな。
 挨拶をする時に、頭を下げるんじゃなくて、そっくり返るカタチで頭を上げる偉い人がいる、って話を人から聞いて、それを近松心中物語の中で演技に取り入れた、とかさ。普段聞けない、貴重な芸談の数々でありました。
 金田さんて、テレビではわりと分かりやすい感じの悪役とかが多くて、脇役一筋って印象だけど、大変なキャリアをお持ちで、芝居に対する見識が高い方なんですな。私はスーパー歌舞伎で何度かお世話になってるんですが。いつも簡単な挨拶しかしてなくて、今度ご一緒した時には、じっくりお話を伺おうと思いました。だって70歳を越えて、尚、平然とオーディション受けに行ったりするんだって。輸入ミュージカルで面白そうだから、私の役はないかしら?なんて調子で。
 ここから演劇界に、一気に金龍ブームがきます。今こそ、金龍を見ようじゃないか。それは私の予告その一。

 松村クンとは一転して、現在の芝居の話を。ちょっと偉そうに先輩ぶって、松村演劇について語ったりしてしまった。山中の出た『パイロット』もしっかり見てるしさ、私。しかも植本潤も私も、松村クンも三人とも早稲田の演劇科卒で、偶然にも卒論の担当が同じ先生だった。松村クンが先輩二人に囲まれるカタチね。少しやりにくかったんじゃないかしら。特に金龍さんという大先輩の後で、私らも必要以上にのびのびモードになっちゃったからね。潤ちゃんなんか、明らかにイスに座ってる姿勢が別物だったもの。

 予告と言えば、最近、あちこちで、言い回っています。
 金龍さんは今年、大々的に来ますけど、もう一人、女優では、木村多江が間違いなく、キマす!。しかも、今回の きらら で来ます。今日もNHKで人に会うたび、きららはどう?って聞かれて、木村がキマす、と答えてきました。
 そもそも、放送業界では、今、密かに皆が注目してる人だったんですね。私は普段テレビと無縁なので、よく知らなかったんだけど。まだテレビでは4、5番手 って位置なので、一般的には浸透してないけど、いつブレイクするか、って皆が見守ってるンだそうです。
 実際、良いのだ。着物が似合って、声も美しく言葉が明晰である、とか。素人目にもはっきり上等なのは分かるはずだけど、それ以上に芝居がね、清潔でありながら熱い。細かく、深い。稽古してて、心底面白かったもの。こちらがイメージを伝えると、少し考えて、彼女なりに表現で返してきくれるのね。気持ちから入る人なので、役の心理とかを主に語り合うのだけれど、単なる議論じゃなくて、私のリクエストが問いかけになり、彼女の演技がアンサーになる。彼女とは稽古することそのものが、対話になっちゃう。これは希有なことであります。
 早く皆さんにお見せしたいね。木村多江のお篠さん。
 コレ単なる宣伝じゃなくて、マジです。
 もちろん、銀ちゃんは良いけどね。それは今更驚かないじゃない。今回は多江さんが、世紀の大発見、扉座大手柄になるはずです。近い将来、この公演を振り返って、あの時に あの人が出て、お篠を見事に演じたんだって語りぐさに必ずなります。
 
 
 
 

 
 
 

 



久しぶりにずっと机(2003.07.21)

 お昼過ぎまでダラダラして、何とかせねばと励まして春秋の原稿書き。ネタには困ったままだったけど、今現在、最も私の心に引っかかっていることを書きました。でも、どうせなら きらら の宣伝になる時期に書いとけばよったかな、と書きつつ思った。結局 きらら 関連の話です。
 何か他のこと考えようとしても、当分、気持ちが きらら から離れないみたい。
 久しぶりに一日、家にいて、今まで不在だった荷物を一気に届けてもらう。うちの場合、妻も働いてるので、基本的に不在の家なんだよね。管理人さんもいる建物なのに、なぜか管理人さんと配達人さんの仲が悪くて、代理受け取りが成立しないことが多いんだな。特にペリカンと飛脚?と仲違い。うちの管理さん黒猫は好きみたい。
 管理人と配達人は仲良くしとくれ。今日のお願い。
 
 お届けの中にナマボン9月号。て9月号かよ。雑誌の季節感て何なんだろうね……
 それはともかく、俺よう、今回の文章の中で新人だった椎谷陽一のこと書いてやってんだよ。扉座の新人の椎谷クンて、実名入りで。それがよう、何を隠そう、アゲインの旅から帰ってきた日に、奴は突然退団を宣言して、今はもういないんだよね。
 この椎谷って奴はもういないのか、と思いつつコレ読むと、しみじみと馬鹿馬鹿しいよぅ。追記にして、この椎谷クンは新人となって2カ月後に辞めました、って入れたかったけど、その時はもう手遅れだったんだよう。ここを見た人は、そう思って読んで下さい。

 原稿書きして、明日収録の、金田龍之介さんの『サラ』を観る。麻実れいと金龍さんの二人芝居。上手いねえ…… 洋モノなのにねえ。日本の話みたいに自然でね。
 でも、俺が加納さんに書いた、好色芝居女 て一人芝居に似てるなあ、と。どっちが早いんだろ?パクったんじゃねえだろうな、ガンジン!
 ちなみに フォーティンブラス っての、ガイジンの奴もあんのね。日本でも上演されてる。しかしアレ、私の方が早いらしいからね、あしからず。何でもガイジンが先だと思ってはいけませんよ。

 明日は朝からNHKです。
 村松クンと金龍さんのインタビュウを収録。
 
 

 
 
 
 



厚木便り(2003.07.20)

厚木の千秋楽前の劇場ロビーで書いています。さきおとといから稽古も含めて5連チャン通しで、みんなお疲れのはずなのに、終わると俄然元気になって、昨夜も夜中まで厚木の町で酒盛りでした。都心まで帰る予定だった有馬と鈴木祐二くんは、焼酎ボトルで入れてしかも飲み干し、結局厚木泊まりでダメ兄弟の結成となった様子です。しかし極真カラテの使い手の祐二と同じペースでダメな日々を生きたら、有馬は確実に死ぬと思われます。心ある方はどうか、有馬クンに忠告をしてあげて下さいまし。
 私も少し疲れ気味です。
 しかし、これから大阪の楽日までの闘いの日々を思うと、初日が開いたといってもまったく気が抜けませぬ。
 この舞台、初日が開いたら、泣いちゃうかも、とか思ったんだけどな。初日からずっとハラハラして、感傷に浸る暇もないし、厚木の次は本丸の新宿公演が待ちかねておりますからねえ。泣くのは楽までとっておきましょう。
 
 今日の話題。
 パンフレットがなかなか好調な売れ行きでございます。前回アゲインよりもかなり豪華になって、本格派の感じになっております。まあ、前回は私と田中の汗と涙の結晶なんですがね。今回は茅野の全面プロデュース作品です。なので、なぜか出てない茅野イサムが大活躍であります。何故に「間違いだらけ」の徳大寺さんとクルマも持ってない茅野イサムが扉座パンフの中で語らっているのか、よく意味の分からないところはあるけど、なぜか徳大寺さんと意気投合して、きららをかんばろうみたいになってて。ビールと葉巻に彩られたお二人のハードボイルドワールドは、個人的に一番の見所でござりまする。ぼんやり眺めると見逃すので、是非マニアックに見つめてみておくんなまし。かなり笑えます。
 



(2003.07.19)

日記

 今、厚木文化会館のロビーでこれを書いています。初日と土曜マチネが終わりました。まだ劇場アダプテーションが行き届いてなくて、見えてはいけないモノが見えたり、変なことが起きてしまったり、つまりミスがたくさん起きてますけど、まあ、今のところの限界点で必死にやってます。
 観れば分かるけど、大変なんスよ、今回ホントに。
 肝心の芝居の出来ですけど、私としては、まだ無我夢中なので、よく分かりません。満足はしてませんけど、かなり充実してる。
 まあ、観てみてください。
 しかし、今の私は人の下す評価なんか、ある意味どうでもいい、って感じかな。もちろん好評が望ましいけど、これ以上やりようがないんだもの。お金さえあればやりたいこともあるにはあるけど、一流のスタッフたちが力を尽くしてくれてるし。冒険だったキャスティングも幕を開けてみたらピッタリだしね。
 日記だから遠慮なく書くとね、この作品は現在の、私の限界点だな。これでダメだって言われるなら、私には才能がありません。潔く筆を折り、演出席からも立ち去り、タバコ屋にでもなりましょうか、て感じ。
 こちらの思いと、観る人の思いが食い違うのは世の常でありますから、ダメだって人もいるんだろうがね。
  
今夜一晩、厚木に泊まって、明日の公演後、帰宅です。
 厚木では、とにかく公演ごとに微調整と必死のカッティングに励んでいます。新宿初日までには、何とか予定時間に収めたいと思ってます。まだかなりオーバーなんだ。もういいじゃん、このまま行けよ、ともう一人の私が囁くのだが、サザンの延長料金は侮れません。もう一人の私が一日××万円と囁くのです。
 でもま、短くすれば、確実に良くなるからね。がんばります。扉座金庫の防衛のためにも。
 新宿初日は満席です。どうもありがとう。でも他の日はまだ土日も空きがあります。これからでも間に合うからね。
 
 



舞台稽古おおお!(2003.07.17)

 10時15分のロマンスカーで本厚木に行った。
 稽古前に東京新聞の取材を受ける。
 ちなみに昨夜は結局原稿まったく出来ず、とは言え何もしないほど余裕はないので、来週火曜に収録の「深夜劇場にようこそ」の資料ビデオを見た。カムカムの松村クンがゲストに来るのでね。それと金田龍之介さん。しかしこの二人、ぜんぜんテイスト違うジャン!
 カムカムは『エメラルド』って芝居を放送の予定です。去年の暮れに上演されたのかな。で一所懸命観たんだが、相変わらず、頭の悪い私にはほとんど意味不明の世界でした。まあ、イチイチ意味を考えてる時点で、走り行くカムカム世界から大きく取り残されているんでしょうがね……
 金龍さんの『サラ』はまた後日見る予定。
 
 一方我が軍は……
 舞台周り、照明の用意がかなり遅れてて、予定より随分押して開始。特に舞台転換がスムーズに行きません。ウルトラローテク人力転換なんすけどね。本番装置に触れたのも今日からだから仕方ないんだけどサ。9時までかかって、しかも最後は大幅に巻いて、ようやく一幕を上げたって感じ。でもこのままじゃ、通しで混乱必至だな……
 まーね。ギリギリまで厳しい闘いが続くというのは、いつものことでありんす、がねっ。とにもかくにも、明日は何としても、通し稽古をやる予定。午前中から諸準備にかかり、12時から二幕の小返しだ。たぶんいろいろ起きるだろうな。でも金曜の夜が本番だから、まだ余裕はあり。厚木でやってると、この時間の余裕がとても助かります!
 
 10時5分のロマンスカーで新宿に。
 気が付けば、夕食を食べ損なってて、そうだ、清流めん を喰おうと思い立つ。
 三丁目の航海屋ってラーメン屋。ここの夏限定の冷やしラーメンが私には夏場のラーメン世界一であります。すだちを絞って食べるサッパリラーメン。 
 わざわざ新宿駅から歩いて、三丁目まで。そんで清流めんを食して帰宅。
 
 さて明日から、私は三泊で厚木泊まりです。
 日記は扉座のノートパソコン使って何とか更新して行こうと思ってるけど、もし出来なかったらゴメンね、みんな!
 でも皆さんは、感想とか、どんどん書き込んで下さいね。何しろ、今回はかつてない大勝負を賭けてる公演で、皆さんの応援が一番の頼りですからね。これでコケたら、扉座は潰れるかもしれません。イヤ、まじに。ま、扉座っていうか、私がね。たぶんへたばる……、芸術的にも経済的にもね。
 だからみんな支えなくちゃダメよ。
 みんなの力でお客さん増やしていくんだからねっ!

 いよいよ運命のカウントダウン。公開迫る!であります。
 
 
 
 



明日から厚木(2003.07.15)

 本隊は厚木に行って仕込みをやってます。
 私は事務所に行って、事務処理とおうちで書き物。
 ちょうど事務所にいる時に、銀ちゃんが出てる『ごちそうさま』放送だった。
 最初の、銀チャンが女の子のように育てられた……という話題は、ドキドキしましたね。子供の時は、ずっと女みたいな格好させられてたんです、なんて。だって美川憲一様が同じくゲストで、すぐ側にいるのにね。何てこと、言い出すんだこの人は?って感じじゃありませんでした?
 銀ちゃん、計算で話しはじめたのかな……
 なワケないよね。かなり緊張気味だったもんね。
 
 放送の最後で、きらら の宣伝してくれて。さあ、電話とかじゃんじゃんかかってくるかと期待したけど、ぜーんぜん変化なし。
 思えば、電話番号とかなーんにも言ってなかったもんな。
 しかし、観た人は大勢いるはず。銀之丞って名前がピンと来なかった人もこれで分かったでしょ。ああいう顔の人です。真ん中分けの浅黒い二枚目ね。
 しかし、時代劇やんのに少し顔黒すぎないか?とテレビを見つつしみじみ思った私でした。
 春秋のエッセイ 劇場からの風景 の原稿書かなきゃいけないんだけど、これまた ナマボンに続いて、今のところネタなしであります。とにかくこうやって公演に取り組んでると、他のこと チマチマ考えてる余裕がまったくないのよね。
 春秋の原稿は、少し真面目め、なのでネタ揃えに苦労するんだ。でもそろそろエッセイ集としてまとめようという計画なので、手は抜けない。遅らせられない。

 今からネタ探しです。
 がんばります!
 チケット予約まだの人たち、急いで下さい!新宿の平日チケットまでかなり動き始めてます。今回は見逃さないでよ!

 
 



くたばってた(2003.07.14)

 忙し過ぎた……
 稽古に加えて、販売用の台本校正が入ってね。今回は、稽古に入ってからもかなり手を入れましたから。なるべく上演に近いカタチのものをお手元に、と思ってるんですが、自分の台本は書き込みとか、塗りつぶしとか、もうワケがわかんない状態で。イチから書き直しみたいになって。この日記書く余裕もなかった。
 日記を待ってて下さった皆さん、ごめんねえ。
 台本は完成し、今日、印刷所に入れます。
 結局、前回のリーディング公演の時に作ったのとは、かなり違うモノになりました。大改訂です。以前の台本持ってる方々すいません。でも比べてみると、横内研究の良い素材になるはず。
 この15年で私の何が変わってきたのか?

 稽古もついに今日で終わりです。
 昨日辺りは、みんなかなりテンパッテて、セリフを噛んだり飛ばしたり。でも気が抜けてそうなってるんじゃなくて、気が入り過ぎて、真空が生まれている状態。
 いつも冷静なタエちゃんも、途中白くなったし、有馬も最後のキメゼリフを噛んで、稽古場の隅でへこんでた。照れ隠しで若者を睨み付けたりして。その姿が可笑しくて、思わず稽古場隅のそっちの風景に見とれてしまったぞ。

 演出家としては、もう少しクールにやろうな、と注文。お金取ってやる時に、必死にやれば?これは稽古なんだからって。
 しかし、気を抜けば怒り、入れすぎると、これまた注意する。
 演出家ってのも、かなり勝手な役割よね。
 
 まあ、今日の通しはかるーく流しましょう。
 いよいよ公開間近であります!
 今日で、新宿はオサラバであります。

   
 
 
 



きょーおは(2003.07.12)

 ますます喉が痛くなり、ヤバイ感じながら、それでも少し早く出て、新宿へ。そんでバーゲンとか行った。昨日、銀ちゃんとかとお話ししてて、それもかなり熱くなってて、かく言う私もこの稽古に入ってからずっとアクセル全開て感じで来ててね。熱さの中にかなり自然に溶け込んでて。ますますヒートアップしてゆく夏って感じで、それはとても喜ぶべきことなんだけど、昨夜眠りに落ちる寸前にね。しかし、なんかこんなにひたすら必死なのも、少し私らしくないかもなあ……と思い至ったのですね。もしかして余裕がなくなってンじゃねえか、って。
 必死なのは良いけど、俺は役者じゃねえんだから、どっかで醒めてなくちゃ、ハンドル操作を間違うからね。
 で、バーゲンに行こう、と。
 などと、もっともらしい言い訳しつつ、実はずっと前から行く気満々だったのかもしれんなあ、と今思った。
 だって今日からコムデギャルソンとヨージのセール開催だったんだが、ちゃんと分かってて今日行ってンだからね……
 結局予定の行動なんじゃん。ウソ付くなよ、俺。
 以前、どっかにも書いたけど、ここ数年の私、少し買い物依存的な傾向があるのね。特にお洋服方面にね。女の子みたい、と思いつつ、そろそろバーゲンだわ、なんて思うと気が落ち着かない。ちゃんと各社から案内も送られて来るしな。
 ええい、もう言い訳はよろしい!
 つまるところさまざま買いました。内容は内緒。ま、たぶん公演中とかに着てるから、コレかな と見当付けて下さい。
 しかし、さすがにバーゲンの大袋下げて稽古場に行くのはためらわれたので、お店に預けてきちゃったぜ。
 
 お買い物して(何か心配になるような響きね。この非常時にお買い物かよォ)1時から稽古。
 5時半から通し。
 衣裳、カツラを付けて。
 問題のタイムは ただ今、芸なか(正味)で2時間半。あと十分切って、休憩入れて2時間半に入れる予定。かなり短くなって来たね。
 ただし、私がいきなりズバスバ切るので、俳優たちは混乱気味。そりゃそうだよね、せっかく入れたセリフ、捨てますと言われてもね。
 しかし、私なんか、それ以上に、せっかく書いたり考えたりしたセリフや演出を自ら捨ててるわけスからね。
 俺だって、闘ってるんだぜ。
 ま、バーゲンには行ったけど。
 イカス、パンツとか買ったけど……

 帰りがけに、近くのカフェで公演幹部会議。三代目事務局長らとパスタ喰いつつ、今後の展開を検討する。
 
 今日の感動!
 キックボクサーの魔裟斗のインタビュー記事で、
 「こないだの試合で感動したって人が大勢いてくれたんですよ。でも人に感動を与えられる人ってそんなにいないじゃないですか?俺はそれを誇りに思いますよ……」と語ってた。
 そうだね、人を感動させることは難しいけどね。それが出来た時は、心から誇れるよね。
 一流選手は、すべからく良い詩人でありますなあ。
 
 
 
  



風邪かも(2003.07.11)

 昨日から、喉の具合がおかしい。大阪帰りの新幹線でうたた寝したのが原因と思われる……
 声がガラガラだあ。
 今日はお昼から、衣裳とカツラ合わせ。結局6時までの半日がかり。時代劇は大変ですぜ。
 まる2日間稽古してなかったので、その後、強引に稽古再開。新幹線の中で考えたカットを発表して、第2幕の稽古を。
 赤星が稽古場に来て、このままの上演時間では、サザンシアターの延長料金が大変なことになります、と脅す。わかんてんだよ、そんなこと!俺だって、好きで長い芝居にしてんじゃねーよ!と心で叫びつつ、そうだねえ、何とかせねばねえ、と唸る。
 一度で良いよ。そういうセコイこと気にせず、好き放題に芝居を創ってみたいよう…… カツラとかも、数量とか関係なく、バシバシ注文しちゃってさ!衣裳も特注ドンドン出してさ!
 が、もし大借金抱えることになったら、そのツケは全部私に降り掛かって来るだけなのよね。ああ、辛いワ、もう……
 
 明日の通しで、もう一回タイムと闘うことになりそう。襲い来るさまざまな苦難だぜ……

 少し予定延長の稽古後(稽古場まで延長しちまったよ!料金取られちまうんだぜ)、銀ちゃんとサシでお食事 のはずだった。銀ちゃんもさまざまストレスがあるのでね、この芝居のこの役を演じるには……
 事務所の星野社長はかなり厳しく、銀ちゃんにプレッシャー掛けてるし。
 一度、二人でじっくり語り合おうじゃないの、きららのこと、芝居のこと……と約束してたんだ。
 んが、気が付けば、今日、稽古場に来ていた、星野さんも一緒にお食事に行くことに。
 結局、一段とプレッシャーがかかるお食事会になってしまいました。
 星野社長という人は、芝居好きで、厳しい人なんですよ。ダメ出しがね。容赦ない。そんでイチイチ的確だから困る。何しろ、勘九郎さんの名付け親で、芝居一筋、50年間現場を見守り続けた方ですからね。
 銀ちゃんの行きつけの、三軒茶屋の美味しい和食屋さんで、大変美味しうございました。しかし、ご飯よりも、星野社長のダメのお言葉で胸一杯、って感じ。
 星野さんについては、アゲインのパンフでも触れましたね。お手元のパンフや著書『生きている理由』を参照して下さい。
 
 僕らまだまだ未熟だけど、がんばろうね、ね、と銀ちゃんと励まし合って帰宅して参りました。
 みんなも銀ちゃんと私に励ましの言葉を送ろう!


 
 
 



ついに出現だね!(2003.07.10)

 変わった!て感じでしょ。中味はあんま、変わってないんだけどね。いろんなデータとかも、少しずつ更新していく約束になってます。ま、田中クンが元気でいれば……(もちろん、このリニューアルを全部、田中クンが一人でやった訳じゃないよ!それなりにご専門の方々の力が支えてくれています。あしからず)
  
 そんでここでの私の仕事は、この日記をコマメに付け続けること、ですね。がんばります。
 ともあれ、ホームページにさまざまご意見下さったり、応援して下さったりした皆さん、ありがとう。感想をどしどしお聞かせ下さい。

 今日は、厚木に行って宣伝活動を。
 朝日、読売、神奈川の新聞各社の取材を受けました。神奈川版とか、厚木版だと思いますけどね。でも、各社熱心に聞いてくれた。私は若者応援シート、1500円チケットの意義を力説。とにかく、こんな素晴らしい企画が世の中に浸透していないのがおかしい!まだ制限枚数に届いてないんだよ、応援シート。一番先に売り切れなきゃいけないのに!若者よ、厚木に芝居を見に来い!学生証さえ持ってれば、専門学校生でもオッケーだかんね!まだあります、応援シート!

 明日はお昼から、二日ぶりの稽古。たかシの書き込みにもあったけど、衣裳合わせもあり。稽古はあと5日間だ!仕上げなきゃ。

 
 
 



まだ誰にも読まれてないのね!(2003.07.09)

 とっくの昔から、ここに日記を書き始めたのに、なかなかオープンしてくれないもんで、これじゃ誰にも読ませない、秘密の日記じゃん、て感じ。
 いっそ誰にも見せたくない、本当の秘密を書き連ねようか、なんて。
 ま、たいした秘密はないんだよね、今はホントに。ひたすら演劇に捧げる日々ですもの。

 今日は大阪へ、宣伝活動に。新聞雑誌合わせて9社が来てくれた。語り甲斐がありましたよ。最後の近鉄劇場公演だからね。来年の1月にこの思い出深い小屋もついに取り壊されるのです。僕らが初めて大阪に行った時にやった扇町ミュージアムスクエアも消えたしね。
 大阪は寂しくなります。

 さて昨日挫けた ナマボンの原稿は、大阪日帰りをやっつけた後に取りかかり、たった今終わらせましたぜ。ネタはね、結局思い出話。いろんなことやってきてるから、思い出だけはたくさんあるのでね。
 今回は少し古い劇団公演ツアーの時の出来事を。

 あと行き帰りの新幹線の中で、きらら の台本開いて、少しだけカット作業をしてみました。もうみんなセリフも入ってるから、今更いじるのは申し訳ないのだけれどね、少しでもお客さんに快適に見て貰うためにね。
 これは、初日開いて、本当に楽日ギリギリまで、修正を重ねる市川猿之助の姿勢を見習ってね。まだ初日まで10日もあるんだしね。
 
 明日も私は宣伝活動に駆け回る一日です。
 稽古場は、助手の則岡クンに任せて、主に舞台転換の段取りと。林千枝先生の所作始動を。
 みんな少しずつ着物姿も板についてはきていますがね。
 江戸時代の人にはまだなり切れてませんからね。
 て、なる気か?
 なって欲しいね。

 と誰にも読まれない日記の一人遊び。早く、読まれたい!
 
 



今日も(2003.07.08)

 ひたすら稽古。昨日、納得できなかった一幕を中心に。テンポアップと、ポイント修正。そしてカット!カット!
 かなり縮めたつもりながら、まだ長い……
 面白ければ長くたっていいじゃんという意見もありますがね、私は何とか休憩入れて2時間半に入れたいんだ。私自身が最近、長い芝居は辛く感じることが多いのでね。もちろん、面白ければオッケーなんですが。まあ、そもそもがセゾン劇場用ですからね。普通にやればどうやっても3時間ぐらいはかかる作品なんですけど……
 とにかく、ギリギリまで粘って、少しでも良くする方向で努力します。短くして、つまんなくしたらダメだしね。
 稽古後、アゲインに出ていた小牧祥子が遊びに来てたので新宿で軽く食事を。彼女は今、サクラ大戦の稽古中です。優秀なダンサーですからね。買われて行ってます。ついでに言えば、うちの某氏もサクラの演出を手伝いに行ってます。もう正式発表になってんのかしら?詳細はしばしお待ちを。
 
 しかしお話もそこそこで切り上げて帰宅。本当はナマボンの原稿書きをしなきゃいけないの。でも、ネタがなーい!何書いていいか、わかーんない。そもそも何にも考えてナーイ。今、頭ン中は きらら のことだけ!な私なのでありました。
 今夜の原稿書きは無理そうですナ。
 明日は、稽古休みで、私は一人で大阪まで、きららのプロモーションに。行き帰りの新幹線の中でネタを考えることに致します。
 だが明日、大阪日帰りで帰った後で書けるかな?
 辛いなあ……
 今夜の内にやっときたかったな。
 けどなんせ、ネタがないんだから、書き用がないんよね……
 ネタがなきゃ、なーんにも握れないもんね、お寿司屋さんだって。
 ネタ切れな私。
 
 

 
 



七夕じゃん……(2003.07.07)

 気が付けば、そんな日だったのね!
 もはや昨日のことだけど、とりあえずの通し稽古をやりました。まだやることは山積みって感じ。良い芝居になると確信してやってますけどね、ただの良い芝居じゃなくて、今回はかなりスペシャルな出来を目指してますからね。
 初演の演出家の故河合義隆氏の口癖だった、良いなんて普通だもんね。天才なら世界一の作品にしなきゃダメよね!なんです。
 まだまだ満足にはほど遠いな。
 天才への道は厳しい。
 明日から、も一回、やり直すゼ、って感じ。
 本日はところどころ 転換に手間取り、つっかえたりしたので休憩入れて3時間。初日までには2時間半に入れるつもりです。
 いよいよ作業も佳境に入って参りました!
 ですね……

 銀之丞も、死にものぐるいです。
 けど、まだ掴めねえよ……と苦しんでる。
 辛いけど、険しい山を登ってるな、俺たち、と気が付くと無言の内に会話してる。でもこうして絆が結ばれて行くんだ、と実感できる、幸せな時間だな。一つ違いなんだよ、彼とは。一個下で、六角と同じ歳なんだ。

 稽古後、ヘアメイクをお願いしている、高橋さんとその手下の皆さんたちと土風炉でお食事。
 黒衣たちの髪型を決める。

 黒衣になぜ髪型が?と思われた方がいたら、あなたは鋭い!
 まあ、舞台をお楽しみに。
 第二幕の真ん中辺り!お手元の台本読んでも、きっと分からないけどね。
 ヒントはね、
 現代の歌舞伎役者だ!
 さあ、どーんなのか、当ててみて。
 
 
 


 



土曜の夜(2003.07.06)

 今日はもう、ホントに稽古稽古の日。小さなパートに分けて、そこだけ繰り返して演じる、小返し、二幕の途中からラストまでをみっちりと。
 これで一通り、段取りをつけて細かいリクエストを出したことなる。ここからは役者たちに、いかにそれらを上手くこなして貰うか、ということに重点をおいた稽古になってゆくのですね。
 で、明日、とりあえずの通し稽古です。
 各スタッフの仕事の進行の確認のためにも。
 今日は、稽古終わりに、銀ちゃんとこの社長さんの、星野さんとお食事に。
 今、助手をやってくれてる研究生の京一郎とともに。京王プラザのレストランで。
 ご馳走様でした。ごちそうさま、と言えば、間もなく銀ちゃんがフジの『ごちそうさま』に出るはずです。
 



今日の私(2003.07.05)

 いよいよ日記が始まりました。今までは掲示板書き込みだったから、半端でしたよね。皆さんへの呼びかけのような、報告のような……
 これからはもう、疑いようのない私の日記ですから、劇団、横内個人仕事、プライベートすべてを含めて、思うことをなるべく正直に書き込んで行こうと思います。
 でも、掲示板もちゃんと見続けるから、リクエストなどある場合は、遠慮なく掲示板に書き込んで下さいね。(ここは私しか書き込めなくなってるけどサ)

 今日は朝から恵比寿のスタジオで写真撮影がありました。来年の福岡の国民文化祭ポスター用です。
 何だか大袈裟に、スタイリストさんとかメイクさんとかが付いて、モテル立ちで撮影されてきました。野村萬斎さんと二人で並ぶ構図だという噂です。真相はまだよくわからないけど。しかし貼りだしは福岡中心なんだろうな……
 しかしそんなに顔が露出したら、中州とか行きにくいじゃないか?なんて、特別に中州で、何の遊びしてるって訳じゃありませんが。

 その後、稽古場に向かい、稽古をひたすら。昨日作った第一幕の、たかシと美奈子の掛け合いシーンが納得行かず、作り直し。もっと面白くならんか?たかシ、え?どうじゃ、考えんか!と、ミーティングしばし。ついでに石坂の登場方法を大幅に変えたりして。しかしそのためにまた特殊小道具が新たに必要に。スマンなあ、今回の小道具係大将、岩本ガンくん、と陳謝。でもやることに決めたから、頼むね、って。
 ほんの馬鹿馬鹿しいシーンなんですけどね、こだわって作ってるんです。まあ、出来上がりの舞台を観てから、ああこれか……と思って下さい。わざわざ作り直したのか、こんなシーンをと呆れてちょうだい。
 その後、二幕の稽古を。
 申し遅れましたが、今回は休憩アリの二幕ものです。上演時間はまだ不明。遠し稽古をしてないからね。ただ現段階では長いことだけが確か。これからカッティングに入ります。

 エグゼクティブプロデューサーの山田さんが稽古場に見えたので、出演者一同でお食事にご相伴。
 山田さんは、この7月、フジテレビの重役に大出世してしまわれました。ホントなら、もっと何回も稽古場に遊びに来れたはずなのに、と嘆いておられます。出世を嘆くなんて、太田南畝みたいだなと、思いつつ聞いてました。
 すつかりご馳走になって、お腹いっぱいで解散。
 山田さんは、木村多江さんを是非是非!ゼッタイこの人しかいませんと、つよーく、私に奨めた人です。実際、多江さんはマジにドンピシャで、毎日、嬉しくなるほど良い芝居してくれてるんですけどね。
 山田さんに、多江さんの何を見て、良いと思ったのかとお尋ねしたら、テレビドラマの、何とかの情熱 とかいうやつで、文壇バーのママの役をやってた演技を見てなのだそうです。私はそんなドラマの存在すら、ゼンゼン、知らなかったのですがね。知ってる人いるかな……

 追記、山田まりやが、盲腸で死にかけたんだそうです!
 芸術座の舞台の千秋楽前に破裂寸前になって、ゼッタイ手術しなきゃダメだというのを、医者に楽屋に待機して貰って、強引に舞台をやり通したんだと。今はもうすっかり元気で、次の仕事に入ってるそうだけど……
 知らなかったよ。
 千秋楽の舞台では、泉ピン子さんが、そのことを涙ながらに、お客さんに報告したんだそうです。だから秘密でもないみたい。
 よくがんばった、偉いと、言っておきました。
 


 
 

  



今日は……(2003.07.04)

朝から、石坂と一緒に版元さんのお宅をお訪ねして、いろいろとお話を伺いました。いるんですよ、江戸川橋に今も木版画の版元というのをやっている方が。高橋さんという女性の方なんですが、とても親切に、版元の何たるかを教えて頂きました。帰りにはお土産まで頂いちゃったりして。
 しかし、私としては、出来れば脚本執筆前にお会いしとけばよかったな、と。でもまさか版元なんて人が、この現代にいるなんて思ってもみなかったからね。
 先日、文京ふるさと歴史観に行って、学芸員の人から話を聞いて知ったのですけどね。何事にも過剰な好奇心を持って臨まなければイカンなと改めて思いました。

 その後、稽古場に行って、ひたすら稽古。稽古。稽古。
 稽古後は研究生でありつつ、今回特別に役を貰って出演している若手数名を中心に居酒屋に誘って、プチ飲み会を主催。
 真剣勝負だかんな、必死にやれよな!授業じゃなく、公演の舞台に出んだかんな!
 と久しぶりにアニキっぽく六角が言う熱い言葉が、とてもいい感じでありました。
 15年前にセゾンの舞台で、六角はセリフ一個の役で、しかし、毎日怒鳴り通されて死にそうな思いで出演してましたからね。奴にとっても、思い入れの深い舞台なんだよな。
 そう言えば、今、目の前にいる若者たちは、15年前の俺たちなんだ、としみじみ思ったな。
 がんばれよ。もうこれ以上は出来ない、ってぐらい必死にやれよ。
 10年後に、この日々を愛おしく思う日が必ず来るから。

 先輩からのメッセージだな……



今日は……(2003.07.03)

また私、フライング書き込みしたみたいね。申し訳ございませぬ……メルマガの秘密を事前にバラしてしまったのね。
 思慮浅く、おしゃべりなんだよね、基本的に。
 おしゃべりついでに言うと、近々、ドアクラブの皆様には今回の全キャストの決定をお知らせすることになりました。お手元に届くには、もうしばらくかかりますが、しばしお待ちを。
 ドアクラブ会員は、今回の公演は二度ぐらい来なきゃダメですからね。夏休みの予定のやり繰り、今から上手にして下さいよ!よもや、まだチケット予約もしてないなんて人はいないと思うけど、いたら、急いでねっ!あなたのこと、待ってますよ。
 
 さて本日は、お昼からお稽古。日舞の林千枝先生に来て貰って、所作事の修得を。
 その後、一幕の前半を稽古。メインは歌麿とお篠のツーショットシーン。木村多江、なかなかやるわい って感じ。一見線が細そうに見える人なんですけどね、強く、激しく、熱い。まあ、多くの人は(何を隠そう、人から紹介されるまで、私もそうでした。多江?誰、ソレ?みたいな……)、初めて聞く名前かもしれませんがね、逸材ですな。
 『ハムレット』で曲を使わせて頂いた、直太郎クンが、大ブレイクしたみたいにさ、この人も近々、必ず来る! と予言しておきましょう。ついでに言えば、この作品のお篠の役が、そのキッカケとなります。間違いなくなります。
 今からそう断言できる、それぐらい良い感じになってます。

 銀ちゃんが『ごちそうさま』収録で早上がりだったので、7時には稽古アップ。
 その後、私は日刊ゲンダイの取材。今回宣伝協力して貰ってる作家の丸山あかねさんのインタビューで。テーマは性の目覚め。知り合いなので、調子に乗って、少ししゃべり過ぎたかも。少しでも公演の宣伝になればと、お引き受けしたものの、『きらら……』とはまったく関係ない話。
 しかし、面白くなって、つい、赤裸々に。
 まあ、記事を楽しみにしてて下さい。掲載日など決まったら、たぶんメルマガとかでお知らせが行くでしょう!



本日通信(2003.07.02)

今日は朝から、電話でラジオ日本に出演。きらら の宣伝を。あんまり聞いた人なんかいなさそーね。
 懐かしのアパッチケン(今はもっとマトモな名前の人になって、自然と戯れるので有名になってンだよね)さんの番組でした。多くの者らは知るまいよ、アパッチケンと言う名もな……いたんだよ、かつて、アゴだの金造だのと一緒にな。ラビット関根とかとな。

 その後、森下のカツラ屋さんで、カツラ合わせを。花組芝居がいつも頼んでるところで、親切で明るいアニキみたいな感じの結髪さんでした。カツラ屋さんて、気難しい、職人気質の人が多くてね、ケッコー気を遣うことが多いのだけど、今回の太陽カツラさんは、ゼンゼン違って、いい感じだな。なぜかサーファーだし。
 新感覚職人だね!

 この話の展開でお気づきのように、今回は本格的カツラがあるのです。時代劇なんだよ、マジで。テヤンデェ、とか、本気で言い合うんだよ、舞台上で。シャラクセエゼ、とかさ。
 お江戸の話でござんすからね。

 で、銀ちゃんの車にのっけてもらって、新宿に。
 途中、銀ちゃんとこの社長の星野さんも交えて、京王プラザでお食事を。
 近藤さんとか、火野正平さんとかの話で盛り上がる。どちらも星野事務所で銀チャンの大先輩俳優なんだな。んで2時から、8時半まで稽古して、その後、たかシとラーメン喰って帰った。そのらーめん屋の名が昌平ラーメン。今気がついたぜ!

 まだ二週間以上あるのに、時間がタリネーって感じだぜ!





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