2003年03月                             

月曜からしばし出張(2003.03.23)

こんな時に韓国に行きます。
 遊びじゃなくて仕事で、ですけど。茅野と赤星も一緒でね。周囲は心配するけど、今だからこそ行くってのもあるだろうと思うしね。
 何より38度線に行くわけでもないし。

 砂漠の戦争は一気に深みに進行して行くようですね。
 でも諦めずに、呟き続けようと思います。こんな声はブッシュにもラムズフェルドにも届きゃしないだろうけどね、それでもね、俺たちはこの戦争をじっと見つめているぞ。それも批判的な姿勢で睨み付けているぞ、と少しでも大勢の人間が、そういう態度を示すことは、間違いなく大きなパワーになります。
 見られてると思えば、暴走もしにくいでしょう。
 見られてると思えば、正義という建前を、そう軽率に逸脱できないでしょう。
 実は誰も正義なんて信じちゃいないんだけどね、敢えて私たちが正義という言葉を信じるふりをして、じっと見つめ続けましょう。
 それが本当に正義かね?と。
 
 今となっては、観客でいることしか出来ない寂しい私たちです。でもね、私は観客の力ってのをよく知ってるんだ。
 下手な役者たちの、ダメな芝居も、良い観客たちが熱心に見つめたら、出来が良くなることがあるんです。
 見つめてるよ。
 せめて、そういい続けましょう。
 少しでも良い結末に近づくように、心から祈りつつ。



何て言うかさ……(2003.03.22)

反対運動が世界で盛り上がってるね。同じ気持ちでいる人たちが全世界にあんなにいるんだと思うと希望を感じるね。
 でも、その反対運動も、何かヒステリックな感じになってさ、警官と殴り合いになってたり、罵り合ったりしてね、明らかに過剰なエネルギーが放出されている。
 もちろん反対運動だからね、ボクは彼らにシンパシーを感じるけど、でもな、あまりに深い思い込みで正義を独りで背負い込むような、そんで命を賭けて闘いに行くぞみたいな、そう言う感じになられちゃうと、それって、ブッシュたちが言う正義とどこかで血を分け合っている感覚なのではと、不安になってくるな。
 ボクはね、今回の戦争に対する反対運動は、なるべく多くの人たちの、静かな呟きが必要なのだと思ってる。戦争は嫌だよ、っていう、素朴な呟きね。それがじわじわと世界中に広がって貰いたいなと。
 お祭りみたいに盛り上がってもダメなんじゃないかな。理屈を闘わせてもなかなか出口は見えないな。だって明らかにイラクも問題を抱えてるからね。解放を待ってる人がいるのもたぶん真実だしね。
 何が正しくて、何が間違ってると言う議論はかなり虚しい。
 世界中の人たちの、素朴な実感でこの戦争を出口に導くしかないんじゃないかしら。
 一人一人が、しみじみと思わなきゃ。もうたくさんだよ、って。世界中の人が、イクラの人も一緒にさ、もうやめようよ、って。
 みんながちょっとずついつもより声を大きくしてね、もうやめよう、て。大声はいらないよ。いつも黙ってる人たちが、ほんの少し声に出すだけでいい。そう思うな。
 
 このささやかなホームページの中でもいいんだよ。議論なんかする必要もない。ただ嫌だよ、っていう呟きがたくさん現れれば、それはどこかで世界の動きに通じて行く。そう思ってる。



始めた……(2003.03.21)

諦めてはいけないと思う。
 まだ手遅れじゃない。
 何よりも投げやりにならないこと。
 もう一度、

 攻撃反対。

 人を殺さずに話をつける方法を探せ。
 それやめたら、終わりジャン。
 なあ?



戦争反対 (2003.03.18)

攻撃開始反対!
 みんな、もっと話し合えよ。
 なあ?



グローブ座も(2003.03.11)

『フォーティンブラス』も早いもので明日で終了です。今日は少しだけ覗きに行ってきました。茅野とか、伴とか、六角も来てな。あと、東山クンもね。
 演舞場に負けず、こちらも異常な盛り上がりで、これで終わりです、て場内アナウンスが流れても、お客さんが帰らないんだよね。いつまで鳴り続けるんだ、この拍手は!て感じ。
 うれしいことですけど。
 林間仲間の、博(V6長野)は一段と伸びましたねえ!
 彼はいつも冷静なんだよね。酒とか飲まない人だしね。演技でも、狂った感じになることがなかった。
 でも、今日なんかはキレてたな。狂気が漂ってた。熱い博がついに吹き出した、て感じだね。
 思い起こせば、かれこれ7、8年前。草薙クンがやったフォーティンブラスで、オズリックの和馬役をやったのが井ノ原クンでした。で、二人ともその公演で注目されて、その後一気にブレイクしたんだよね。
 今回の博も、オズリック和馬役の村上クン(関西ジュニ)もそれを知ってて、負けてはならじと必死でやってる。ジャニーズの競争ってホント、シビアだからね。皆さんもご存じのように、扉座だって生き残っていくのはかなり大変だけど、あっちは全国レベルのセレクトで、その中で果てのない競争があんだよね。東山クンはそれをじっと見守って、励ましたりしてる。
 ある意味、劇団なんだよ、あそこも。シビアな中に絆もあって。
 オレたちも必死にやんなきゃ適わねーぞ、と思うよね。
 
 明日で東京公演は終わりです。観に来てくれた方々、どうもありがとう。



昨日、初日でした(2003.03.10)

取りかかって約6年目になる、新三国志Ⅲの幕が無事に開きました。
 自分で言うのも変ですけど、かなり面白いです。扉座ファンにも是非、観て戴きたいな。4月分の三階4000円席なら、今ならまだ少しは空きがあると思います。スーパー歌舞伎に限っては、二階、三階の方がむしろ舞台がキレイに見えるし、盛り上がるとも言われていますしね。(宙乗りがあるからね)
 
 それとたぶん、これだけ大がかりなスーパー歌舞伎は、これで一区切りになるんじゃないかと思うんだよね。もちろん今後も新作は作るだろうけど、こんな三部作なんてあり得ないな、きっと。猿之助さんの疲労も極限の感じだし。今観て欲しい、と心から思います。

 昨日はいろんなお客さんが見えてましたが、一番嬉しかったのが、横尾忠則さんとお会いできたこと。今回のポスターが横尾作品なんですがね、嬉しくてロビーでポスターにサイン貰ってしまいました。他の人たちも呆れてたな。んで終演後に、同じポスターに猿之助さんのサインも貰って、スゴイ家宝が出来ちゃいました。
 横尾さんて、誰?という人、勉強して下さい。

 また終演後は京劇の人たちと会食でした。みんな若いんだ。21、2歳でね。でも8歳ぐらいから修業を積んでると言ってた。それで腕を買われて日本に来て、一稼ぎして帰るんだから、うちの若者たちにも見習って貰いたいよね。舞台観てくれればわかるけど、心底プロだよ、彼らは。

 あと、今日は三郷で、無邪鬼の公演でした。
 犬飼の棟梁で、新バージョンです。
 熱心に観てくれた少年少女たち、あと作業を手伝ってくれた方々、どうもありがとうございました。次は本公演にも来てね!



明日から(2003.03.08)

新三国志Ⅲの開幕です。今日はゲネプロでした。
 自分で言うのも何ですけど、かなり面白いと思います。それと今の時代にね、それも今週、来週辺りの世界情勢に不気味なほどテーマが添ってて、思うところの多い上演になりそうです。
 チケット代が高すぎて、扉座ファンの皆さんには、なかなか観ていただけないとは思いますけど、三階なら3000円、4000円の席もありますから(3月分はほぼ売り切れだけど、4月以降を探す価値はあります!)是非、一度体験して欲しいと思います。

 と言うわけで、私は明日は一日、演舞場にいます。 
 パートⅠに取りかかってからかれこれ6、7年です。その集大成の初日であります。
 もし劇場でみかけたりしたら、お気軽に声をかけてね。あそこには扉座ファンが少なくて寂しいんだ。多くの観客が、私のことを猿之助門下の作者だと思ってるんだね……



今日は……(2003.03.05)

朝からNHKで『深夜劇場へようこそ』の収録でした。浅丘ルリ子さんと木場勝巳さんという大物二人がゲストでした。
 特に浅丘さんの時には未だかつてなかったスペシャルライトも数発仕込まれ、スタジオが明るい明るい。何のメイクもしていない私の顔なんかかえって青白く光り、顔色悪く見えるほどでした。でも、私も相棒の植本潤もルリ子さんとは仕事をしているので、意外に堅苦しくなく、ケッコウ面白く時間は過ぎた、と思います。放送は5月過ぎになると思うけど……
 その後渋谷で、再来年の某イベント(まだ秘密)のための打ち合わせがあり、しかし思ったより早く済んだので、そのまま映画に行きました。
 『戦場のピアニスト』
 ずっと見ようと思っていたのと、今度やる新三国志Ⅲとテーマが似てそうだったので偵察を兼ねて。
 良い映画ですね。全編、そこはかとない哀しみと怒りに満ちあふれて、息苦しくなるような緊張感に包まれています。でもその中に微かにのぞく一筋の光明、その美しさ、って感じ。
 んで、私の作品ともやっぱり少し被ってる。
 新三国志Ⅲを書き出した昨年の春には、私はこの映画の存在を知らなかったので、まったくの偶然ですが、戦争に音楽をぶつけて希望を見るという手法はよく似ています。
 ただ、何しろこっちは大エンタテイメントでおまけに歌舞伎ですからね。普通に見る分には、完璧な別物でしょうね。
 ま、相乗効果で話題になれば、と思いました。いずれにせよ、共に今の時代だからこそ、敢えてやるべきテーマを扱ってるんだからね。

 明日は『無邪鬼』の稽古をしに錦糸町に。

 追伸 
 このページの発言に対する削除の問題が話題になってますけど、田中クンに聞いたところ、少し前の某俳優に関する私生活暴露のような発言を一つ削除した以外の削除はここ数日していないようです。話題にされている??さんの発言が消えたのは、事故か手違いだと思われます。
 私らはそんな細かいことにイチイチ反応するほど、神経過敏じゃありませんから。某俳優のことだって、一度はそのままにしておこうかと思ったほどでね。役者なんか話題にされてナンボだろ、なんてネ。結局真面目な田中が消しましたが……
 しかし、これからも基本的には、ここでは遠慮なく、言いたいことを言いたいように言って戴いて結構です。
 何よりも皆さんのことを信じていますから。



怒濤の如く日々は過ぎ……(2003.03.03)

昨日、今日は来年度の研究生のオーデションでした。昨日は日本テレビの取材が朝から稽古場であり(番組名とかは後日お知らせします)、今日は午前中に新橋演舞場で宙乗りの安全祈願お払いがありました。あちこち、駆けずり回る日々です。
 スーパー歌舞伎は今日から小屋入りであります。
 そんで今週の土曜日にいよいよ開幕。
 一方で『フォーティンブラス』も進行中です。劇中の歌う石坂の変な歌があちこちで物議を醸しております。なぜか石坂が歌うのです。それもとっても変な歌。歌なのかあれは?とほど変な歌…… 本人は本格的な歌なのだと言い張っておりますが……
 さて肝心の舞台は、ヒロイン役の山川恵理佳クンが意外と言っては失礼ながら、とってもいいのよね。劇中の人物とまったく同じように、初舞台なんだけど、芝居の勘所がわかってる人なんだよな。何なんだろうね、天性のものなんでしょうかね…… もちろん経験が足りないから、仮題はたくさんあるけどね、将来有望には間違い在りません。
 南林間の自転車のセガレ(長野クン)もとてもよくやっています。中央林間出身の私と、東林間の六角とで、林間演劇をいつかやろうナと言うのが夢です。でも彼の先輩で大和出身のマッチさんから横槍が入るかもしれません。ボクとしてはその時は南林間主役で行きたいんだ。しかしそれ以上問題なのは大和に劇場がないことです。誰か大和に劇場を立てさせて!大はいらない、500人程度のやつでいいんだから。
 みんなで市長に手紙を書きましょう。
 長野クンと横内でコケラ落としは出来ますから、って。



今日は……(2003.03.01)

新宿のサニーサイドシアターというところに、元研究生たちが旗揚げした劇団プリンフラモード鯖の公演を見に行ってきました。昨年の研究生で、細川貴史という男の作演出です。昨年のラブ3でも面白い作品を作ってた奴で、ラブ3製作中から、お前は扉座なんかにいないで自分の作品作りをしろよと勧めておりました。その言葉通り、今回、劇団を旗揚げしてしまったので、私としても責任上バックレるわけにもいかず、今日は井川遥さんのブルーリボン賞受賞(昨夏の『儚』で)式があったのだけど、断って細川劇団を見に行ったのです。
 実はあんまり期待してなかったのです。ラブ3の一演目と、一本まるまる新作を作るのではまったく別次元の作業なのでね。苦戦してるだろうと思ってました。
 しかしこれが大きく予測を裏切り、大健闘しておりました。最近付き合いで若い劇団を見ることが続いたのですけど、最近の中では私の中でかなり上位にランクイン出来ますね。まあ、身贔屓もあるだろうけど。
 作風はね、私の何なんかのとはまったく違います。少し暗くて繊細でね、起承転結は不明瞭だし、何が言いたいのかはっきりしないし、苦手な人にとっては苦痛かもしれない世界を持っています。まだ構成とかに甘さもあるしね。
 ただセリフがいい。会話のリズムと言語センスが鋭いんだな。だから世界がイマイチ不明瞭でも退屈にならない。ダイナミックなストーリーがなくても、人間が生き生きと見えてくる。これはかなりの力がないと出来ないことです。本人は、今後はどうなるかわからないと言ってるけど、才能があるのは間違いないね。芝居で生きてくのは本当に難しいのであんまり勧められないけど、言葉に携わる仕事には向いてると思うよ。
 昨年の研究生たちが中心のキャストなんだが、役者たちもよくやってるしネ。元研究生の大島清一郎、澤田達哉、森川絵利が出ています。扉座研究所卒業生もなかなかのもんだなと、嬉しくなりました。日曜日までやってます。興味のある人は応援して上げて下さい。
 
 公演問い合わせ 09091989609 サワダ

<<座員選考の理由>>

同じような疑問をお持ちの方は多いと思います。それぞれに応援をして下さっていた方もいらっしゃいますしね。
 ただこの理由というのも、本当に一人一人個別の理由があってね。このなかには選考以前に、自分から退団を申し出て来た者もいるし。
 ここで一人一人について説明することは難しいですね。

 ただ研究生については、二年目終了時にも査定をすると、これは一年目が終わった時点で言い伝えてあるのです。二年を終えて、劇団に残すかどうかを決める、と。
 実は三年目からはレッスンがなくなるのです。もう研究生じゃない。ラブ3もない。あとは日々劇団の下働き(通称奴隷)をしつつキャストについて本公演に出るチャンスを掴むしかないのです。
 でもそうなるとこの先の競争相手は座員たちですからね。かなり厳しい競争です。その一方でもうレッスンもないわけですから、ここからは自分で何とかしていくしかない。その上に休む間もない奴隷生活の日々が続く……
 才能を認めたからこそ、研究所にも入れたし、二年目にも残したんですよ。で、今だって、素材としてはそれぞれ良いものを持ってると思います。けど、それでは彼らにいつ扉座本公演で活躍するチャンスが回ってくるかと言えば、これは本当に困難な道のりです。すでにいる若手たちだってみすみす後輩に役を取られてなるものかとがんばりますから。

 君たちの力は認めるけど、今はもっとレッスンと経験を積むときだ。これがほとんどの者に私が言った言葉です。もっとチャンスのあるところに行け。そしてこの悔しさをバネにして、君たちを手放した扉座を見返すような活躍をし給え。これが彼らへのメッセージです。
 
 でもね、この世界は狭い世界です。続けてれば、いつか必ずどこかで一緒にやることになる。その時まで、無事に生き残ってること、それは何も彼らにだけのテーマでなく、私にとっても他の座員たちにとっても永遠のテーマなのですよ。
 
 少しでも、おわかり頂けましたでしょうか?





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